こんにちは、きりこです。
ある日同僚に「きりこさんは、FIREって考えてる?」と聞かれました。どうやら、某テレビ番組の特集で《三菱サラリーマン》さんの実態を見て、衝撃を受けたようです。
FIREとは 《Financial Independence Retire Early》の略称で、経済的自由かつ早期リタイアの意。 |
投資家界隈でもFIREは以前から話題にはなっていましたが、わりと静観している人のほうが多い印象です。…テレビだと、センセーショナルな取り上げられ方してたのかな?見てないので分からないけど。
「家も買っちゃっているし…どうしよ」と、若干不安そうな表情だったので、まずはお金とのつきあい方を知ったほうがいいよと何冊かおすすめ本&YouTubeを紹介しました。
紹介した本&YouTube
- 『ほったらかし投資術』山崎元、水瀬ケンイチ 著
- 『人生100年時代の年金戦略』田村正之 著
- 『臆病な人でもうまくいく投資法(お金の悩みから解放された11人の投信投資家の話)』竹川美奈子 著
- YouTube両学長リベラルアーツ大学『サイドFIRE』
三菱サラリーマンさんはFIREを目指し、30歳で7,000万円の資産を築き、早期退職を実現しました。
参考:【FIRE】30歳で本当にセミリタイアしました。【念願】
こういう話は内容までしっかり伝わればいいのですが、早期リタイア・7,000万円・30歳と、インパクトの強い部分だけが伝播してしまうのが難点です。そこで今回は、FIREのベースにもなる考え方『となりの億万長者』をご紹介したいと思います。
あらすじ
億万長者とは、実際どんな人々なのか?―アメリカ富裕層研究の第一人者であるスタンリー博士とダンコ博士は、1万人以上の億万長者にインタビューとアンケートをして、資産や年収、職業、消費行動のタイプを徹底的に調査。結果は驚くべきことに、彼らのほとんどはありふれた職業と家庭をもつ「普通の人々」だったのだ!
では億万長者でない普通の人々や、所得は多くても資産の少ない人々と、彼らはいったいどこが違うのか?
本書は、そうした本物の億万長者の日常の暮らしぶりから学ぶべき「7つの法則」を導き出し、成功と幸福を手に入れたい読者に伝授する
内容(「BOOK」データベースより)
あなたは《蓄財優等生》?それとも《蓄財劣等生》?
1997年出版された『となりの億万長者』には、約四半世紀読み継がれてきた普遍的な7つの法則があります。
- 彼らは、収入よりはるかに低い支出で生活する
- 彼らは、資産形成のために、時間、エネルギー、金を効率よく配分している
- 彼らは、お金の心配をしないですむことのほうが、世間体を取り繕うよりもずっと大切だと考える
- 彼らは、社会人となった後、親からの経済的な援助を受けていない
- 彼らの子供達は、経済的に自立している
- 彼らは、ビジネスチャンスをつかむのが上手だ
- 彼らは、ぴったりの職業を選んでいる
高収入に甘んじて支出を繰り返せば蓄財されるものがなく、お金の不安がいつまでも付きまとうものです。この本では収入の多寡に関わらず、倹約=支出の最適化をはかることが大切だと伝えてくれます。蓄財優等生、劣等生という表現は言い得て妙で、どちらになりたいかは言うまでもありません。
蓄財優等生と蓄財劣等生とは
- 蓄財優等生:何かをゼロから築き上げること、経済的に自立することを目標にする人
- 蓄財劣等生:ステイタスの高いライフスタイルを誇示することに重点をおく人
蓄財優等生は毎年項目別予算立てて出費のコントロールをしたり、先取り貯蓄(収入の最低15%)を実施したりしています。このあたりまえの行動が取れるかどうかが、分かれ目ですね。
《三菱サラリーマン》さんも、収入の8割を投資にまわすライフスタイルを送っていたようです。…8割はさすがに無理かも(笑)
時間、エネルギー、お金の配分…まるで『7つの習慣』
蓄財優等生は資産運用計画に時間を使い、蓄財劣等生は贅沢なライフスタイルのために時間を浪費します。蓄財劣等生は、ものの価値=自分の価値が高まると思っているので、消費行動に歯止めがかかることがありません。また、贅沢品を交渉で値切って目先の利益がプラスだったしても、関係性が構築されないので、人生においてマイナスになることが多い人達です。
あれっ、これって何か知ってる!と思ったら、『7つの習慣』でいう第2領域やwin-winの考え方ですね。
『7つの習慣』スティーブン・R・コヴィー 著
時間管理の原則より、緊急ー重要のマトリックスで分けた4つの領域
- 第一領域:緊急かつ重要な事
- 第二領域:緊急ではないが重要な事
- 第三領域:緊急だが重要ではない事
- 第四領域:緊急でも重要でもない事
第2領域に注力することが、最も大切だと教えてくれています。
次世代への金融教育
経済的援助を与えれば与えるほど子供は資産を蓄えず、援助が少なければ少ないほど資産を築くようになる
『となりの億万長者』第5章 親の経済的援助より
いくら子どもや孫が可愛いからといって、際限なくお金(教育費、家、果ては生活費まで)を与え続ければ、新たな蓄財劣等生を生み出すだけでしょう。魚の捕り方を教えず、魚そのものを与えられてきた子ども達は、計画性もなく収入以上の生活することになります。蜘蛛の糸に必死にぶら下がっている人達…いつか蜘蛛の糸が切れた時、どうなるのでしょう。主体性もなく生きてきた人の行く末は…
よかれと思ってやっている経済的援助のおぞましさ、少しは伝わったのではないのでしょうか。
この辺りの考え方は、三谷宏治 著『お手伝い至上主義でいこう』『お手伝い至上主義』が参考になります。 書籍レビューも書いてます。よろしければどうぞ 『お手伝い至上主義』のすすめ |
まとめ
『となりの億万長者』は、派手な流行りの投資本と違い、堅実で比較的再現性も高い内容です。お金をためるには守りの姿勢が重要、そして変化に対応できる柔軟性が必要と説いています。お金に対する基本姿勢を身につけると家計のマネジメント力や年金制度への理解が深まり、《老後2,000万円不足問題》の時のようにマスコミに踊らされることもなくなるでしょう。
億万長者にならないにしても、お金との向き合い方の基本として、一度は読んでおくことをおすすめします。
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