こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
太陰太陽暦(旧暦)では【立春】を一年のはじまりとしています。年越しの日とされる「節分」に厄除招福を願って豆まきをし、新しい年を迎えるのです。
二十四節気【立春】
- 初侯「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」
- 次候「黄鶯睍睆(うぐいすなく)」
- 末候「魚上氷(うおこおりをいずる)」
今回は新しい年、春のはじまりに相応しい和菓子をご用意いたしました。どうぞお楽しみください。
『下萌え』
『下萌え』《両口屋是清》
- 1個357円(税込)
- ういろう製 白小豆こし餡
- 販売期間:2月1日~2月7日
- 賞味期限:2日間
- 原材料名:砂糖(国内製造)、白小豆、手芒豆、米粉、還元水飴、福白金時豆、餅粉、でんぷん(小麦を含む)、寒天、氷餅/増粘多糖類、着色料
- 特定原材料等:小麦粉
- 栄養成分表示:126kcal
春の予感を感じると食べたくなる和菓子『下萌え』。「下萌え」とは早春、地中から草の芽が出始めること、またその芽を指します。厳しい冬に耐えた大地の生命力を感じさせる【初春】の季語ですね。
ういろうに煉羊羹をぬり、うっすらと若菜色が透けるよう施してあります。冬の冷たい空気の名残を表す「氷餅」がキラキラしていますね。中を割ってみると、桃色の白小豆こし餡が出てきました。明るい春の訪れも間もなくですね。
『捻梅』
『捻梅(ねじうめ)』《両口屋是清》
- 1個411円(税込)
- 煉薯蕷製 小豆こし餡
- 賞味期限:2日間
- 原材料名:山芋(国内産)、砂糖、小豆、手芒豆、還元水飴、福白金時豆、小麦粉、餅粉/着色料
- 特定原材料等:小麦粉、やまいも
- 栄養成分表示:118kcal
古より「梅」は清雅な姿と香りで、日本人に愛されてきました。「梅」は【初春】の季語。初名草・春告草・匂草・風待草、此の花…etc.数多の別名をもつのは春を待ちわびる人の心の琴線にふれ、詩歌に詠まれたからでしょう。
春されば 先づ咲く宿の 梅の花 ひとり見つつや 春日暮らさむ
山上憶良「万葉集」より
こちらは、大伴旅人主催の梅花の宴にて詠まれた32首のひとつ。梅の開花に春の訪れを感じ、それを皆で分かち合えたことへの喜びが伝わる歌ですね。
和菓子の世界でも百花に先駆けて咲く白色五弁の花はさまざまな菓銘、意匠で楽しませてくれます。《両口屋是清》さんのは、五弁の花びらを中心に捻ったように重ね合わせた『捻梅』。家紋としても馴染みの深い意匠です。「梅に鶯」に肖って、小鳥柄の懐紙に合わせてみました。中紅花(色)に染められた煉薯蕷が可憐な風情を醸し出していますね。山芋のほのかな香りや甘み、さらりとした舌触りが楽しめる一品です。
今回ご紹介した和菓子店舗
《両口屋是清》八事店
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