立夏の和菓子『初かつお』《川口屋》

二十四節気と和菓子

こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

立夏に入り、すっかり初夏らしい陽気になってきましたね。季節の和菓子のラインナップも、春の柔らかな彩りから色鮮やかなものに変わって来ました。この色彩の変化も和菓子を楽しむポイントのひとつです。

今回は、ゴールデンウィーク明けのいまいち乗りきらない心や身体に、活力にあふれた和菓子をお届けしたいと思います。

立夏とは~二十四節気

立夏とは二十四節気の第7節目、暦のうえで夏の始まりの時期で、春分と夏至の中間にあたります。5月5日頃~次の節の小満(5月20日頃)の前日までが立夏になります。

立夏を5日ごとに分けた七十二候では

  • 初侯:蛙始鳴(かわずはじめてなく)→冬眠から目覚めた蛙が生き生きと鳴き始める頃
  • 次候:蚯蚓出(みみずいずる)→冬眠から目覚めた蚯蚓が土から這い出て来る頃
  • 末候:竹笋生(たけのこしょうず)→筍がひょっこり土から顔を出す頃

鰹の旬は2回「初鰹(はつがつお)」と「戻り鰹」

回遊魚の鰹は初夏の頃、黒潮に乗って日本近海にやって来ます。この時期に獲れる走りの鰹を「初鰹」といいます。戻り鰹も脂がのっていて美味しいですが、初鰹も爽やかな味わいで、初物を好む江戸っ子たちに珍重されたそうです。初鰹は初夏の季語として歌にもよく詠まれています。

鎌倉を生きて出でけむ初鰹

こちらは鎌倉で獲れた活きのよい鰹が江戸へ運ばれたさまを、松尾芭蕉が詠んだ句です。

目には青葉 山ほととぎす 初鰹

目では鮮やかな「青葉」美しい鳴き声の「ほととぎす」舌で楽しむ「初鰹」と、この時季を堪能する句を江戸時代の俳人によって詠まれています。

『初かつお』ういろう製

《川口屋》320円

淡いピンクのういろうに、縞模様の筋をつけて『初かつお』に見立てた一品です。艶々したういろうが、瑞々しい鰹の断面に見えるから不思議なものですね。葛が入っているので、もっちりというよりもつるりとした食感が味わえます。初物の鰹を食べた江戸っ子も、こんな爽やかさを感じたのではないのでしょうか。

東海地方で初鰹の和菓子といえば《美濃忠》の『初かつを』。美しい断面です。

2月~5月の季節商品、蒸し羊羹製です。棹ものなので、なかなか買うに至らず。

今回ご紹介した和菓子店舗

川口屋

名古屋市中区錦3-13-12

地下鉄「栄」駅から徒歩約4分

営業時間 9:30~17:30

定休日 日曜日・祝日・第3月曜日電話番号 052-971-3389(予約可)

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