こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
最近のしとしとした雨がやみ、今日は快晴、しかも今年初めての夏日だったようですね。
ちなみに学生の頃、元気がないときに
光合成が足りてないぞ。太陽の光を浴びなくちゃ
などと冗談で言い合ってましたが、日光を浴びるとセロトニンの分泌が活性化され、精神のバランスを整えてくれるので、あながち間違った考え方でもなかったのでしょう。
《穀雨》~二十四節気
本日4月20日から暦の上では、二十四節気の《穀雨》にあたります。
春雨降りて百穀を生化すればなり
『こよみ便覧』国立国会図書館デジタルコレクション
穀物の成長を促す恵みの雨が降り注ぐという意味合いで、《百穀春雨(ひゃっこくはるさめ)》と言ったりもします。だんだんと日差しも強くなっていくこの頃、農家では田植えの準備をし始めます。
穀雨は春の季の最後の節で、その終わりごろに八十八夜を迎えます。いよいよ立夏ですね。
今回は、穀雨の時期にみられる『躑躅(つつじ)』をテーマにした和菓子をご紹介したいと思います。
『岩根つつじ』きんとん製つぶ餡
山の岩根に咲いているつつじを柔らかなきんとんで表現した一品です。新緑の清々しさと可憐なつつじのコントラストが見られるのも、この時季だけの特典ですね。
持って帰る時に失敗して、真四角きんとんになっちゃったのが残念至極。上に乗っているきんとんの躑躅(つつじ)の見立ても繊細で美しかったんですけどねー。
そういえば子供の頃、つつじの甘い蜜を吸って遊んでいた記憶があるのですが、どうやら品種によって毒を持っているつつじもあるらしく…いやはや無事で何よりです。
今年は同じくきんとん製で『躑躅きんとん』の菓銘で販売されていました。新緑(太め)に躑躅(細い)のきんとんという表現方法は一緒ですが、今年のほうが色のコントラストが強めなのと、新緑のきんとんがより太くなっています。面白いですね!
『つつじ花』こなし製
薄紅色のこなしにつつじの花が描かれ、花の周りに紅色と萌木色の暈しが入った意匠となっています。つつじが満開になると葉っぱは埋もれて見えなくなってしまう、そんな情景が浮かびますね。
平安時代の襲(かさね)の色目で、表地:赤、裏地:緑の配色にし躑躅(つつじ)に見立てたりしていました。平安時代の人々は自然の色合いの調和を衣装に取り入れることによって、四季の移り変わりやその風情を愛で、また自然の偉大さに敬意をはらっていたといえるでしょう。
コメント