こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
10月8日より二十四節気【寒露】に入ります。朝晩の冷え込みがはっきりし、露の冷たさに秋の深まりをしみじみと感じる頃です。日中は澄んだ空気のなか過ごしやすい日が多くなります。
今週末は【十三夜】。澄みわたる空気のなか、美しい月が拝めるといいですね。
【寒露】の七十二候
初候 鴻雁来
- 読み方:こうがんきたる
- 期間:10月8日〜10月12日頃
- 意味:雁が北から渡ってくる頃。
次候 菊花開
- 読み方:きくのはなひらく
- 期間:10月13日〜10月17日頃
- 意味:菊の花がさく頃。
末候 蟋蟀在戸
- 読み方:きりぎりすとにあり
- 期間:10月18日〜10月22日頃
- 意味:蟋蟀(※ツヅレサセコオロギのこと)が戸口でなく頃。
今回は、初候【鴻雁来】・次候【菊花開】にまつわる和菓子をご紹介したいと思います。
『初雁』

『初雁(はつかり)』《川口屋》
- 1個320円(税込)
- 黒糖葛製 百合根入りこし餡
- 賞味期限:2日間
- 特定原材料等:なし
秋になり、その年初めて北方から渡ってくる雁のことを「初雁(はつかり)」といいます。
夏によく使われる葛を秋らしく黒糖で仕上げ、夏から秋への移り変わりを素材でも表現しました。黒糖葛から透ける百合根を、優雅に飛んでいる雁の姿に見立てています。

⏫中は、なめらかなこし餡。さらりとした甘さで、独特な風味の黒糖とも相性抜群です。ほくほくした百合根の食感もいいですね。
「百合根」の効用【気滞・津虚】
- 粘膜や肌、肺を潤して咳を鎮めるはたらきがある。
- 精神疲労からくるイライラ、不安感、不眠などに効果がある。
『千代見草』

『千代見草(ちよみぐさ)』《川口屋》
- 1個320円(税込)
- 練り薯蕷きんとん製 紫蘇入り道明寺芯
- 賞味期限:2日間
- 特定原材料等:小麦粉、やまいも(伊勢芋)
秋を象徴する花といえば「菊」。「菊」には幾つもの別名があるのをご存知でしょうか。隠逸花(いんいつか)、陰君子(いんくんし)、星見草(ほしみぐさ)、霜見草(しもみぐさ)、そして今回ご紹介する『千代見草』です。
9月、10月は菊を意匠とした和菓子がさまざま出回ります。練り切り・こなし製の『着せ綿』や薯蕷製の『光琳菊』…etc.、色んな「菊」を食べられるのもこの季節ならではの楽しみです。
《川口屋》さんの『千代見草』は、ひと手間かかった練り薯蕷きんとん製。きんとんの繊細さが華やかで、風情がありますね✨

「練り薯蕷」とは、伊勢芋を蒸して白餡と混ぜたもの。伊勢芋の風味とねっとりとした舌触りが味わえる「きんとん」です。白餡のみの「きんとん」よりも練り薯蕷製のほうが好みなので、食べたときに顔がほころんでしまいますね✨
伊勢芋の特徴
- 栄養価が高く「畑のうなぎ」と称される。
- 山芋の中でも特に強い粘りを持つ
- 味にクセはなく濃厚なコクがある。

⏫中は、道明寺餅。もちもちした道明寺に紫蘇の香りと酸味がアクセントになっています。
今回ご紹介した和菓子店舗
《川口屋》
- 住所:名古屋市中区錦3-13-12
- アクセス:地下鉄「栄」駅から徒歩約4分
- 営業時間 9:30~17:30
- 定休日 日曜日・祝日・第3月曜日
- 電話番号 052-971-3389(予約可)
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