こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
8月7日より二十四節気【立秋】に入りました。江戸時代、太玄斎によって書かれた「こよみ便覧(※)」に依れば ※こよみ(暦)便覧は、江戸時代に出版された暦の解説書
まだまだ暑い日が続きますが、少しずつ朝夕の風にふと秋の気配が感じられるようになってきました。時候の挨拶も【立秋】から「残暑見舞い」に替わります。
【立秋】の七十二候 | 名称 | 意味 |
初候 8月7日~8月11日頃 | 涼風至(すずかぜいたる) | 夏の暑い風から、秋の涼しい風に替わりはじめる頃 |
次候 8月12日~8月16日頃 | 寒蝉鳴(ひぐらしなく) | 夏の終わりを告げるかのように、ヒグラシが鳴いている頃 |
末候 8月17日~8月22日頃 | 蒙霧升降(ふかききりまとう) | 森や水辺に白く深い霧がたちこめる頃 |
さて今回はちょっと珍しい「鹿の子」製の和菓子をご紹介したいと思います。どうぞお楽しみください。
『鹿の子』道明寺製 丹波産白雪大納言小豆
『鹿の子』《京菓子司 亀広良》
▪︎販売価格:1箱3個入り 1,101円(税込)
▪︎道明寺製 丹波産白雪大納言小豆
▪︎賞味期限:製造日より2日間
鹿の子製とは「鹿の子斑(鹿の背の白い斑紋)」に見立て甘く煮た豆を餡玉や求肥などにつけた御菓子のこと。
「鹿の子」は江戸中期の宝暦年間(1751年〜1764年)、日本橋人形町の和菓子屋《恵比寿屋》さんで誕生しました。こちらは当時人気を博した歌舞伎役者·嵐音八のご実家だったとか。店先に羽織を着せた4尺のからくり人形を置き、竹の皮で包んだ「鹿の子」を運ばせたというエピソードも残っているそうですよ。 “歌舞伎役者の実家で生まれた和菓子”という触れ込みが世間を賑わし全国に広まったと云われています。 |
一般的には丹波大納言小豆など「黒」の豆で作られることが多いのですが、こちらは白小豆。それだけでも目を引きます。さらに聞いたこともない「白雪」と冠する小豆の品種です。いったいどんな白小豆なのでしょうか。
「丹波産白雪大納言小豆」とは ◇兵庫県丹波地域の特産品·希少な幻の白小豆。 ◇兵庫県農林水産技術総合センターに原種保存のために残されていた最後の100gを譲り受け、8年の歳月をかけて復活させたもの。 ◇丹波地域でも生産農家は限られ、一般には流通がほとんどない希少品種。 |
京菓子の流れを汲む《亀広良》さんは時折、おっ✨となる御菓子をお作りになるので目を離せません。今回の季節の上生菓子セットもほかの2つは季節を彩った菓銘がついているのに対し、こちらはシンプルに『鹿の子』と。隙間なくついた白小豆は成り立ちも相まって雅趣が感じられますね。
道明寺のさらりとしたモチッと感、白小豆の風味、それを包み込む寒天のなめらかな口どけのよさ。丹波産白雪大納言小豆の素材の良さを堪能するには鹿の子製は最適といえるでしょう。丹波大納言小豆は後を引く深い味わいなら、丹波白雪大納言小豆は瑞々しくあっさりとした味わい。いくつでも食べたくなるおいしさでした。
季節の上生菓子セット内容
左から順に
▪︎『鹿の子』道明寺製 丹波産白雪大納言小豆
▪︎『夏菊』ういろう製 丹波大納言小豆こし餡
▪︎『珠のしずく』シャインマスカット羽二重餅製 白ワイン入り白こし餡
1箱3個入り 1,101円(税込)
原材料名 | 砂糖(国内製造)、小豆、餅粉、米粉、シャインマスカット、道明寺粉、小麦粉、白ワイン、寒天、卵/着色料(赤3号、黄4号、青1号) |
特定原材料等 | 小麦粉、卵 |
栄養成分表示 | 1箱あたり 240kcal |
『夏菊』は何年か前にいただいたことがあるなぁと記憶の糸を手繰ってみれば…2022年にも同じ菓銘のものが見つかりました。ういろう製で織り成す花弁は同じですが違いもみられて趣が感じられます。
2022年バージョンの『夏菊』は、美しい藤紫(色)の花弁を吉野葛入りういろう製ですっきりと表現した一品。真ん中の花芯もまとまりある仕上がりになっています。対して2024年バージョンは、花芯を細やかなきんとんで仕上げ華やかさが感じられる意匠となっています。
「丹波大納言小豆」の特徴 □ 晩成種のため生育期間が長く、栽培に手間暇かかる。 □ 国内小豆流通量に占める割合は約1%と希少種。 □ 色鮮やかで大粒、甘みが強い。 □ 風味豊かで、皮が薄めながらも煮崩れしにくい。 |
こちらは羽二重餅でシャインマスカットを包んだ『珠のしずく』。果物を使った大福はよく見かけるようになりましたが、《亀広良》さんのは一風変わった白ワイン入りの白こし餡です。シャインマスカットの香りと瑞々しさに白こし餡の風味の良さが光ります。
お酒と和菓子の組み合わせといえば代表銘菓の『いちまいのみず』。子どもも大好きなので久しぶりに食べたくなっちゃいましたね。
今回ご紹介した和菓子店舗
《京菓子司 亀広良》
住 所 | 〒451-0025 愛知県名古屋市西区上名古屋1-9-26 □ 名古屋市営地下鉄名城線「名城公園」駅1番出口徒歩8分 |
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電話 Fax | 052-531-3494 052-531-3494 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
休業日 | 火曜日・水曜日 |
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