こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
今まで知らなかった日本の伝統行事について、菓銘を通してふれることがあります。今回の『糊こぼし(のりこぼし)』も正にそう。花の形をしている和菓子に何故「糊」なんて字があてられているのかなと、不思議に思ったのが購入のきっかけです。
季節の生菓子セット
▪︎販売価格:3個入り1101円
▪︎賞味期限:製造日より2日間
奥から時計回りに
◇『花見団子』よもぎ備中白小豆こし餡&よもぎ入りういろう&丹波大納言つぶ餡
◇『糊こぼし』京こなし練り薯蕷製黄身こし餡
◇『夜の梅』大島きんとん製備中白小豆つぶ餡
奈良東大寺に1,200年以上続く「修二会(しゅにえ)」という伝統行事が、3月1日より2週間にわたって行われます。本行に入る前の2月23日には、仏前に供える椿や南天の造花をつくる「花拵え(こしらえ)」があります。椿400個、南天50個と途方もない数つくられるそうですよ。
『糊こぼし』にまつわる話
『糊こぼし(のりこぼし)』
▪︎販売価格:1個400円(税込)
▪︎特定原材料等:小麦、卵、やまいも
▪︎賞味期限:製造日より2日間
奈良東大寺二月堂における「修二会(しゅにえ)」のひとつに「お水取り」という行事があります。これは3月12日の深夜、「お香水(おこうずい)」を若狭井から汲み上げる儀式です。お香水は本尊の十一面観音に献じたり、供花の水として用いられたりします。
「花拵え」で作られた赤2枚、白3枚の花びらの椿は期間中、仏前に供えられています。花弁が赤と白の2色なのは、東大寺を開山した良弁僧正を祀る開山堂の庭に咲く椿の品種「糊こぼし」に見立てているからです。椿の真紅の花びらが一部分、あたかも糊をこぼしたように白くなっていることからその名がつきました。
奈良では「修二会(お水取り)」の期間、意匠を凝らした『糊こぼし』が各和菓子屋さんの店頭に並ぶそうです。東海地区ではほぼ見かけない地域特有の和菓子なので、今回食べられて感激いたしました。《亀広良》さんは京菓子司だから関西の行事にも造詣が深く、『糊こぼし』の取り扱いがあったのでしょうか?
食べたひとくちメモ
- むっちりとしたこなし製の花びら。甘さ控えめで上品な味わい。
- 花の中央部分の黄色が色鮮やか。こっくりとした黄身こし餡がおいしい。
- 京こなしの花びら5枚と黄身こし餡の割合が絶妙。
今回ご紹介した和菓子店舗
《京菓子司 亀広良》
住 所 | 〒451-0025 愛知県名古屋市西区上名古屋1-9-26 ・名古屋市営地下鉄名城線「名城公園」駅1番出口徒歩8分 |
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電話 Fax | 052-531-3494 052-531-3494 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
休業日 | 火曜日・水曜日 |
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