こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
新春茶会に訪れると茶菓子としてよく出される『花びら餅』。ふっくらとした餅皮にうっすらと透ける薄紅色の味噌餡、にょきっと飛び出ている牛蒡の姿に、いったいどんな和菓子なの？と訝しく思われた方もおられるでしょう。特に、和菓子にゴボウというのが不思議な組み合わせですよね。
今回はおすすめの『花びら餅』やその由来をご紹介したいと思います。
『花びら餅』の由来
『花びら餅』の由来は、平安時代まで遡ります。正月に執り行われる宮中行事に歯固めの儀というものがありました。紅白の餅、大根、猪、押鮎などの固いものを食べて、延命長寿を祈願する儀式です。その風習が簡略化されて広まったのが『花びら餅』なのです。甘く煮た牛蒡が押し鮎、味噌餡が猪の見立てになっています。
白味噌餡を羽二重餅で包み、にょきっと牛蒡が飛び出ているのが一般的な『花びら餅』のスタイル。店頭でもすぐに目に入ります。では、どこで買っても同じかと言われれば、それぞれ和菓子屋さんごとにアレンジが加わっているのが面白いところ。
それでは、色んな和菓子屋さんの『花びら餅』をみてみましょう。
《京菓子司 亀広良》の『花びら餅』
『花びら餅』《京菓子司 亀広良》
- 1個430円(税込)
- 羽二重餅製 西京みそ紅こし餡
- 賞味期限：2日間
- 特定原材料等：卵、大豆
《亀広良》さんのは備中白小豆を紅色に染めた餡を使われていますね。ふっくらした羽二重餅からうっすらと透ける紅は何とも艶やか。このように餡そのものを染めたり、餅生地が染められたり、全国各地には色んな『花びら餅』が存在するようです。ちなみに《亀広良》さんでは蜜漬けした牛蒡の代わりに昆布、味噌あんではなく紅こし餡の『花びら餅』も展開されています。
《両口屋是清》さんの『花びら餅』
『花びら餅』《両口屋是清》
- 1個486円(税込)
- 賞味期限：3日間
- 原材料名：砂糖(国内製造)、餅粉、白小豆、ごぼう、卵、還元水飴、白みそ(大豆含む)、福白金時豆、寒天、でんぷん/着色料
- 特定原材料等：卵、大豆
- 栄養成分表示：125kcal
やや小ぶりで品の良い風情なのが《両口屋是清》さんの『花びら餅』。牛蒡の色も薄く儚げな印象です。パッケージも中の御菓子が潰れないように立体的に作られ、新年のお慶びを表現したデザインとなっています。
押鮎に見立てたふくさ牛蒡には「家族が土地に根付いて安泰に暮らせますように」との願いが込められています。塩味のある味噌餡とフワッとした羽二重餅が絶妙な取り合わせ。そこに甘く炊いた牛蒡のシャキッとした食感がアクセントを生んでいます。
羽二重餅を捲るのは品がないですが、中の様子が気になるのでチラ見せ⏬
羽二重餅から薄紅が透けていたので、紅染めの餡かと思っていました。ところが、白小豆の味噌餡を芯にして菱形の紅色の餅を挟み、ほのかに透けるような仕組みになっていたんですね。花びら餅は「菱葩餅(ひしはなびらもち)」と銘うつものもあり、《両口屋是清》さんのは史実に準えた紅白の餅で作られたようです。
《仙太郎》の『花びら餅』
味噌餡は薄紅の色づけはなく生成り色で量もしっかりある、やや大きめな《仙太郎》の『花びら餅』。牛蒡は2本、しっかりとした歯ごたえがあります。可愛らしい梅の雲平が、初春(はつはる)の華やかさを演出していますね。牛蒡が2本入っているのも珍しいですが、特筆すべきは中に人参の羊羹が入っているところ。最初に食べた『花びら餅』が《仙太郎》さんのだったので、ほかの和菓子屋さんでは人参の羊羹が入っていないのが物足りないくらいです。
今回ご紹介した和菓子店舗
《京菓子司 亀広良》
- 住所：名古屋市西区上名古屋1-9-26
- アクセス：地下鉄名城線「名城公園」駅1番出口徒歩8分
- 電話番号：052-531-3494
- 定休日：水・第2,4火
- 営業時間：9:00〜18:00
- インスタグラム
《両口屋是清》八事店
- 住所：愛知県名古屋市天白区八事天道302
- 地下鉄名城線・鶴舞線「八事」2番出口徒歩3分
- 営業時間：9：00 〜 18：00（当面の間 9：00～17：00）
- 喫茶：12：00～16：30（L.O.16：00）
※コロナの影響により営業時間が変更になる場合があります。詳しくは公式サイトまで
- 定休日：毎週水曜日
- 電話番号：052-834-6161
- 駐車場：6台有り
《仙太郎》JR名古屋高島屋店
- 住所：名古屋市中村区名駅1-1-4ジェイアール名古屋タカシマヤ店 B1F
- 電話番号：052-566-8545
- 営業時間：10：00-20：00
- 定休日：1月1日
※店休日・営業時間は百貨店の営業に準じます。
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