和菓子の製法~『羽二重餅製』

和菓子

こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

今回は、ふわっふわの餅製菓子『羽二重餅製』についてお話ししたいと思います。見た目と食感は『求肥』と似ていますが、製法の分類では《練り菓子》にあたりますので、ここでは別物として扱うことにします。

羽二重餅の製法・歴史

羽二重餅は、蒸した餅米粉に砂糖や水飴を加えて丁寧に練り上げた、福井県特産の餅菓子です。福井県特産のひらひらと薄く美しい純白の織物、羽二重をそのまま御菓子に出来ないかと考案されたのが羽二重餅の始まりです。創業弘化四年(1847年)越前福井藩御用達であった錦梅堂の初代が献上したときから、代々170年間羽二重餅作りは受け継がれています。

「羽二重」とは
経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を交互に交差させる織り方で織られた織物の一種。やわらかく光沢のある風合いで、和服の裏地として最高級のものと称される。

羽二重餅製の和菓子『おこぼ餅』

『おこぼ餅』《和菓子菓寮ocobo》
▪︎販売価格:1個210円(税込)
▪︎賞味期限:製造日より3~4日間

羽二重餅に和三盆糖蜜(わさんぼんとうみつ)と胡桃が練り込まれた《和菓子菓寮ocobo》の看板商品。もっちりふわふわの羽二重餅に、カリッとした胡桃がアクセントになっていてシンプルに美味しい。毎日でも食べたい一品です。写真のはキャラメル包みになっていますが、現在は透明の個包装に変わっています。

《和菓子菓寮ocobo》は小ぢんまりした店ながらもカフェスペース(カウンター席のみ)もあり、お茶の種類も選べるのでゆったりと楽しむことが出来ます。栗の季節が特におすすめ!今年こそは『栗あんみつ』を食べに行きたいものです。

※コロナ禍で現在の営業形態は不明です。

羽二重餅製の和菓子『椿餅』

日本最古の餅菓子といわれる『椿餅』。本来の形は道明寺製ですが、《美濃忠》の『椿餅』はぷるぷるした羽二重餅製です。表面がぷるぷるして見えるのは、羽二重餅を寒天でコーティングしているからなんですね。2~4月頃の季節商品で、雪を思わせる白と椿の葉のコントラストが美しい一品です。

従来通りの道明寺製で作っている和菓子屋さんもありますが、《川口屋》《芳光》《花桔梗》の『椿餅』は羽二重餅製でした。
白い球体にやや小さめの葉の風貌は、ちょっとだけコミカルさも感じます。

羽二重餅で彩る秋の和菓子

左『菊の秋』《美濃忠》右『栗子餅』《月乃舎》

羽二重餅に菊の焼き印をした『菊の秋』。ポツリ、ポツリとある緑はカビでなく菊の葉なんですよ。

『栗子餅』の中の餡は、栗きんとん。ふわふわの羽二重餅と、粒が残る栗きんとんとの食感の違いが楽しめます。小ぶりながらも存在感のある一品です。

《和の菓さんのう》の羽二重餅製の和菓子

左『りんご餅』
羽二重餅製 林檎餡
右『雪うさぎ』
羽二重餅製 小豆つぶ餡

大好きな《和の菓さんのう》の羽二重餅です。

『りんご餅』は赤の果実に、金箔とヘタの緑で林檎をまるごと表現しています。最初はヘタなしだったそうですが、トマトにしか見えなかったので、慌てて緑のヘタを追加したというエピソードがあります。表面が艶やかなのは、林檎羊羹でコーティングしてあるから。手間暇かかった一品です。

ほわほわの『雪うさぎ』は、見ているだけで癒されますね。新雪を丸めて雪遊びをする子どもの姿が目に浮かびます。こういう可愛らしい意匠の和菓子は、どこから食べていいものやら悩みますね。

今回ご紹介した和菓子店舗

《和菓子菓寮ocobo》

住 所 〒464-0831
名古屋市千種区観月町1丁目8番地 ツインビービル1F

□ 名古屋市営地下鉄東山線「覚王山」駅3・4番出口より徒歩1分     
※お車の方は近隣のコインパーキングをご利用ください。
電話052-752-6789
営業時間テイクアウト10:00~17:00
イートイン13:00~17:00(金曜、土曜、日曜、祝日のみ) L.O 16:00 
※営業時間及び営業日の変更が多くなっております。
お休みカレンダー
休業日水曜日  ※イートインは金曜、土曜、日曜、祝日のみの営業

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