《端午の節句》と《こどもの日》~由来や行事和菓子を知ろう

和菓子

こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

ゴールデンウィークの最終日は、あいにくの雨ですね。子どもはお父さんとバドミントンをする予定だったので、朝から意気消沈中。(夫は昨日もバドミントンしたので目下のところ筋肉痛、恵みの雨です(笑)朝から自主学習ノートを開いて何やらやっています。今年の担任はあまり宿題を出さない代わりに、自主学習を推奨しているようです。自分で決めてやりたい勉強するって、いいよねー。

1年生のときの夏休みの日誌より「おかあ~さん、“も”のつく言葉が思いつかないよー」と持ってきたもの。…「やまもと」「まんごん」この面白さを越えるものにはまだ出会っていない。

さて本日は《こどもの日》、そして《端午の節句》でもあります。

今回は、それぞれの由来や《端午の節句》をお祝いする和菓子をご紹介したいと思います。

《こどもの日》の制定

《こどもの日》は昭和23年、祝日法により制定されました。

こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝することを趣旨とした国民の祝日です。

こどもの健やかな成長を願う日だとは知っていましたが、「人格の尊重」や「母に感謝する」ことも盛り込まれているのですね。知らなかったー!…とくに、母に感謝の一文は意外でした。5月の第2日曜日を「母の日」とする風習が日本で広まったのは昭和24年頃からなので、それ以前は《こどもの日》に“母(=生まれてきたこと)に感謝”していたんですね。

国際条約の「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」に日本は1994年に批准していますが、国内での取り組みが不十分だと国連に指摘されています。

《端午の節句》の由来

鯉のぼりをそよがせ鎧兜を飾り、邪気払いに菖蒲湯に浸かる《端午の節句》。端午とは「最初の午(うま)の日」といった意味で、午の月は5月のことをいいます。

古来、奇数は縁起の良い陽数、偶数は縁起の悪い陰数と考え、その奇数が連なる日をお祝いしたのが五節句の始まりです。めでたい反面悪いことにも転じやすいという考えから、お祝いとともに厄祓いもしていました。

五節句とは

  • 1月7日 人日(じんじつ)の節句《七草の節句》
  • 3月3日 上巳(じょうみ)の節句《桃の節句》
  • 5月5日 端午の節句《菖蒲の節句》
  • 7月7日 七夕の節句《笹竹の節句》
  • 9月9日 重陽の節句《菊の節句》

菖蒲には薬効成分があり、また葉の先が鋭く刀に似ていることから男子に縁起のよい植物とされてきました。鎌倉時代以降、菖蒲が尚武(しょうぶ)に通ずるとして、端午を男の子の節句として祝うようになったという説もあります。

端午の節句の和菓子~『柏餅』

左:味噌餡《仙太郎》

右:蓬製つぶ餡《花桔梗》

柏の葉は、新芽が育つまでは古い葉が落ちないことから「子孫繁栄=家系が絶えない」縁起のよいものとして、武士階級に大いにもてはやされました。粽は中国由来ですが、柏餅は日本で生まれた風習なんですね。

シンプルに白い餅に餡でも良いけど、最近は和菓子屋さんごとに趣向を凝らした柏餅を扱っているので、食べ比べするのも楽しみのひとつです。柏の葉に包まれた餅が、兜の形になっている和菓子屋さんもあるみたいですよ。食べる前に一度、形の確認してみるといいですね!

端午の節句の和菓子~『兜』

《両口屋是清》

男の子の身を守るためのお守りとして飾られるようになった鎧や兜。端午の節句の頃に、大事な鎧兜を出して手入れや虫干しした武家社会の風習から由来していると云われています。

ひとくちメモ

  • 紫帯びた艶やかなういろう製で、兜を型どった一品。
  • 中はこし餡。さらっとした餡とモチモチしたういろう製の取り合わせは絶品。
  • 小豆の赤も、邪気払いの意味合いがある。
  • 金箔で華やかさを演出。
  • 三日月は羊羹製。三日月モチーフの兜飾りといえば『伊達政宗』ですね。

端午の節句の和菓子~『こいのぼり』

左:『元気鯉』中花(ちゅうか)製《西川屋老舗》

右:薯蕷製《花桔梗》

鯉の滝登りにあやかって、立身出世の象徴として《端午の節句》に鯉のぼりを掲げるようになりました。初期の鯉のぼりは真鯉(黒)のみでしたが、そこに赤や青の鯉や5色の吹き流しが加わるようになりました。

立身出世の象徴としては、どちらも可愛らしい意匠の和菓子ですが、子どもウケは抜群です。

《西川屋老舗》の『こいのぼり』は焼き印の位置で顔立ちが変わり、コミカルな印象を受けます。しっとりとした皮に栗入りのつぶ餡で、小ぶりながらも満足度の高い一品です。

中花(ちゅうか)とは

  • どら焼きより柔らかい生地
  • 中にあんや求肥を入れる
  • 表面に焼き印などを押す

《花桔梗》は、鯉のぼりの焼き印に4色に色づけされた薯蕷饅頭です。色とりどりの鯉のぼりが、気持ち良さそうに風に吹かれてなびくさまが表現されています。

端午の節句の和菓子~『花菖蒲』

《両口屋是清》

菖蒲は買えなかったので、上生菓子で用意してみました。というよりは、いつも菖蒲湯のことを忘れちゃっているんですよね。冬至の柚子湯より認知度が低い気がします。ただ、菖蒲には血行促進などの薬効成分があるらしいので、邪気払いよりも肌のカサカサ(特に背中)に良いだろうかと興味はありますね。

ひとくちメモ

  • つるんとした葛製に白こし餡。
  • 紫と黄色に色づけされたこし餡で、花菖蒲の見立てをしている。
  • 角度を変えると餡の色の透けかたが違って風情がある。
  • 餡は最初はさらっと口当たりよく、後から濃厚な甘みが広がる。

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