牡丹華(ぼたんはなさく)と春の和菓子

二十四節気と和菓子

こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

最近子どもが《夏目友人帳》というアニメに嵌まっていて、ケーブルテレビで毎日見ています。特に、ニャンコ先生(仮の姿)が本来の妖(あやかし)の姿、斑(まだら)になったときの声が好みのようで、どっちも同じ声優さんだよと教えるとびっくりしてました(ニャンコ先生は高め、斑はバトリン)。ちなみに、名探偵コナンの白鳥警部も同じ声優さんだよというと、それは違う!と一蹴されました(笑)人物像込みでの好みなんでしょうね、きっと。声優さんの演技、声の幅は人を惹き付けるものがありますねー。

さて、今回は人を惹き付けてやまない牡丹を意匠とした和菓子をご紹介したいと思います。

牡丹華(ぼたんはなさく)~七十二候

本日4月30日からは、二十四節気《穀雨》の末候『牡丹華(ぼたんはなさく)』にあたります。牡丹は、百花の王と称される中国渡来の花。牡丹華(ぼたんはなさく)の頃から白や紅、黒紫など芳香のある大輪の花が咲き出します。ハンドクリームで有名なロクシタンにもピオニーシリーズがあって、甘すぎない香りがお気に入りです。

牡丹には、富貴草(フウキグサ)・二十日草(ハツカグサ)・花神(カシン)・花王(カオウ)という別名があります。繊細な花びらが幾重にも重なる艶やかな姿に、立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花 と、美人の容姿や立ち居振る舞いを形容する花のひとつとしても知られていますね。かの世界三大美人と名高い楊貴妃の名を冠した牡丹の品種もあるそうですよ。

花の御寺・長谷寺(奈良県)には、150種7,000株が植えられ、牡丹の名所としても有名です。

『水ぼたん』葛製備中餡

葛生地に包まれたピンク色の餡が艶やかな『水ぼたん』は、この時期、各和菓子屋さんで見かける意匠のもの。夏の到来を思わせる葛の透明度と、そこに浮かび上がる牡丹の花びらの美しさ。そのシンプルさが故に、餡や葛本来の味がダイレクトに味わえる御菓子です。平安時代の襲(かさね)の色目で表が白、裏が紅梅を「牡丹」としていましたが、『水ぼたん』はその色目を再現した一品と云えるでしょう。白から仄かに透ける紅って、何とも艶っぽいですね。

ひとくちメモ

  • ぷるんとした清涼感のある葛の独特の風味を堪能できる。
  • 中の餡は備中餡。
  • しかもつぶ餡で、葛とのバランスも良い。
  • 葛にかかる金箔で、牡丹の艶やかさを演出。
「備中白小豆」とは
岡山県備中地域で栽培される希少性の高い豆。独特な風味とあっさりとした舌触りで、高級餡として使用される。

名古屋の茶人贔屓の店《川村屋》

名古屋市中区新栄町にある《川村屋》は、知る人ぞ知る和菓子屋さんです。小さな店構えに老夫婦で経営者されていますが、名古屋の茶人にご贔屓にされ、茶会の趣向に合わせた上生菓子を作られている店なのです。

以前参加した徳川美術館での『雛まつり満喫プラン(貝合わせ体験)』でふるまわれた上生菓子。川村屋さんの提供で、菓銘は『春の舞』でした。

今回ご紹介した和菓子店舗

川村屋

住  所〒460-0007 愛知県名古屋市中区新栄2-18-1
電 話052-262-0481
営業時間9:30~18:30
定休日日曜日・祝日

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