夏の風物詩～『若鮎』の和菓子3選

こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

毎年5月下旬ごろから店頭に並ぶ和菓子といえば『若鮎』。同じような素材・製法で作られていても、各和菓子屋さんで大きさや顔立ちに違いが出てくるのが、和菓子の世界の面白いところ。

今回は、そんな夏の風物詩『若鮎』をご紹介したいと思います。

『若鮎』の製法

『若鮎』は焼き菓子の一種で、薄く焼いたカステラ生地で求肥を包み、鮎の顔に見立てた焼き印を押した和菓子です。岐阜県や京都府の銘菓として知られており、『登り鮎』『稚鮎』と呼ばれることもあります。とろーんとした求肥とふわふわのカステラ生地のコンビは、子どもも大好きな味のひとつです。

参考：『生菓子』と『干菓子』、そして『半生菓子』の違いを知ろう

生菓子なので賞味期限は2～3日、上生菓子に比べてお求めやすい価格設定に各店なっています。

『福来鮎』《玉井屋本舗》

岐阜県の鮎菓子のルーツといわれるのが《玉井屋本舗》。長良川鵜飼観覧船乗り場すぐそばに店舗を構える老舗和菓子屋です。長良川を泳ぐ鮎をイメージした代表銘菓『登り鮎』は、創業当時からの看板商品。その『登り鮎』の別バージョンのひとつが、本みりんを使った『福来鮎』です。

『登り鮎』はスマートな姿かたちで上品な味わいをしていますが、『福来鮎』はふっくらとして豊かな風味が感じられる鮎菓子です。

【玉井屋クラシックセット】には、3種のクラシック1個ずつと登り鮎2個が入っています。こちらのセットはネットで購入できます。

他店の若鮎に比べて、日持ちがするのもポイントが高いですね。

『稚鮎(ちあゆ)』《たねや》

初夏のころ、琵琶湖にそそぐ幾本もの川を遡り始める稚（ちい）さな鮎たちを模した一品です。小ぶりな『稚鮎』ながら、背や尾びれにも焼き印が入っています。丸みをおびた愛らしい姿と、厚みのあるカステラ生地が特徴です。どことなく懐かしい甘さのカステラ生地と求肥も程よい弾力が楽しめる一品です。

『若鮎』《鈴懸》

カステラ生地のたたみ方にひと工夫が施されていることで、『若鮎』の口元に表情が生まれました。焼き印も写実的で、まるで水墨画のような雰囲気を醸し出しています。やや小ぶりな『若鮎』には、まるまる一本の求肥餅が入っていて、求肥のモチモチ感を楽しめる一品となっています。

今回ご紹介した和菓子店舗

《御菓子司玉井屋本舗》本店

《たねや》JR名古屋高島屋店

《鈴懸》本店