こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
二十四節気では1月20日より【大寒】に入ります。一年でもっとも寒さが厳しい頃ですね。
江戸時代に発行されたこよみ便覧では
「冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也」と【大寒】を表しています。この厳寒期を過ぎれば「立春」、草花や動物たちはそろりそろりと春の準備をはじめるのです。
今回は《和の菓さんのう》の季節の上生菓子セットより、早春にふさわしい和菓子をご紹介したいと思います。
二十四節気【大寒】の七十二候
初候 款冬華
- 読み方:ふきのはなさく
- 時期:1月20日〜1月24日頃
- 意味:凍てついた地面に蕗の花が咲き始めるころ
次侯 水沢腹堅
- 読み方:さわみずこおりつめる
- 時期:1月25日〜1月29日頃
- 意味:沢の水が氷となり、厚く張りつめるころ
末侯 鶏始乳
- 読み方:にわとりはじめてとやにつく
- 時期:1月30日〜2月3日頃
- 意味:鶏が春の気を感じ、たまごを産み始めるころ
『梅一輪』薯蕷製小豆こし餡


『梅一輪』賞味期限2日《和の菓さんのう1月の上生菓子セット》より
梅一輪 一輪ほどの 暖かさ
松尾芭蕉の弟子、服部嵐雪が詠んだ句を彷彿させるような一品です。梅は、早春の寒気の残るなか百花にさきがけて花開き、春の訪れを知らせます。「春告草」と呼ばれることもあるんですよ。
ひんやりとした質感の銘々皿に温もりを感じさせる薯蕷をのせ、寒いなかポッと花をほころばす梅を演出してみました。
ふんわりとした薯蕷饅頭が紅白なのも「咲き分け」を意識したものなのでしょうか。
「咲き分け」とは、1本の木に紅白の花が咲くこと。本来、赤い花が咲くのに色素が足りず、白いまま花開く現象。
『春告鳥』練りきり製小豆こし餡


『春告鳥』賞味期限2日《和の菓さんのう1月の上生菓子セット》より
早春、ほかの鳥に先駆けてさえずりはじめるウグイス。別名を『春告鳥』といいます。ウグイスを模した和菓子といえば「うぐいす餅」が有名ですね。
《和の菓さんのう》さんのは「ウグイス」の形そのものを練りきり製で表したもの。丸みをおびた姿が愛らしく、数本入った線で生き生きした羽根が描かれています。…毎回、可愛すぎて食べるのを躊躇するほど。まぁ、鮮度が落ちないうちに食べちゃいますけどね(笑)
1月の上生菓子セット内容

左上から時計回りに
- 『水仙』練りきり製つぶ餡
- 『梅一輪』薯蕷製小豆こし餡
- 『春告鳥』練りきり製小豆こし餡
- 『千代姫』ういろう製柚子餡
- 『下萌え』黒糖きんとん製道明寺芯
- 『雪うさぎ』羽二重餅製つぶ餡
今回ご紹介したフリーランス和菓子職人
《和の菓さんのう》

定期販売
名古屋星ヶ丘テラス 毎月第2火曜日・第3日曜日
岐阜県本巣市atelierフェリス 毎月第4水曜日
※インスタグラムで予約可
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