こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
【立秋】に入り、店頭に並ぶ和菓子も一気に秋めいてきました。まだ気温は夏そのものなので、素材は夏仕様でさっぱりしたものが多く使われている印象です。
今回は【初秋】の季語にまつわる和菓子をご紹介したいと思います。
秋の季語の区分
『女郎花』葛饅頭製 小豆こし餡
『女郎花』《御菓子所 松華堂》
▪︎販売価格:季節の上生菓子セット1箱3個入り 942円(税込)
▪︎賞味期限:製造日より2日間
▪︎原材料名:砂糖(国内製造)、小豆、白小豆、葛粉/着色料
▪︎特定原材料等:なし
▪︎栄養素成分表示:1個50gあたり 99kcal
“花の姿が女性を圧倒するほど美しい”とされる『女郎花』は、粟粒ほどの蕾から黄色く傘のように花を咲かせます。万葉集に詠まれる「秋の七草」のひとつですね。
※「朝貌(あさがお)の花」は、アサガオではなく桔梗を表している。
つるりと口当たりのよい葛饅頭をキュッと丸みを帯びた形に整えて『女郎花』の意匠としました。黄色く染められた白小豆は葛を通すことで真っ黄色ではなく、襲色目である女郎花(明るい緑みのある黄色)に見えるような工夫が凝らされています。
葛に馴染むように、中の餡はなめらかな仕上がり。小豆こし餡の風味がしっかりとしてて身体に染み入る甘さです。
『鬼灯』練皮製 白小豆こし餡
『鬼灯』《御菓子所 松華堂》
▪︎販売価格:季節の上生菓子セット1箱3個入り 942円(税込)
▪︎賞味期限:製造日より2日間
▪︎原材料名:砂糖(国内製造)、白小豆、浮き粉、上用粉、餅粉、葛粉、小麦粉/着色料
▪︎特定原材料等:小麦粉
▪︎栄養素成分表示:1個50gあたり 108kcal
立秋を過ぎると青さを残していた『鬼灯』も見事な紅葉色に染まり、秋の訪れをいち早く知らせてくれます。美しく染まった鬼灯を松尾芭蕉は
と詠みました。「実も葉も殻も」のリズムに、芭蕉が鬼灯の秋に興趣を感じたことが窺えますね。
ところで、みなさんは鬼灯の実を吹き鳴らして遊んだことはありますか。葉脈が透けるくらい熟したら中の実を取り出し種子を抜き、空になった袋を唇に挟んで鳴らすのですが、なかなか上手くいかないものです。空が茜色に染まるまで、草木でいくらでも遊べた子供時代が懐かしい…《松華堂》の『鬼灯』のプニプニ感は、種子を取り出そうとモミモミしたときの鬼灯の弾力を思い起こさせました。
中は、上品な甘さの白小豆こし餡。練皮製というのが分からなかったのですが、食感はういろうに近い柔らかさと弾力が感じられます。モチモチ、プニプニした食感は「浮き粉」を使っているからでしょうか。
「浮き粉」とは 小麦粉のグルテンというたんぱく質成分を取り除き、デンプンを精製した粉のこと。小麦粉そのものよりも、ふわっとしたやわらかさを出すことが出来る。 |
『万灯火』葛絞り製 白小豆こし餡
『万灯火』《御菓子所 松華堂》
▪︎販売価格:季節の上生菓子セット1箱3個入り 942円(税込)
▪︎賞味期限:製造日より2日間
▪︎原材料名:砂糖(国内製造)、白小豆、小豆、葛粉、わらび粉/着色料
▪︎特定原材料等:なし
▪︎栄養素成分表示:1個50gあたり 98kcal
「万灯(供養会)」は、仏さまに灯籠をお供えして諸霊の供養を祈る行事のことです。東大寺では、大仏殿へと続く石畳に数千ものの灯龍が整然と並べられ、幻想的な風景を広がります。8月の風物詩ですね。
《松華堂》の『万灯火』は葛にわらび粉を混ぜ合わせることで、より柔らかな質感に仕上げました。フルフルと揺れるさまは立ち並ぶ灯火の情景を彷彿させます。さらりと口の中で溶けていくのも儚げですね。
中は口溶けのよい葛絞りに合わせ、柔らかに炊いた白小豆こし餡。コリッと当たる一粒の小豆がいいアクセントとなっています。
今回ご紹介した和菓子店舗
《御菓子所 松華堂》
住 所 | 〒475-0887 愛知県半田市御幸町103番地 知多半島道路半田インターから車で15分 ・名鉄知多半田駅から徒歩10分 ・JR半田駅から徒歩3分 → 所在地の詳細はこちらから |
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電 話 | 0569-21-0046 |
営業時間 | 8:30~17:30 |
定休日 | 毎週水曜日・第三火曜日 1月1日・2日 ※桃の節句、端午の節句、お盆、12月後半は休まず営業いたします。 |
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