おすすめ和菓子『井出の里』《川口屋》

和菓子

こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

普段インテリアには興味がないし、料理の皿に至っては、出来上がったものが乗れば良いぐらいの考えの人なのです。ただ和菓子だけは、より美味しそうに見える銘々皿はないかと思案してしまいます。せと陶祖まつり(瀬戸市)も行けなかったしなぁ…夏向きの銘々皿が欲しいところです。

せと陶祖まつりとは

陶祖 藤四郎(加藤四郎左衛門景正)の遺徳を偲ぶお祭りで、毎年、4月下旬に御物奉献行列、せともの楽市、せと窯元直販処など、瀬戸市内で様々な行事が行われています。

瀬戸焼は、日本六古窯として日本遺産に認定されています。

『井出の里』の由来

「井出」とは、現在の京都府綴喜(つづき)郡井手町にあたりのことで、山吹の名所として知られています。そのため、『井出の里』を菓銘とした御菓子は、山吹の花をモチーフとした意匠になります。また井出は、山吹の歌枕として多くの和歌に詠まれています。

駒とめて なほ水かはん やまぶきの 花の露そふ 井手の玉川

『新古今和歌集』藤原俊成

では何故、井出が山吹の里として認知されるようになったのでしょう。

それは、井出左大臣と呼ばれた橘諸兄(たちばなのもろえ)がこの地に別邸を構え、山吹を植えたことが発端だと云われています。橘諸兄は奈良時代の皇族の葛城王、後に臣籍降下して橘姓を名乗りました。聖武天皇のもと「墾田永年私財法」などを発布し、国力の回復に尽力した人物です。大伴家持とも親交があり、万葉集の選者の1人だったという説もあるようです。

『井出の里』練り薯蕷きんとん製

《川口屋》320円

山吹は、春の終わりを彩る楚々とした姿の花です。黄色と白の太めのきんとんに、小さな大徳寺納豆がちょんと乗せてあります。(きんとんの上の黒い粒は、汚れではなく大徳寺納豆です)

晩春の季語・山吹を思わせる黄色と緑の葉柄に、夏の到来を感じさせる赤の入った手拭いを『井出の里』に合わせてみました。

ひとくちメモ

  • 練り薯蕷のきんとんなので、ねっとりとした味わい。
  • 中は道明寺製。
  • きんとんのねっとり感と道明寺のモチモチ感のバランスが絶妙でおいしい。
  • 小さな大徳寺納豆の塩気もアクセントになっている。

大徳寺納豆は、通常の納豆菌ではなく麹で発酵させ天日干しするので、塩気が特徴となります。味噌やもろみに近い独特な風味が楽しめる素材です。

今回ご紹介した和菓子店舗

川口屋

※5/2~5/5までは予約分のお渡しのみ。5/6~5/11まではお休みとなります。

名古屋市中区錦3-13-12

地下鉄「栄」駅から徒歩約4分

営業時間 9:30~17:30

定休日 日曜日・祝日・第3月曜日電話番号 052-971-3389(予約可)

コメント

タイトルとURLをコピーしました