おすすめ和菓子『もらい水』《和の菓さんのう》

和の菓さんのう

こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

突然、大粒の雨に見舞われました。空は茜色をしているのですぐに止むだろうと、のんびりと過ごす夕刻。雨が短時間でも降ると、空気がひんやりするから有り難いですね。まだまだ残暑厳しい日々が続きますが、滋養に努めて乗りきりたいと思います。

さて、今回ご紹介するのは秋めく季節にぴったりな和菓子です。どうぞお楽しみくださいませ。

『もらい水』

『もらい水』《和の菓さんのう》

  • 羽二重餅製つぶ餡
  • 賞味期限:2日
  • 特定原材料等:卵

すだれ状になった錦玉羹に包まれたふわふわの羽二重餅。プリッとした錦玉羹と羽二重餅の食感の違いが楽しい一品です。中のつぶ餡が程よい甘さで、夏バテ気味の身体に沁みますね。

透けてみえるのが朝顔の花だと分かったとたん、菓銘の『もらい水』と結びつきました。

「朝顔に釣瓶とられてもらひ水」加賀千代女(かがの ちよじょ)

朝早く起きて井戸まで水を汲みに行くと、朝顔の蔓が釣瓶に巻きついていた。(蔓を引きちぎるのは忍びないので)隣家へと「もらひ水」に行った。

加賀千代女は江戸時代の俳人で、生涯1,700余りの句を詠んだと云われています。こちらの句は当初「朝顔」とされていましたが、35才の頃「朝顔」と詠み直されています。平成15年に発行されたふるさと切手「俳句のまち 松任(千代女生誕300年)」では、千代女の肖像と直筆の「朝顔釣瓶とられてもらひ水」の句がデザインされました。

「朝顔」は【初秋】の季語。日本人は、朝顔の花に秋の訪れを感じてきました。きっと千代女も朝顔の美しさに情趣を覚え、その生命力に季節の移ろいを感じたことでしょう。

朝顔の姿をはっきりと見たくなり、錦玉羹を捲ってしまいました。すだれ越しに見るよりも些か大きく映り、艶やかにみえますね。

今月の季節の上生菓子セット内容

左上から時計回りに

  • 『鼓動』ローズヒップと蜂蜜の錦玉羹
  • 『宵花火』練りきり製小豆こし餡
  • 『もらい水』羽二重餅製つぶ餡
  • 『向日葵』きんとん製道明寺芯
  • 『桔梗』ういろう製白あん
  • 『夏夜』ほうじ茶みぞれ羹大納言鹿の子豆

1箱6個入り 3,200円

昨年に引き続き、ほうじ茶みぞれ羹の『夏夜』に出会えました。ほうじ茶味の御菓子が好きなので、嬉しい✨とお伝えすると

御茶席だと抹茶に合わせるので(ほうじ茶味の御菓子は)出しにくいですけど、一般の方に楽しんでもらえるように作っているので。

たしかに抹茶×ほうじ茶では、お茶席には不向きかもしれませんね。まぁ、私は気にせず抹茶を点てていただきましたが(笑)

ふんわりと香るくらいで、そこまでほうじ茶の主張が強くないのがいいのかも。大納言鹿の子豆の風味の方がより強く感じます。

半分に割ってみると、ぎっしりと大納言鹿の子豆が入っているのが分かりますね。

左上の『鼓動』については、こちらの記事にまとめてあります。

今回ご紹介した和菓子職人

フリーランス和菓子職人《和の菓さんのう》

定期販売

  • 名古屋星ヶ丘テラス 毎月第2火曜日・第3日曜日 
  • 岐阜県本巣市atelierフェリス 毎月第4水曜日

インスタグラムで予約可

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