こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
9月の第3月曜日は【敬老の日】。「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」日です。全国の100歳以上の高齢者は過去最多92,139人(去年から1,613人の増加)。2025年には国民の5人に1人が後期高齢者となる超高齢化社会を迎える日本において、健康寿命をいかに延ばすかが課題となっています。女性の場合、厚生労働省の資料によると平均寿命と健康寿命の差が12.06年にもなります。
「老後2,000万円問題」に象徴されるように、長寿国だとどうしても貯蓄に関心が向きがちです。最近読んだ「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」では、お金そのものを貯めこむのではなく経験に変えることこそ、豊かな人生を全うすることだと説いています。たしかに人生の中盤に差し掛かり、夜中に車で何時間も移動して朝イチからディズニーのアトラクションで遊びまくったりスキーを滑ったりはもう出来そうもありません。お金を経験に変える行動力や思考力が年々落ちてしまうのなら、いち早く自分にとって価値ある経験(=思い出)を積み立てる方向へ舵を切った方が賢明でしょう。
ということで、今回は「延命長寿」を象徴する花、菊をモチーフとした和菓子をご紹介したいと思います。
『菊花餅』餅製 小豆こし餡
『菊花餅』《御粽司 川端道喜》
▪︎販売価格:1箱5個入り 3,672円(税込)
▪︎賞味期限:当日中
▪︎原材料名:こしあん(国内製造)、餅粉、砂糖
▪︎特定原材料等:なし
▪︎栄養成分表示:1個60gあたり 188kcal
箱を開けると清澄な雰囲気を纏う「菊花」を意匠とした5つの餅菓子がお目見えしました。「その日作ったものをそのままおいしいうちに御上がりください」と語りかけてくるような御菓子の有り様です。そーっと取り出して織部焼の銘々皿に盛り付けてみました。深みのある美しい暗緑色と白鼠(色)の調和に情趣を感じます。
ヘラでスジを入れ、ふっくらとした8枚の花弁に見立てた餅菓子『菊花餅』。「匂い(※)」の部分に焼き印を施し仕上げています。絶妙な玄(色)が堪りませんね。※京菓子では花芯のことを「匂い」と呼びます。《川端道喜》さんは著書で “その顔がシンプルなほど出来の良し悪しが如実になって、ごまかしがきかない”と述べています。御菓子を前に居住まいを正したくなるのは、その引き算の美しさを自然と感じとってしまうからでしょう。
中は小豆こし餡。ふわりと立ち上ってくる甘さの餡もいいけれど、道喜さんの餡は上質で口の中でするりと溶けていくかのよう。身体にそっと馴染むような甘さでこの上ない美味しさなのです。
⏫秘伝の巻物かと思うほどの「由来記」。毎朝、天皇に300年以上もの間、御朝餉(おあさ)を進献したことや千利休との親交についても書かれています。
今回ご紹介した和菓子店舗
《御粽司 川端道喜》
住 所 アクセス | 〒606-0847 京都府京都市左京区下鴨南野々神町2-12 地下鉄烏丸線 北山駅から424m ・地下鉄「北山駅」より徒歩2分 ・地下鉄「松ケ崎駅」より徒歩7分 ・JR京都駅・四条河原町から市バス(4号系統)「野々神町」停留所下車し、徒歩すぐ |
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電話番号 | 075-781-8117 |
営業時間 | 9:30~17:30 ※完全予約制 |
休業日 | 水曜日(※8月は全休) |
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