【啓蟄】と春の和菓子『野辺の春』『胡蝶の舞』《和の菓さんのう》

二十四節気と和菓子

こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

二十四節気では3月5日から【啓蟄】に入りました。「けいちつ」と読みます。江戸時代、太玄斎によって書かれた「こよみ便覧」に依れば

「陽気地中にうごき ちぢまる虫 穴をひらき出ればなり」

見慣れない「蟄」という字は「虫などが土中に隠れ閉じこもる」を表した言葉。大地が暖まり「啓(ひらく)」、冬の間活動を潜めていた生き物たちが春の訪れを感じ這い出して来るのです。

【啓蟄(けいちつ)】とは、土中で冬ごもりをしていた生き物たちが目覚める頃のことを意味します。「虫」とあるので昆虫だと思いがちですが、生き物全般を指しているんですよ。

今回ご紹介する和菓子は、『野辺の春』と『胡蝶の舞』の二品。『胡蝶の舞』なんて、鬼滅の刃に出てくる「蟲柱・胡蝶しのぶ」を彷彿させる菓銘で、なかなか楽しいですね。【啓蟄】にふさわしい和菓子と云えるのではないかしら(笑)

『野辺の春』『胡蝶の舞』

《和の菓さんのう》3月の上生菓子セットより

左『野辺の春』

  • よもぎ羽二重餅製つぶ餡
  • 賞味期限2日

右『胡蝶(こちょう)の舞』

  • ういろう製すだち餡
  • 賞味期限2日

野原に咲く草花に、チョウチョが舞い降りましたよ✨そんなイメージで『野辺の春』と『胡蝶の舞』を銘々皿に盛りつけてみました。春のうららかな光を浴びた御菓子のおいしそうなこと!

『野辺の春』は、ふんわりと柔らかな羽二重餅によもぎが練り込まれている香り豊かな一品。黄色や桜色の華やかなきんとんが、春の訪れに喜ぶ野原の風情を表しているかのようですね。

ちょっといたずら心で『胡蝶の舞』の向きを変えて盛り付けてみたら蝶々の斑点の見立てが…不思議と目鼻や大きな口を開けて草花を食べようとしているコミカルな表情に見えてきました。愉快、愉快。

『胡蝶の舞』は、むっちりとしたういろう製の一品。ういろうが折り畳まれていることで、より弾力が感じられます。

中はすだち餡。爽やかな味わいが良いですね✨また、すだちに含まれるフラボノイド成分「ナリルチン」は、花粉症の症状を抑制してくれるそうですよ。毎年、花粉症には悩まされるので、すだち餡は身体にとってもおいしい餡といえますね。

今月の季節の上生菓子セット内容

左上から時計回りに

  • 『菜の花』きんとん製道明寺芯
  • 『河津桜』練りきり製つぶ餡
  • 『胡蝶の舞』ういろう製すだち餡
  • 『野辺の春』よもぎ羽二重餅製つぶ餡
  • 『うららか』練りきり製小豆こし餡
  • 『筍』きな粉練りきり製くるみ餡

1箱6個入り 2,900円

今回ご紹介した和菓子職人

《和の菓さんのう》フリーランス和菓子職人

定期販売

名古屋星ヶ丘テラス 毎月第2火曜日・第3日曜日 

岐阜県本巣市atelierフェリス 毎月第4水曜日

※インスタグラムで予約可

コメント

タイトルとURLをコピーしました