『お手伝い至上主義』のすすめ

おすすめ本

こんにちは、現在積ん読11冊(うち3冊は読みかけ)のきりこです。

春になると“習い事させたい妖怪”がちまたに出没し、みなさんの心を悩ませます。

ほかの子は、どれくらい習い事に行ってるの?

みんな習い事に行っていたら、うちの子にお友達ができないかも …などなど。

何故かみなさん、習い事をさせる前提で右往左往されているんですよね。お子さんが興味を示しているものがあるなら、やってみればいいとは思うのです。でもね、まわりに流されて親が決めてしまうぐらいなら、いったん落ち着いて、この本を読もう!

三谷宏治 著

『お手伝い至上主義でいこう』

『お手伝い至上主義』(続編)

三谷家の子育てルールとお子さんたち目線のエピソードが痛快なストーリー仕立てになっています。思わずクスッとなる場面も。

登場人物:父、母、長女サクラ、次女ミライ、三女アオイ

子どもたちの生きる力をどう育むのか、ヒント満載。子育ての指針にしたいけれど、どこまで出来るか…親も試されています。

子育ては予算2,000万円の人材育成プロジェクト

うわっ!子育てにお金がかかるって知ってるけど…何か“2,000万円の人材育成プロジェクト”って言葉は、もやもやするなぁと思われた方もいるでしょう。ドライ過ぎますか?でも、これは

子育てを短期目線ではなく長期目線で捉えてくださいねー

そういうメッセージなのです。

子育てのゴールはなんですか?有名大学への進学?就職?…

違います。それは過程であってゴールではありません。子育てのゴールは

子どもの自立と幸せ です。

親が決めたスケジュールで、親が決めた習い事や塾に行き、親に生活環境も整えてもらうと、子どもが自立するチャンスがないですよね。

子どもが自分で決める姿勢と力をつけるのに、お手伝いは最適アイテムです。では、三谷家がどのようにアイテムを使ってきたのかみてみましょう。

「ヒマ、貧乏、お手伝い」は最強アイテム

大切なのは、お手伝いに関することを任せること、先回りしないこと。あれこれ過干渉になってはいけません。意思決定力や段取り力が身に付くチャンスを奪ってしまいます。

ここでいうお手伝いは家事全般を指し、係を任された人がちゃんとやらないと家族全員が迷惑を被ります。でも、それが大事!洗濯係がサボると

ブラウスない~、靴下もないよー

なんてことに。それでも家族全員がその不便さを忍ぶのです。家族が一枚岩に、そして仲よくがポイントかな。責任感や自覚を促すのに必要な一度や二度の失敗、まわりが勝手にやってしまっては育つものも育ちません。

…分かっているけど、難しい。がまん、がまん

三谷家では、お手伝いが最優先、ピラミッドでいう頂点です。だからこそ、真剣に向き合います。三姉妹でおこなう「お手伝い担当替え会議」のようすは、なかなか愉快です。能力の適材適所、交渉力、マルチタスクタイプなのか一点集中タイプなのか、お手伝いは自分を知るきっかけにもなり得ます。

では、ヒマと貧乏はなんでしょう?

潤沢なお小遣いがあると、お金で解決できてしまうことも多いですよね。でも、ちょっと控えめなお小遣いだと、ひとは考えます。何が大事か(優先順位、自己決定感)、代用できるか(発想力)、どうやって手に入れるか(コミュニケーション力、計画性)などなど。

ここでネックなのは、孫にあまーい祖父母の存在や多額のお年玉。

お年玉で買えばいいや(将来のボーナス依存予備軍かも)

ちょっと、お金にルーズな感じになりそうですね。

きりこの上の子は、親からのお小遣いは貧乏レベル(笑)だったのですが、徒歩圏内に祖父母宅がありまして…

どんなに言ってもお駄賃をあげるのを止めてくれなかったですねー。でもね、小さい頃は、お駄賃〉欲しいものだったのが、大きくなるにつれて、お駄賃〈欲しいものになるんです。ゆるゆるの金銭感覚になって、本人が苦労してましたね。

この本を読んだのは後なので、もっと早く出会いたかったー、祖父母にも読ませたかったーと、悶絶しました。

お手伝い=お小遣いにしないこともポイントです。お金ほしさのお手伝いでは、本末転倒ですからね。

最後に、ヒマは何を生み出すのでしょう。

ヒマのポイントは「発想力」と「自律」です。現代っ子は忙しい。習い事に塾、空き時間にゲーム、携帯…でも、全部受動的に済んでしまうものです。三谷家では、携帯・テレビ・ゲームなどは制限時間が決められています。きりこも月いちでデジルデトックス日を作っていますが、その日はぽっかり時間があいて

なに、しよっかなー となります。

この、何をしようか考える時間が大事です。社会に出たときに

誰も指示出してくれないから何をやっていいか分かりません

なんてことにならないために。

決めるのを楽しくする、練習する

三谷家は、時間が自由(ヒマ)で資源的に制限(貧乏)がある放牧型子育てです。三姉妹曰く

私たちは羊。楽しく自由だが、遠くに柵はある

「お手伝い至上主義」ムスメ語録⑧より

この話のなかで一番印象に残ったのは、

次女ミライによる予算10万円家族旅行計画

です。この時ミライちゃんは小5。退屈そうにしてたのを見兼ねて、父が話を持ちかけます。行き先も、やることも、交通手段も、計画段階からぜーんぶお任せの旅。

ミライちゃんはドキドキしながら、旅のテーマも絞り、家族旅行をみごとに成功させました。

大人にとっても10万円は、大金です。でも三谷家は、お手伝いを任せるで培った“不便さを忍ぶ、共有する”心構えがあります。

いっぱい成功して、いっぱい失敗して、皆で笑ってあげればいい

失敗したって大丈夫!それすらも楽しめる心を育めるのが『ヒマ、貧乏、お手伝い』なのです。

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