こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
春の予感を感じると食べたくなる和菓子「下萌(したもえ)」。【下萌】とは早春、地中から草の芽が出始めること、またその芽を指します。厳しい冬に耐えた大地の生命力を感じさせる【初春】の季語ですね。二十四節気【雨水(うすい)】の末侯【草木萌動(そうもくめばえいずる)】にぴったり合う菓銘だと云えるでしょう。和菓子屋さんでは、2月初旬ごろから店頭に並び出します。和菓子の世界では季節の先取りが趣があってよいとされるので、実際の季節よりも早めに販売されることが多いようです。
同じ菓銘でも、和菓子屋さんによって意匠が変わるのが興趣の尽きないところ。今回は『下萌』にまつわる和菓子をご紹介したいと思います。
《三好屋老泉》の『下萌』

『下萌』《三好屋老泉》
- 1個230円
- しぐれ製こし餡
- 賞味期限2日
胡桃染色のしぐれ製に小豆の粒、若菜色のきんとん製で『下萌』の情景を表現した一品です。小豆の上にはらりと乗っている金箔が、春の訪れを喜ぶ大地を思わせますね。
《御菓子所 芳光》の『下萌』

『下萌』《御菓子所 芳光》
- 1個320円
- おぼろ饅頭こし餡
- 特定原材料等:小麦粉
- 賞味期限2日
二十四節気【雨水】の初候「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」を彷彿させるような柔らかな色合いのおぼろ饅頭ですね。雪解けし、潤った大地に芽吹く若菜色の草木。春の訪れに心もゆるむ、そんな風情のある一品です。
《花桔梗》の『下萌』

『下萌え』《花桔梗》
- 2019年2月購入品
- 練り薯蕷製
- 特定原材料等:やまいも
- 賞味期限1日
ほんの少し入っている緑に、雪景色だった大地に少しずつ春がやって来る情趣を感じます。雪国の春ですね。大地を表す茶色は見えず、雪の中から今か今かと春を待ち望む草木の息吹を意匠とした一品なのでしょう。
《川口屋》の『下萌』

『下萌』《川口屋》
- 1個320円
- 黄身しぐれ製柚子餡
- 特定原材料等:卵
- 賞味期限2日
下の餡は美しい抹茶色。黒文字をスッと入れたとき、あまりの鮮やかな色合いに心を打たれました。「黄身しぐれ製」は、中の餡がどんな色かを見るのも楽しみのひとつです。
大地を割って、春を知らせる草木の緑がちらりと垣間見えるさまを意匠とした一品になります。
今回ご紹介した和菓子店舗
《三好屋老泉》


《御菓子所 芳光》

住所:名古屋市東区新出来1-9-1
電話番号:052-931-4432
営業時間:9:00~18:00
定休日:日曜日
《花桔梗》本店

住所:愛知県名古屋市瑞穂区汐路町1-20
電話番号:052-841-1150
営業時間:10:00~19:00
定休日:元旦のみ休業
※JR名古屋高島屋店、名古屋栄三越店の地下1階にも店舗があります。
《川口屋》

名古屋市中区錦3-13-12
地下鉄「栄」駅から徒歩約4分
営業時間 9:30~17:30
定休日 日曜日・祝日・第3月曜日
電話番号 052-971-3389(予約可
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