お伊勢さんと和菓子『利休饅頭』&『とろりｔｏｒｏｒｉ　珈琲』　～おはらい町をぶらぶらと

こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

平日15時すぎの「おはらい町」。比較的、人通りは疎らで歩きやすい状況でした。ふらふら気になるお店を覗きながら歩いても、連れとはぐれることはありません。

伝統的な日本家屋が立ち並び、建物を見てるだけでも楽しめちゃいますね。

打ち水して涼を感じさせてくれた《五十鈴茶屋》さん。店頭に並んだ季節の和菓子も美味しそうです。

人通りは疎らといえ、《赤福》の前には人だかりが出来ていました。夏の名物『赤福氷』をいただきたいところでしたが、断念。またの機会といたしましょう。次回はぜひ『白餅黒餅』も買いたいなぁ。

Starbucks Coffeeもカフェというより茶屋と言いたくなる日本家屋仕様。店の前で、中高生くらいの少年たちが「すげぇ、入ってみよーよ」とワイワイしてて、微笑ましかったです。

百五銀行も街並みに溶け込むように、風情のある佇まいです。

百五銀行の隣には利休饅頭と、屋号より目立つ書体で掲げられた看板が目につきました。

お伊勢さんに行くと「伊勢餅街道」というくらい、さまざまな餅菓子に出会います。赤福もそうですね。そのなかで、大きな利休饅頭の看板は気になったので入ってみることにしました。

伊勢名物『利休饅頭』

『利休饅頭』って伝統的な和菓子なので渋いイメージですが、《藤屋窓月堂》のは包み紙が白・紅・緑と可愛らしい彩りで手に取りやすい印象です。茶巾絞りのように捻られた部分をほどくと、中もほっこりする模様で嬉しくなりました。

3つとも銘々皿に並べてみました。ぎゅうぎゅう詰めなのが、より可笑しみを誘いますね。箱入りではなくバラで購入したので、ちょっぴり形が歪になってしまったのはご愛嬌。

ふっくらと蒸しあがった素朴なおまんじゅうの菓銘“利休”は、茶人 千利休(本名：千 宗易)に通ずるもの。明治初期、伊勢の茶人達が千家の宗匠を招き伊勢神宮献茶会を催した際、宗匠好みの饅頭を作りお出ししたそうです。これを大層お気に召され『利休饅頭』と名付けられました。

珍しいのは、うずら豆のこし餡を使った白。豆特有の風味、ほっくり感が楽しめて、素朴なおまんじゅうにインパクトを生んでいます。ぜひ一度、食べてみてほしい味わいですね。

『利休饅頭』以外にも目を引く和菓子が色々ありました。お値段も手に取りやすいものが多いですね。和菓子の花形、季節の上生菓子も1個200円と破格です。

店頭に残っていた季節の上生菓子『夏萩』⏬

練りきり製の『夏まつり』や薯蕷製の『沢がに』等、季節の風物詩を愛らしい意匠で作られています。ぜひ、次回はいただきたいものですね。

お財布にやさしい価格帯が多いなか、少し高めの値段設定で変わり種の和菓子？を発見しました。

その名も『とろりｔｏｒｏｒｉ　珈琲』。夏限定のわらび餅です。

大きなスプーンで食べるわらび餅『とろりｔｏｒｏｒｉ　珈琲』

コーヒーを練り込んだわらび餅の中心に、北海道産小豆の「あんこ玉」が入っている新感覚のわらび餅『とろりｔｏｒｏｒｉ　珈琲』。津市にある老舗「富士珈琲」の自家焙煎コーヒー×伊勢の老舗和菓子屋《藤屋窓月堂》の自家製あんのコラボで生まれた夏限定の一品です。

インスタントコーヒーに比べ、焙煎した豆から抽出するレギュラーコーヒーを菓子材料にするのは難しく、試作を重ねてようやく出来上がりました。

蓋を開けると、フワーッと芳しいコーヒーの香りが立ち上ります。コーヒーのアロマ効果で、旅の疲れも吹き飛ぶかのよう。コーヒーの黒×餡の黒で見分けがつかないのですが、大きなスプーンで掬うと…

とろりとしたコーヒーわらび餅×あんこ玉が一体となって出てきました。ほろ苦さがあるコーヒーを上品な餡が包み込んで、まろやかな仕上がりになっています。コーヒーの風味が変わってしまうので、お召し上がりは当日中に(生菓子は何でも当日中が一番おいしいですし)。

今までなかった、妙味ある「わらび餅」ですね✨これは癖になりそうです。

8月末までの販売商品なので、次食べられるのは来年以降。お伊勢さんにいった際にはまた立ち寄りたいと思います。

今回ご紹介した和菓子店舗

《藤屋窓月堂》おはらい町本店