こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
今回は【季語と和菓子】シリーズから「三冬」を取り上げたいと思います。
冬の季語の区分
- 初冬:立冬から大雪の前日まで
- 仲冬:大雪から小寒の前日まで
- 晩冬:小寒から立春の前日まで
「初冬」~「晩冬」までの全ての期間に共通する季語を「三冬」といいます
参考:初冬の季語と和菓子、仲冬の季語と和菓子、晩冬の季語と和菓子
季語【木守】にまつわる和菓子3選
左:《月乃舎》の『木守り』
- 練りきり製備中白小豆餡
- 賞味期限:製造日より2日間
- 販売価格:1個292円(税込)
中:《花桔梗》の『木守』
- 薯蕷製 柿混じり白小豆こし餡
- 賞味期限:当日中
- 販売価格:1個324円(税込)
右:《川口屋》の『木守り』
- 完熟柿入り練り薯蕷きんとん製道明寺芯
- 賞味期限:製造日より2日間
- 販売価格:1個320円(税込)
同じ菓銘でも全く表現方法が異なるのが、和菓子の興趣が尽きないところ。
「木守り」とは、翌年の豊穣を願って、木にひとつふたつ残しておく実(柿やゆず、みかん等)のことをいいます。和菓子だと柿をモチーフにしたものが多いようです。
ちなみに《川口屋》さんのは、同じ意匠で11月14日までは『最初柿(もしょがき)』という菓銘でした。同じ意匠でも過ぎゆく季節とともに菓銘が変わる、これもまた和菓子の醍醐味といえるでしょう。
『藪柑子』きんとん製つぶ餡
『藪柑子(やぶこうじ)』《両口屋是清》
▪︎販売価格:1個335円(税込)
▪︎賞味期限:製造日より2日間
▪︎特定原材料等:小麦粉
▪︎栄養成分表示:1個あたり134kcal
あしひきの山橘の色に出でよ語らひ継ぎて逢ふこともあらむ
山橘(やまたちばな)の紅い実のように、はっきり思いを表しなさい。さすれば、語り継がれて逢うことが叶うこともありますよ |
万葉集の詠まれた「山橘」とは【藪柑子(やぶこうじ)】のことです。冬の季節でも小さな赤い果実を生らせる藪柑子は、心に秘めた恋心を表すのにうってつけの素材なのでしょう。
常緑で赤い実をつけることから、縁起物として正月や神事の飾り付けにも使われています。
参考:二十四節気【大雪】と赤く染まる『藪柑子』《両口屋是清》
季語【蕪】にまつわる和菓子
『白かぶ』《花桔梗》
▪︎販売価格:1個324円(税込)
▪︎賞味期限:当日中
▪︎ういろう製白小豆餡
▪︎栄養成分表示:1個あたり90.2kcal
1月7日、七草粥として召し上がる七草のひとつ「スズナ」は【蕪】の別名です。
やさしい味わい『白かぶ』を、もっちりとしたういろうで表現しました。ヘタは練りきり製で出来ています。
通常の蕪は中を割っても真っ白ですが、こちらは美しい紅餡が表れました。白と紅のコントラストにうっとりしますね。
『笹鳴』蕨粉製
『笹鳴』《両口屋是清》
▪︎賞味期限:製造日より2日間
「梅に鶯」とは、相性のよい取り合わせを表した諺になります。春のうららかな情景が目に浮かびますね。
ですが、冬のウグイスはまだ、美しい鳴き声を放つことはありません。人里近くに下りてきて「チッチッ」と舌鼓のような音を鳴らします。これを『笹鳴』といいます。
『笹鳴』は、寒さが一番厳しい【大寒】の頃、店頭に並ぶ和菓子です。【立春】まであと少し…『笹鳴』は冬の終わりが近づいたことを知らせる和菓子になっています。
今回ご紹介した和菓子店舗
《月乃舎》
住所 | 〒511-0232 三重県員弁郡東員町笹尾東3丁目2-3 |
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電話 | 0594-76-5925 |
営業時間 | 9:00〜18:00 |
休業日 | 月曜日(祝日は営業) |
《花桔梗》本店
住所 | 〒467-0003 愛知県名古屋市瑞穂区汐路町1-20 □ 名古屋市営地下鉄桜通線「桜山」駅4番出口より南東へ徒歩約10分 瑞穂区役所駅から520m |
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電話 | 052-841-1150 |
営業時間 | 10:00~19:00 ※茶寮(イートイン)利用は11:00〜17:00 |
休業日 | 1月1日 |
《川口屋》
住 所 | 〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦3-13-12 ・名古屋市営地下鉄「栄」駅から徒歩約4分 |
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電話 | 052-971-3389 ※御菓子の予約は1個からお電話にて承っております。 |
営業時間 | 9:30~17:30 |
休業日 | 日曜日・祝日・第3月曜日 |
《両口屋是清》八事店
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