おすすめ和菓子『清浄歓喜団』《亀屋清永》

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こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

現在日本で食べられている「和」菓子の中には、中国からもたらされたものを日本で馴染むようにアレンジされたものが存在します。室町時代初期に伝わった薯蕷饅頭などもそのひとつですね。

今回ご紹介する御菓子は更に時代を遡ります。奈良時代、遣唐使が仏教と共に日本へ持ち込んだ唐菓子(からくだもの)の一種「団喜」です。略して「お団」とも呼ばれ、千年の昔の姿そのままに今なお保存されているもののひとつ。仏の守護神聖天しょうてん様の好物として伝えられ、供物として用いられていたという謂れがあります。《亀屋清永》さんはその秘法を比叡山の阿闍梨あじゃりより習い、創業した元和げんな3年(1617)頃から日本で唯一『清浄歓喜団』を作られている和菓子処。前日から精進潔斎を行い、心身とも穢れなき状態で菓子作りをなさるというから驚きです。

さあ、千年の歴史をもつ『清浄歓喜団』、いったいどんな味わいなのかみてみましょう。

『清浄歓喜団』

『清浄歓喜団』《京御菓子司 亀屋清永》

  • 1個648円(税込)
  • 賞味期限:20日間
  • 原材料名:小豆餡(国内製造)、砂糖、米粉(国産米)、小麦粉、胡麻油、桂皮末/香料
  • 特定原材料等:小麦粉、ごま
  • 栄養成分表示:197kcal

「清め」の意味をもつ白檀・丁子ちょうじ桂皮末にっきなど7種類のお香を練り込んだこし餡を、米粉と小麦粉で作った生地で金袋型に包んだ『清浄歓喜団』。上質な胡麻油で揚げてあるので香ばしく、見た目以上にしっかりとした歯ごたえがある一品です。

売り場で手に取ったときはカステラ位の固さをイメージしていたので、思いの外、歯が立たなくてびっくりしました。

伝来当時は中は餡ではなく、栗・柿・あんず等の木の実を甘草かんぞう甘葛あまづらなどの薬草で味付けしたものだったとか。この頃まだ「砂糖」は献上品として使われる貴重な品なんですよね。小豆こし餡を用いるようになったのは江戸中期ごろ。江戸中期~後期に和菓子文化が大きく花開き、庶民へ裾野が広がり菓子も多彩になったと云われています。

ぎゅっと絞られている金袋型をよく見てみると、八葉蓮華を表す八つの結びで閉じてあります。厳かな意匠なので、バリッと噛んで食べるのにちょっと戸惑いを感じます。餡もお香が練り込まれているので独特な味わいですね。抹茶を点てて、じっくりといただきましょう。

八葉蓮華とは

法華曼荼羅の中央に描かれる8枚の花弁を持つ蓮の花のこと。

八葉蓮華の花弁に弥勒菩薩・文殊菩薩・薬王菩薩・妙音菩薩・常精進菩薩・無尽意菩薩・観音菩薩・普賢菩薩の8尊の菩薩が配置されている。

けっこうカロリーも高いので、半分食べたところで一旦休憩。懐紙に置いておいたら胡麻油が染みていました。

今回ご紹介した和菓子店舗

《京御菓子司 亀屋清永》

住所〒605-0074
京都府京都市東山区祇園石段下南側534
京阪本線「祇園四条駅」から650m
・京阪本線「祇園四条駅」下車 徒歩約8分
電話
FAX
075-561-2181(代)
075-541-1034
営業時間8:30~17:00
休業日毎週水曜日(その他不定休あり)
※臨時休業をいただく場合がございますので、事前にお電話でご確認ください

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