『初かつを』の季節がやって来た《美濃忠》

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こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

以前は《川口屋》さんの『初かつお』を取り上げさせてもらったのですが(参照:立夏の和菓子『初かつお』《川口屋》)、今回は大本命の《美濃忠》のものをいただきました。「初鰹」の季語は【初夏】なので少しお早いのですが、和菓子は季節先取りで楽しむもの。

鎌倉を生きて出でけむ初鰹

諧通俗誌」 松尾芭蕉

鰹は春、黒潮に乗って北上し若葉のころ伊豆・房総沖に到達します。松尾芭蕉は、鎌倉で獲れた活きのよい鰹が江戸へ運ばれ徳川将軍に献上されたさまを詠みました。

《美濃忠》創業時より代々伝わる伝統銘菓『初かつを』

『初かつを』《美濃忠》

  • 1本 2,487円(税込) 半棹 1,296円(税込)
  • 消費期限:製造日より4日間
  • 販売期間:2月上旬~5月下旬
  • 原材料名:砂糖(国内製造)、米粉、葛、小麦粉/着色料(コチニール)
  • 特定原材料等:小麦粉
  • 栄養成分表示:100gあたり 185kcal

上質の葛を使用し、伝統の製法で蒸し上げた美しい一斤染いっこんぞめ(色)の羊羹『初かつを』。毎年、買おうか迷っているうちに時期を逃していた逸品です。一般的な羊羹は水分量が少なく糖度も高いため、防災食にも選ばれるほど消費期限が長いものが多い印象です。それに比べて『初かつを』の消費期限は、たったの4日間。期限が短めなのは、水分量多めのもっちりした蒸し羊羹ならではと云えるでしょう。贈答用にするには日持ちが短めで躊躇っちゃうかもしれませんね。

高島屋バイヤー・畑 主税さんの仰るとおり「名古屋の和菓子はとーっても柔らかい」のが特徴。水分量の多い蒸し羊羹はその最たるものではないでしょうか。1本食べきれるかどうか分からなかったので、今回は半棹を購入いたしました。自分用にするには少々お値段が高めで、ドキドキ💓しますね。はぁ、贅沢だわー。

⏬包装を外すとこんな感じ。美しい縞模様が入った『初かつを』がお目見えしました。表面はきめ細やかで光沢を帯びてみえます。

一緒に入っていた黒文字に切り分け用の糸が巻き付いていて、至れり尽くせりですね。棹菓子はいつもは包丁で適当に切り分けるのですが、今回はせっかくなので撚り糸で切り分けてみたいと思います。

⏫おぉ✨断面が切り身かのように模様が入った状態になりました。これは、なんとも風雅な意匠ですね。

舌触りも繊細、溶けるような滑らかさは葛が入っているからでしょうか。ぷるんとした弾力に瑞々しい食感は、幾らでも食べられてしまう軽やかな味わい。これは…販売期間中にもう一度味わいたいですね。

雅趣に富む意匠に上品な風味の『初かつを』は、この先も時代を超えて人々に受け継がれる銘菓であってほしいと切に願っています。

今回ご紹介した和菓子店舗

《美濃忠》本店

住所:名古屋市中区丸ノ内1-5-31
電話番号:052-231-3904(代)
FAX番号:052-231-1804
営業時間:9:00~18:00
定休日:年中無休(元日を除く)

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