こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
和菓子の製法シリーズも第14弾、今回は『浮島』製です。
参考:和菓子図鑑
『浮島』は棹菓子で使われることが多い製法で、羊羹などの異なる素材と組み合わせて食感の違いを楽しむ和菓子です。ふんわりなめらかな『浮島』が、どのように作られているのか、ではさっそく見てみましょう。
『浮島』製の製法
『深山路』《和の菓さんのう》
▪︎賞味期限:製造日より2日間
『浮島』とは蒸し菓子の一種で、餡に卵、砂糖、上新粉や小麦粉などを加え蒸し上げて作る和菓子です。カステラやシフォンケーキに似ていますが、カステラ等は焼き菓子なので出来上がりの風合いに違いが出ます。まるで、ビロードのような食感と、『浮島』を表現される方もいます。
『浮島』の名前の由来は、湖沼の水面に浮いて見える小さな島「浮島」に、ふっくらと蒸し上がった形状が似ていることから命名されたといわれています。
『浮島』の製法
- 卵は卵白と卵黄に分ける。
- ボールに白あんと卵黄を合わせ、木べらでよく混ぜる。
- 上新粉と小麦粉を加え、底から大きくさっくりと混ぜ合わせる。
- 卵白を泡立て、ある程度泡立ったら砂糖を加え、きめ細かくツノが立つメレンゲを作る。
- 3にメレンゲを加えて、大きくさっくりと混ぜ合わせる。手早く混ぜると、ツヤのある生地が出来上がる。
- 5で出来た生地を、クッキングシートを敷いた型に流し、蒸す。
『春の舞』羊羹×浮島
桜の花びらがはらはら落ちる風情を『春の舞』と称し、浮島と羊羹(上の層が『浮島』)、桜の花びらをこなしで表現しました。
「雛まつり」イベントで、子どもと一緒に参加をした時に茶室にて振る舞われた上生菓子です。大人達がさっさと食べてしまうなか、そっーと少しずつ大事そうに食べていた子ども。その様子は、桜の花びらを集めて大切に持ち帰った幼少のころを彷彿させましたね…
すっごくかわいい御菓子だったから、じーっとながめていたら、まわりの大人たちもお母さんもさっさと食べちゃっていて、びっくりしたよ。
『雅の初夏』浮島×羊羹×かるかん
『雅の初夏』《松華堂》
▪︎販売価格:半棹820円(税込)
▪︎賞味期限:製造日より4日間
水色のかるかんと柳色の浮島、間に若葉色の羊羹とグラデーションが美しい棹菓子です。しっとりとした『浮島』と、ほわっと優しい伊勢芋のかるかんが、絶妙な組み合わせとなっています。
《松華堂》の棹菓子は、丹念に彩りも素材も重ねられていて、季節ごとの美しい情景を楽しめる名品です。
行事和菓子『聖夜』大納言羊羹×浮島
『聖夜』《三好屋老泉》
※2018年12月購入品
▪︎販売価格:1個251円(税込)
▪︎賞味期限:製造日より2日間
黒を基調とした格子状の羊羹×浮島で、クリスマスの華やかな夜を演出しました。大納言羊羹に刻み栗が入っているのも、食感の違いが生まれて楽しいですね。
《三好屋老泉》の三代目は、動物などのモチーフを可愛らしい和菓子に仕立てるのを得意とする和菓子職人さんです。
日本のさまざまな行事ごとの際には、『聖夜』のようなポップな意匠の和菓子も販売され、見ているだけでワクワクします。
2020年のクリスマス和菓子、同じく羊羹×浮島の意匠のもの。 実演の様子↓ 《三好屋老泉》インスタグラム |
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