こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
2月19日より二十四節気【雨水(うすい)】に入りました。江戸時代、太玄斎によって書かれた「こよみ便覧(※)」に依れば ※こよみ(暦)便覧は、江戸時代に出版された暦の解説書
空から降るものが雪から雨に変わり、氷が溶けて水になる頃を意味します。草木が芽吹き、農耕を始める時期の目安とされてきました。まだまだ寒い日が続きますが、三寒四温を繰り返しながら徐々に春へと向かっていきます。
【雨水】の七十二候 | 名称 | 意味 |
初候 2月19日〜2月23日頃 | 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる) | 雪が暖かい春の雨に代わり、凍てついた大地がゆっくりと潤う頃 |
次侯 2月24日〜2月28日頃 | 霞始靆(かすみはじめてたなびく) | 春霞がたなびき遠くの山や景色がほのかに現れては消え、山野の情景に趣が加わる頃 |
末侯 2月29日〜3月4日頃 | 草木萌動(そうもくめばえいずる) | 草木がほんのりと薄緑に芽吹く頃 |
今回は春めく季節にぴったりな和菓子をご紹介したいと思います。
『下萌え』ういろう製 白小豆こし餡
『下萌え』《両口屋是清》 ▪︎販売価格:1個368円(税込) ▪︎賞味期限:製造日より2日間 ▪︎特定原材料等:小麦粉 ▪︎栄養成分表示:1個あたり 120kcal
大地の息吹、明るい春の訪れを柳緑(りゅうりょく)色に染めたういろう製で表現した一品です。『下萌え』とは早春、地中から草の芽が出始めること、またその芽を指します。厳しい冬に耐えた大地の生命力を感じさせる【初春】の季語ですね。冬の冷たい空気の名残を表す「氷餅」がキラキラしています。
「氷餅」とは 餅を水に浸して凍らせたものを寒風に晒して乾燥させたもの。細かく砕いて上生菓子のトッピングに使うと、キラキラした質感を醸し出せる。 |
原材料名 | 砂糖(国内製造)、白小豆、米粉、還元水飴、手芒豆、でんぷん(小麦含む)、餅粉、蓬、氷餅/着色料(黄4号、青1号) |
中は淡黄(色)に染められた白小豆のこし餡。さらりと上品な味わいの白小豆あんは、ほのかに甘いういろうによく合います。
柳緑の中から淡黄が出でるさまは、草木の芽が萌え出で花が咲くころの春暖の情景が伝わってくるような配色ですね。
『春の水』かるかん製 白小豆こし餡
『春の水』《両口屋是清》 ▪︎販売価格:1個368円(税込) ▪︎賞味期限:製造日より2日間 ▪︎特定原材料等:やまいも ▪︎栄養成分表示:1個あたり 124kcal
日ごと陽光も春めいて冬枯れの野から緑が萌え始める野の水辺を、柔らかな質感のかるかん製で表した一品です。かるかんの表面に氷餅をまぶし、光輝く『春の水』を演出しました。所々、白に若草色が入り交じっているのは雪解けと若芽を表しているのでしょうか。万物の生命の源である「水」が温んださまは一斤染(いっこんぞめ)色で淡く…「春暖」となるまではまだもう少し、そんな感覚を抱く色合わせです。
原材料名 | 砂糖(国内製造)、白小豆、山芋、米粉、還元水飴、手芒豆、氷餅/着色料(赤3号、赤106号、黄4号、青1号) |
やまいものやさしい甘さに包まれていると時折、氷餅のチリリとした舌触りに出会う…冬から春へと季節が移り変わっていく時期に相応しい味わいです。
今回ご紹介した和菓子店舗
《両口屋是清》八事店
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