初秋の季語と和菓子

和菓子

こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

暦の上では【立秋】を迎え、和菓子の風景もちらほら秋の声が聞こえるようになりました。…まだまだ、暑いんですけどー!と大声で叫びたくなる気持ちにもなりますが、初秋の季語にまつわる和菓子を眺めて心を静めましょうか。

秋の季語の区分

  • 初秋:立秋から白露の前日まで
  • 仲秋:白露から寒露の前日まで
  • 晩秋:寒露から立冬の前日まで

「初秋」は8月7日【立秋】~9月7日【白露】の前日にあたり、夏の名残を感じさせる和菓子が登場します。では、ご紹介していきましょう。

『花火』きんとん製

『花火』《両口屋是清》
※2020年8月購入品
▪︎賞味期限:製造日より2日間
▪︎特定原材料等:なし

7,8月日本各地では花火大会が催され、華やぐ演出に人々は心踊らせます。《両口屋是清》さんは、色鮮やかな赤・黄色のきんとん、金箔で夜空を彩る『花火』をみごとに表現してみせました。ただ、子どもは夏休みの作文に

いろんな色が混じったバスボムに見えました。

と真っ正直に書いていて、そ、そう見えるのかぁと愉快な気持ちになりました。子どもと和菓子を眺めると新たな発見があって面白いものです。

元々、秋祭りの奉納として打ち上げられたとされる花火ですが、少なくとも戦国時代には鑑賞用のものが伝来したと云われています。時の幕府によっては規制がかかった歴史もありますが、今日まで私たちの目を楽しませてくれる夏の風物詩の代表格となっています。…規制がかかった江戸時代でも、徳川発祥(家康生誕)の地である岡崎を中心とした三河地方は、火薬の製造・貯蔵を公式に許可されていたとされています。面白いですね。

参考:子どもと行く日本100名城の旅①桜の名所『岡崎城』

『二ツ星』餡玉製《仙太郎》

『二ツ星』《仙太郎》
▪︎賞味期限:製造日より2日間

『二つ星』とは、七夕にまつられる織姫と彦星のことです。織姫は茶玉にワインゼリー、彦星は老玉に柑橘ゼリーと2種類の味が楽しめる一品になっています。仲良く笹舟の上に乗っているのも可愛らしい意匠ですね。

七夕は7月7日ですが、旧暦として8月の初旬に七夕祭りを開催している地域も数多くあります。※2021年の旧暦七夕は8月14日

8月6日~8日に開催される【仙台七夕祭り】では、特殊な「からくり七夕」や千羽鶴を飾った「平和七夕」など特徴的な七夕祭りの情景が見られます。

「星合」や「鵲橋(かささぎばし)」など織姫と彦星の逢瀬を表す言葉も【初秋】の季語となります。天の川の上に鵲が橋を掛け、2人がそれを渡って出会うとは何ともロマンチックな伝説ですね。

『女郎花』2パターンのきんとん製で

◇左:『女郎花』賞味期限2日間《両口屋是清》※2019年8月購入品
◇右:『女郎花』賞味期限1日《万年堂》

『女郎花』は、粟粒ほどの蕾がやがて黄色く傘のように咲く「秋の七草」です。テーマ、きんとんという製法が同じでも、出来上がりの印象がこんなにも違うのが和菓子の深淵さといえるでしょう。

“花の姿が女性を圧倒するほど美しい”と表現される『女郎花』を全面的に押し出した《両口屋是清》バージョンも、繊細に咲き誇る花びらを映した《万年堂》バージョンも、どちらも甲乙つけがたい出来映えです。

「秋の七草」や《万年堂》バージョンの『女郎花』については、移転した《万年堂》さんへ行ってきました。『女郎花』『磯辺』~夏から初秋の和菓子をご覧ください。

2つの製法での『ほおずき』

◇左:『鬼灯』葛製《月乃舎》
※2019年8月購入品

◇右:『ほおずき』ういろう製檸檬餡 《和の菓さんのう》
▪︎賞味期限2日
▪︎7月の季節の上生菓子セットより

お盆の時期に、先祖をお迎えするために道標として飾られる鬼灯。意匠はほぼ同じで、製法が違う2パターンをご用意してみました。

葛製のつるんとした食感、涼やかさは暑い盛りには嬉しいかぎりです。《和の菓さんのう》の『ほおずき』も檸檬餡を包むことで、もっちりとしたういろう製が爽やかな口当たりになるよう工夫されています。先の方が緑がかっていることで、「青鬼灯」から橙色に色づく経過が感じられて素敵ですね。

暦の上では【初秋】とはいえ、実際の季節は盛夏ですので、餡の味わいもさらりとしたものが好まれます。

参考:季節をまたぐ素材『ほおずき』『清流鮎』《和の菓さんのう》

『ささらがたすいか』錦玉羹《両口屋是清》

『ささらがたすいか』《両口屋是清》

▪︎販売価格:1個260円(税込)
▪︎賞味期限:製造日より45日間
▪︎特定原材料等:なし
▪︎栄養成分表示:90kcal

このところ西瓜も種類が増えましたが、やっぱり赤&緑の定番がなじみがあって好きですね。

季節に合わせて旬の果物を模した「ささらがた」、今回は西瓜バージョン。小豆で種を、羊羹でしましまの緑の皮や赤い実を表現した一品です。

ちょっとカットの仕方を変えると

より西瓜っぽく見えますね。味わいもフルーツフレーバーで、フレッシュな感じだと私は思ったのですが…子ども曰く

あんこの味が勝ってる

だそうです(笑)

小さなパッケージに入った「ささらがた」なので、先程の切り分けた西瓜の実際の大きさは、

こんなにもミニサイズ!

棹菓子の羊羹はボリュームがあり購入しづらくても、この「ささらがた」シリーズなら色んな味を楽しめますね。

今回ご紹介した和菓子店舗、フリーランス和菓子職人

《両口屋是清》八事店

住所468-0061
愛知県名古屋市天白区八事天道302 GoogleMap
・地下鉄名城線・鶴舞線「八事」2番出口徒歩3分
・駐車場:6台有り
電話052-834-6161
営業時間販売:9:00 〜 18:00
喫茶:11:00~17:30(L.O.17:00)
※コロナの影響により営業時間が変更になる場合があります。詳しくは公式サイトまで
休業日毎週水曜日

《仙太郎》

住  所〒450-6001
愛知県名古屋市中村区名駅1-1-4 ジェイアール名古屋タカシマヤ地下1階 和菓子売場
JR名古屋駅直結・名鉄名古屋駅から163m
電  話052-566-8545
営業時間10:00~20:00
休業日※店休日・営業時間は百貨店の営業に準じます。

《和の菓さんのう》フリーランス和菓子職人

製造者フリーランス和菓子職人 三納寛之
住 所岐阜県瑞穂市野白新田337-1-102
電話番号090-3834-3444
定期販売
日·場所
◇ 名古屋三越星ヶ丘テラス The Kitchen2階  
毎月第2火曜日・第3日曜日 
◇ 岐阜県本巣市atelierフェリス 
毎月第4水曜日
インスタグラムで予約可

《月乃舎》

住 所 〒 511-0232  三重県員弁郡東員町笹尾東3丁目2-3
電話0594-76-5925
営業時間8:30~19:00
休業日月曜日(祝日は営業)

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