三夏の季語と和菓子

和菓子

こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

セミの鳴き声が朝から響きわたり、夏の暑さも佳境となってきました。ホームで電車を待つ数分ですら汗だく、暑い…涼しげな和菓子でも眺めて癒されたいところです。今回は【季語と和菓子】シリーズから「三夏」を取り上げたいと思います。夏の季語は、「初夏」「仲夏」「晩夏」の期間に分かれていますが、その全ての期間に共通する季語を「三夏【立夏(5月5日頃)から大暑(8月6日頃)】」といいます。

  • 初夏(立夏から芒種の前日まで)
  • 仲夏(芒種から小暑の前日まで)
  • 晩夏(小暑から立秋の前日まで)

参考:初夏の季語と和菓子仲夏の季語と和菓子5選晩夏の季語と和菓子

『夏の朝』を2パターンの製法で

左:錦玉製※2020年購入品

右:ういろう製※2019年購入品

2つとも《両口屋是清》さんの同じ菓銘『夏の朝』になります。菓銘が同じでも意匠が変わると景色が違ってみえる、そこが和菓子への興趣が尽きないところです。

錦玉製『夏の朝』は、求肥、小豆や白小豆の粒を浮かべて水辺の情景に見立てた一品です。透明感のある水縹(みはなだ)色が清流を思わせ、ひんやりとした触感まで伝わってきそうではありませんか。

ういろう製『夏の朝』は、夏の風物詩である朝顔の花を意匠とした一品です。くるりと捻りを利かせたういろう製の皮が花弁の柔らかさを演出しています。

『緑陰』本葛製白餡

『緑陰』賞味期限1日《和の菓さんのう7月の上生菓子セットより》

夏の日差しが強くなると、生い茂った木陰は何よりも有り難いもの。ほんの少しの休息が得られる貴重な時間となります。

瑞々しい葛に包まれた餡は、緑(白餡)・小豆と二層になっていて、まるで木陰で休む人影のようにも見えますね。つるりと喉を通る葛製の和菓子は、夏の定番素材です。

参考:和菓子の製法~『葛製』

『雲の峰』きんとん製

『雲の峰』賞味期限2日《美濃忠》※2020年購入品

夏空にそびえ立つ大きな積乱雲(=入道雲)のことを『雲の峰』といいます。爽快な青にもくもくした真っ白な雲のコントラストは、見るものを魅了する取り合わせですね。

《美濃忠》の『雲の峰』は水色・白の2色のきんとんに、積乱雲の中の氷の粒をイメージした錦玉が数粒のっています。清涼感ある意匠で、心が洗われますね。

『宵まつり』餅皮製

『宵まつり』1個335円 賞味期限2日《両口屋是清》

柔らかな餅製の皮に「祭り」の焼き印を押した一品です。竹串を挿して団扇に見立てた意匠となっています。白ベースの餅皮にほんのり赤が加わることで、祭りの熱気や露店の明かりを伝えてくれますね。

今年の祇園祭は規模を縮小し神事のみの執り行いとなりました。地方のお祭りも各地で中止になっているようですが、コロナ禍が終息したあと再開出来るかどうか危ぶまれているようです。けっこう地域の祭事は口伝で継承されているところも多いそうで…どうなることやら。

今回ご紹介した和菓子店舗、フリーランス和菓子職人

《両口屋是清》八事店

愛知県名古屋市天白区八事天道302地下鉄名城線・鶴舞線「八事」2番出口徒歩3分9:00 〜 18:00(当面の間 9:00~17:00)※6月21日より再開 11:00~16:00(L.O.15:30)毎週水曜日052-834-61616台有り

《和の菓さんのう》フリーランス和菓子職人

名古屋星ヶ丘テラス 毎月第2火曜日・第3日曜日 岐阜県本巣市atelierフェリス 毎月第4水曜日※インスタグラムで予約可

《美濃忠》本店

住所:名古屋市中区丸ノ内1-5-31

電話番号:052-231-3904

営業時間:9:00~18:00

年中無休(元日を除く)

※今回はJR名古屋高島屋B1Fにて購入。

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