虹始見(にじはじめてあらわる)と春の和菓子

二十四節気と和菓子

こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

最近子どもが、夕ご飯の材料をカットすることに嵌まっておりまして、夕方になると

おかあさーん、今日、カットさんある?

カットさん”というフレーズが可愛すぎるので、毎日聞いて来るのを今か今かと待ちわびている母です(笑)昨年までは、野菜洗い・(玉ねぎなどの)皮剥き担当だったのが、カットさんに昇格したのが嬉しかったのでしょうね。ただ、大人の包丁は、まだ怖いというので子ども包丁を使って切っています。…見習い感はんぱない。

さて、今日から暦(七十二候)の上では、『虹始見(にじはじめてあらわる)』にあたります。今回は、春の虹を思わせる和菓子をご紹介したいと思います。

虹始見(にじはじめてあらわる)とは

4月14日~19日頃を二十四節気『晴明』の末候『虹始見』といいます。読んで字の如く、その年はじめての虹が見られるのがちょうどこの頃。“はじめて”が「初めて」ではなく「始めて」なのは、これから虹が見られる季節がはじまったよーとのお知らせなのかもしれませんね。

虹のメカニズム

大気中に含まれる水滴の中を通るとき、屈折したり反射したりすることで光が分解され、特徴的なもようがみられる現象。

雨上がりや滝の水飛沫でも、大気中の水分が多い状態で、太陽の光も十分だと虹が見られやすい。

『春景色』ういろう製

《両口屋是清》

『春景色』は、春の季語『春光(しゅんこう)』の子季語にあたります。春の風光を表す季語です。

冬の光から春の日差しへと変化を遂げ、春雨のあとに微かにみえる虹。水分が豊富で、光を帯びているような透明感がある『ういろう製』の和菓子は、春の虹を表すのにぴったりな素材ですね。

『みずのいろ』干錦玉製

《御菓子つちや》消費期限20日

《御菓子つちや》は干し柿を使った和菓子を扱う老舗(1755年創業)です。それが、平成27年ハーブを原材料とした干錦玉を発売して話題となりました。カラフルな色は、それぞれ季節の情景を表現しています。菓子カードと見比べながら食べるので

虹みた~い。キレイ

そう言われるまで、色の連なりを意識して見てなかった…頭でっかちはいけませんね。

この干錦玉、型抜きでなく1枚1枚丹精込めて職人さんが手作りしているというから驚きです。中のジュレと外のパリッとした食感の違いを楽しみながら、四季折々の情景に思いを馳せてみるのもよいでしょう。

『輝き』練りきり製

先日4/9に放送された《所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ》でも紹介されていた上生菓子。

『宵花火』と紹介されていましたが、今回は私が最初に購入したときの『輝き』を菓銘とします

参考 和菓子もフリーランスの時代

この繊細な和菓子が、どのようにして作られるのかを実演されていたので、覚え書きを記しておきたいと思います。

  1. 6色の練りきり餡を組み合わせ、色が混じらないようにして掌で均等にひとつの丸い形にする。
  2. 6色の餡玉を白餡で半包みにする。
  3. 均等に潰して表面を白餡、裏面を6色とする。
  4. (6色側に)餡を入れて包餡。
  5. 包みぼかし※の技法で形を整える。
  6. 三角形の棒で、円の中心から32本の線を均等に引く。
  7. 押し棒で線と線の間に、互い違いになるように窪みを入れていく。
  8. 最後に金箔をかけて完成。

包みぼかしとは

掌で回しながら均等に優しく圧力をかけ、中の色が仄かに見えるまで皮を薄くする技法

いとも簡単そうに製作していましたが、あまりの鮮やかな手つきに、クラクラしておりました。

黒文字で切ると、中も綺麗なグラデーションになっていますよ!

《和の菓さんのう》こと三納寛之さんのコメント

(茶席などで嗜まれる上生菓子だけでなく)一般のかたに響くようなデザインで、喜んでもらおうという気持ちでやっています。

なので季節の和菓子セットは、季節の意匠をかたどったもの、分かりやすいデザインのものと双方取り揃えられているのですね。

まとめ

虹は、日本人の目には7色に見えますが、外国のかたには6色だったり3色だったりと様々です。色彩表現豊かな日本で育った美しい和菓子。色んな方に食べてもらいたいなぁと思っています。

冒頭の干菓子の写真『暦(虹の色)』は購入するか検討中です。

《亀屋良長》暦(虹の色)

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