晩秋の季語と和菓子

和菓子

こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

10月8日から二十四節気【寒露】に入りました。江戸時代の《こよみ便覧》では「陰寒の気に合つて露結び凝らんとすれば也」と表記され、草木に冷たい露が降りる時期となります。それに伴い、季語も「仲秋」から「晩秋」へと移り変わりました。

●秋の季語の区分
◇初秋:立秋から白露の前日まで
◇仲秋:白露から寒露の前日まで
◇晩秋:寒露から立冬の前日まで
初秋~晩秋までの全ての期間に共通する季語を「三秋」といいます。

山々が色づき、秋の味覚も出揃う頃を表現する「晩秋」の季語には、胸をはずませるものが数多くありますね。今回は、「晩秋」にまつわる和菓子をご紹介していきたいと思います。

参考:初秋の季語と和菓子仲秋の季語と和菓子

季語【菊酒】~『掬水』錦玉製《彩雲堂》

菊の花弁を浮かべて菊酒に見立てた羊羹で、ほんのりとした酒の香りや軽やかな食感に新鮮な驚きを感じた一品です。二層のうち、透明な部分の方がより芳醇な香りがしていました。不老長寿の象徴でもある「菊」は古から重宝され、【重陽の節句】では菊の花を浮かべた酒やお茶を嗜んだりしていました。

『掬水』に使われているお酒は、以前ご紹介した『ひとくち生ういろう日本酒白老』と同じ、常滑市の銘酒「純米吟醸 白老」です。

参考:日本酒好きにおくる和菓子『ひとくち生ういろう日本酒白老』《青柳総本家》

季語【柚子】~2種類の製法《両口屋是清》

左『柚子餅』道明寺製右『柚子の香』練り薯蕷製

冬至のイメージがある『柚子』ですが、9月上旬~12月下旬が実の収穫時期。実を表す『柚子』は【晩秋】の季語になります。ちなみに「柚子湯」だと【仲冬】、「柚子の花」だと【初夏】の季語を表します。

《両口屋是清》さんは、同時期に製法の違う柚子の上生菓子を出されます。そうすると、やっぱり両方食べたくなっちゃいますよねー。『柚子餅』はモチモチの柚子風味の道明寺に小豆つぶ餡、『柚子の香』は練り薯蕷のねっとりとした食感で上品な甘さ。どちらも美味しい、選べません。

参考:和菓子の製法~『薯蕷練切(じょうよねりきり)製』編

季語【柿】~『市田柿きんとん』

『市田柿きんとん』《尾張犬山菓匠もちたけ》
▪︎販売価格:1個310円(税込)
▪︎賞味期限:【10月~5月】製造日より5日間【6月~9月】製造日より3日間

市田柿コンクールで最優秀賞を獲得した日本一の市田柿に、栗きんとんを入れた秋の味覚を堪能できる一品。

熟柿(じゅくし)だけでも十分おいしいのに、さらに栗きんとんもなんて堪りません!干し柿の歯ごたえ、中のとろ~りとした柿ジャムのような甘みにホクホクした栗きんとんが絡み合います。この組み合わせを考えた人にお礼を言いたいぐらい、極上の味わいですね。

『栗名月』葛製《美濃忠》

中秋の名月の約1ヶ月後、旧暦9月13日は十三夜(【後の月(のちのつき)】)にあたります。食べ頃を迎える栗や大豆をお供えすることから『栗名月』とも呼ばれています。

《美濃忠》の『栗名月』は栗餡を葛製の皮で包んだもの。つるりとして光を帯びる上生菓子を美しいお月さまに見立てた一品です。

本来、十五夜にお月見をしたら十三夜も必ずお月見するものとされていて、片方だけを祝うことを『片月見』といい、縁起が悪いという説もあるんですよ。

参考:中秋の名月と『薄(すすき)』モチーフの和菓子

ちなみに2021年の栗名月は、10月18日になります。

『照葉(てりは)』こなし製

『照葉』《川口屋》
▪︎販売価格:1個320円(税込)
▪︎賞味期限:製造日より日間
▪︎特定原材料等:小麦粉

初夏の瑞々しい青楓が好きですが、やはり気温が下がるごとに彩りを変えていく木々には目を奪われますね。

参考:おすすめ和菓子『若楓』《和の菓さんのう》

【紅葉】を表す季語は数たくさんがありますが、今回ご紹介するのは【照葉】。紅葉した葉が光を反射して照り輝いているさまを色鮮やかなこなし製で表現した一品です。葉っぱ一枚にも黄色、赤、緑が入り交じる秋の風情を写しとっていますね。

今回ご紹介した和菓子店舗

《彩雲堂》本店

住 所 〒451-0025
島根県松江市天神町124
▪︎JR松江駅より徒歩9分
電話0852-21-2727
営業時間■店頭販売:9:00~18:00
※冬期1/9~2/29は9:30~17:00となります。
■茶寮:9:30~17:30(17:00ラストオーダー)
※冬期1/9~2/29は10:00~17:00(16:30ラストオーダー)
◇茶寮メニュー
1. 彩雲堂プレート(お飲み物セット)
 1,430円(税込)
2. 季節の上生菓子
 880円(税込) ※他、季節限定メニューもあります。
休業日不定休

《両口屋是清》名古屋三越店

住所460-0008
愛知県名古屋市中区栄3丁目5-1 地下1階Google Map
□ 名古屋市営地下鉄東山線・名城線「栄」駅より地下街で連絡
□ 名鉄瀬戸線「栄町」駅より地下街で連絡
電話052-252-3408
営業時間10:00 〜 18:00
休業日百貨店の営業日に準じます

《両口屋是清》八事店

住所468-0061
愛知県名古屋市天白区八事天道302 GoogleMap
・地下鉄名城線・鶴舞線「八事」2番出口徒歩3分
・駐車場:6台有り
電話052-834-6161
営業時間販売:9:00 〜 18:00
喫茶:11:00~17:30(L.O.17:00)
※コロナの影響により営業時間が変更になる場合があります。詳しくは公式サイトまで
休業日毎週水曜日

《尾張犬山菓匠もちたけ》

住 所 〒 484-0081
愛知県 犬山市犬山北笠屋10-1名鉄犬山線犬山口駅より600m,徒歩8分

駐車場:店舗裏に4台、店舗向かいに4台
電話0568-61-1658
営業時間8:00 ~ 18:00
休業日年中無休

《美濃忠》本店

住  所〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸ノ内1-5-31
地下鉄鶴舞線・桜通線「丸の内」駅8番出口より 徒歩5分
丸の内駅から301m
電  話
FAX
ホームページ
052-231-3904(代)
052-231-1804
http://www.minochu.jp/
営業時間9:00~18:00
休業日年中無休

《美濃忠》JR名古屋高島屋店

住  所〒450-6001
愛知県名古屋市中村区名駅1-1-4 ジェイアール名古屋タカシマヤ地下1階 和菓子売場
JR名古屋駅直結・名鉄名古屋駅から163m
電  話052-566-8551
営業時間10:00~20:00
休業日※店休日・営業時間は百貨店の営業に準じます。

《川口屋》

住 所 〒460-0003
愛知県名古屋市中区錦3-13-12

・名古屋市営地下鉄「栄」駅から徒歩約4分
電話052-971-3389
※御菓子の予約は1個からお電話にて承っております。
営業時間9:30~17:30 
休業日日曜日・祝日・第3月曜日

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