そうだ!和菓子屋へ行こう~《万年堂》編

おすすめ和菓子屋さん

こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

今回ご紹介するのは、新栄町ヤマザキマザック向かいにある『万年堂』※現在の新栄町の店舗は5/6まで。6月初旬からは移転先の覚王山へ。親戚筋の京都の老舗《亀末廣(文化元年創業)》より屋号を贈られ、昭和24年(1949年)に名古屋の地にて創業しました(前身は三重県津市で営んでいた《桑名屋》)

外観と名前で文具もしくは仏具店と勘違いしてたので、もっと早く訪れていれば良かったなぁとほんの少しだけ残念に思っています。まぁ、覚王山のお店も商品の取り揃えは同じと仰ってましたので、6月以降もそちらに訪れてみたいと思います。

参考:移転した《万年堂》さんへ行ってきました。『女郎花』『磯辺』~夏から初秋の和菓子

干菓子・半生菓子が豊富

まず店舗に入ると干菓子・半生菓子の商品の豊富さに目を見張ります。盆に並べられた雅やかな御菓子は、まるで1枚の絵画を見てるかのようです。ご主人が丁寧に説明をしてくださるので、あまり食べたことのない干菓子・半生菓子にも手を伸ばしたくなりますね。

御菓子を包んでいる間、お茶と御菓子のサービスがあります。

この日は『玉兎』の焦がしをいただきました。ほろほろ崩れる軽い落雁製で、いら粉(※)で出来ています。

※もち精白米を蒸し上げた後よく乾燥させ、さらに粉砕し少しずつ煎りあげたもの。

干菓子(半生菓子)はあまり馴染みがないかと思いますが、茶席では薄茶席には干菓子(半生菓子)、濃茶席には上生菓子が出されます。この商品の取り揃えが、名古屋だけでなく全国の茶人たちにも贔屓にされている所以でしょう。

代表銘菓『おちょぼ』をはじめとする看板商品

ころんとした丸いフォルムに、ちょんと打たれた紅。小指ほどの小ささに完成された美が感じられる干菓子です。口に含むと、阿波和三盆糖の気品ある甘みが口いっぱいに広がります。最初はフワッーとゆっくりほどけ、途中からすっーと消え、香りの豊かさだけが余韻として残ります。

こういう御菓子は、一粒ずつ大切に食べたくなります。「食べる」行為そのものに神聖な心持ちになったりするのが『おちょぼ』の魅力かもしれません。

他にも半生菓子では、餡玉をすり蜜でくるんだ小粒な『松露糖(しょうろとう)』や餡玉を上がり羊羹でひと粒ずつくるみ、苔に見立てた『石ヶ根(いわがね)』も看板商品といってよいでしょう。

季節を彩る上生菓子、行事干菓子セット

4月上旬の季節の上生菓子1個378円

  • 『花くれない』練り薯蕷きんとん製つぶ餡
  • 『青葉の影』葛餅製白餡
  • 『藤結び』こなし製白つぶ餡

干菓子、半生菓子だけでなく季節の上生菓子も5種類くらい用意されています。和菓子は季節先取りが基本なので、4月初めでも藤の花や青葉(夏の季語)を意匠としたものが並んでいました。

こちらは端午の節句を祝う干菓子です。今までは華やかな上生菓子ばかりに関心がありましたが、『万年堂』さんを知ったことで干菓子や半生菓子にも目が向くようになりました。上生菓子は季節の移ろいをそのとき楽しむもの、干菓子や半生菓子は移ろいと共にあるもの。きっと、そんなふうに使い分けてもいいですね。

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