春の季語と和菓子 ②

和菓子

こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

燕が飛んでる姿を見かけることが多くなってきましたね。子どもが小さい頃、保育園の開園時間を待ちながら、軒下の燕の姿を一緒に眺めていたことをふと思い出しました。朝の慌ただしい時間の、ほんのちょっとのゆとり。まぁ、あっという間に巣立っちゃうんですけどねー。

さてさて今回は、春の季語と和菓子の第2弾。どんな風景がみられるでしょうか。

第1弾はこちらから→春の季語と和菓子

『春の山』ういろう製

《三好屋老泉》1個210円

光を放つように生命力に溢れた春の野山に、ひらりと桜の花びらが舞い降りてきました。そんな物語が思い浮かぶ一品です。

ひとくちメモ

◇若草色の皮がういろう製なので、うっすら光を帯びているように見える。
◇むちっとしたういろうを噛むと、中からは黄み餡の甘味。黄み餡はこっくりとした味わいで美味しい。
◇桜の花びらはこなし。こんな小さな桜なのに、中心部の黄色も立体感があって感動すら覚えます。

『春の川』きんとん製

《川口屋》1個320円

雪解け水を湛えて流れる、澄んだ春の川を意匠とした一品です。少し緑を含んだ水色に見えるのは、川面にうつる若葉の色でしょうか。

ひとくちメモ

◇きんとんは練り薯蕷製。ふんわり柔らかな口当たりが、春の水の柔らかさ、暖かさを思わせる。
◇水の流れを小田巻(きんとんの打ち出し方)という技法で表現している。水は生命の源だねー。
◇中は餡ではなく道明寺。きんとんと道明寺のつぶつぶ感のバランスが絶妙。

『花筏(はないかだ)』道明寺製

《川口屋》1個330円

花筏は、晩春に小さな緑色の花をつけるミズキ科の植物です。ただ、もうひとつの意味合いのほうが和菓子にはよく使われます。

水面に散った桜の花びらがまとまって流れ、筏のようにみえる様子のことです。散り際までも美しい桜の情景を表しています。

小ぶりな道明寺に桜の焼き印。小鳥の懐紙に置くことで、桜の花びらが流れる川辺に、野鳥が寛ぐさまの見立てをしてみました。

ひとくちメモ

中の備中餡(こし餡)がこの上なく美味しい。
備中餡に刻み桜の塩漬けが入っていて、味のアクセントになっている。
備中餡製だと10円アップの330円。10円余分に払っても惜しくない、是非ともまた食べたい風味のよさ。

『木ノ芽薯蕷』薯蕷製

《鈴懸》

季語は『木の芽』になりますが、読み方が二通りあります。『きのめ』と読めば、山椒の芽を表します。山椒のさわやかな香りがする木の芽和えや木の芽味噌は、おいしいですよね。

『このめ』と読んだ場合は、春の樹木の芽吹きのことを表します。

《鈴懸》の『木の芽薯蕷』の商品説明には、“山椒の若芽の生命力を感じさせてくれる一品”とありましたので、『きのめ』と読むほうが良さそうですね。

ひとくちメモ

◇3月に販売される定番商品。フワッとした薯蕷に、中はこし餡。
◇毎日でも食べられる、ほっとする味わい。
◇小ぶりな薯蕷いっぱいに伸びやかな木の芽が、春の息吹きを感じさせてくれる。
◇《鈴懸》さんは、全体的に可愛らしい意匠のものが多い印象です。

こちらは《両口屋是清》の『木ノ芽の便り』かるかん製↓

◇“便り”に相応しい、長方形で作られている。
◇かるかん製なので、軽やかな口当たり。
◇ポツンとある木の芽が、まるで封筒に貼られたシールのようで愛らしい。

まとめ

いかがでしたか?

本来、時期的には晩春なのですが、春全体にかかる季語を多く取り揃えました。

春の季語の区分

◇初春:立春から啓蟄の前日まで
◇仲春:啓蟄から清明の前日まで
◇晩春:清明から立夏の前日まで
初春~晩春までの全ての期間に共通する季語を「三春」といいます。

花筏だけは晩春の季語ですね。

晩春の花の藤も躑躅(つつじ)も、まだ早い印象だったので、今回は見合わせました。

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