意外性を楽しむ『まちなか茶の湯レボリューション』【やっとかめ文化祭2022】

やっとかめ文化祭

こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

10周年を迎えた「芸どころ・旅どころ・なごや」の祭典【やっとかめ文化祭2022】ではさまざまなプログラムが用意されていました。その中でも注目したのは「まちなか茶の湯レボリューション」。千利休生誕500年に肖って、ナディアパークでお茶会を開こうというのですから驚きです。案内文には「決まり事をとっぱらう」「初心者でも参加できる」とあります。いったいどんな設えになるのでしょうか。興味津々で子どもと出掛けてみました。

「まちなか茶の湯レボリューション」

  • 日時:11月13日(日)
    • ①12:00~ ②13:00~
      ③14:00~ ④15:00~ ※
      ⑤16:00~ ⑥17:00~
  • 場所:ナディアパーク アトリウム
  • 定員:各回15名
  • 料金:1,000円(「teket」にて事前支払。電子チケット)
  • 席主:やっとかめ文化祭 茶の湯組(紅雲庵・稲垣 紹紅)

※「未来の文化を担う子ども枠」将来の文化を担う人材育成のため、子ども(小学生以上)と保護者のための予約枠

到着してみると、普段は椅子などが並べてある空間がこんな感じに様変わり⏬

芝生に見立ててピクニックさながらの設えになっています。でも上を見上げると青空はなく、ナディアパークの近代的空間。

狐につままれたような気分です。SHOPに来られるお客さんが行き来するので子どもは、

みんなに見られるから、ちょっと恥ずかしいね

と、開放的な空間にソワソワ。

そうこうしていている内に、グレーヘアーの着物が似合いそうな女性から「北野大茶湯のお話をしますから、事前にお読みください」と資料(「QRコードつき)が渡されました。この方、いかにも「お茶席」という雰囲気を醸し出しているのに、お召し物はトラッドスタイルなジャケット&ロングスカートなのが愉快、愉快(のちほど紹紅先生だと判明)。

【北野大茶湯】

天正15年(1587)10月1日、京都北野天満宮境内にて豊臣秀吉が開いた大規模なお茶会のこと。秀吉と千利休をはじめとする当代きっての茶人3名を茶頭として迎え、来会者には身分問わず茶を供した。

当初10日間行う予定だったが初日1,000人近く集まったためか(諸説あり)、2日目以降茶会が開かれることはなかったそうな。

「北野大茶湯」が、茶の湯歴史上初の大寄せで野点だった!?

そんなふうに捉えると、今回の「まちなか茶の湯レボリューション」も新たな趣向が凝らされた野点なのでは?と期待が高まります。

紹紅先生の話に引き込まれていますと、亭主が登場しました。何とも可愛らしい英国紳士コーデです。

掛軸の代わりにご用意されたのは「エリザベス女王崩御の号外」、茶花は「エインズレイのソルト&ペッパー」です。※エインズレイは英国王室御用達のイギリス名窯

思うてたんと違う!と目をぱちくり。

茶道具に見立てた空き缶の数々が出てくると子どもも大喜び。そういえば、子ども達は「おままごと」での見立て遊びが得意ですもんね。

帛紗(ふくさ)はさらりと胸ポケットから取り出されました。ポケットチーフさながらですね。茶道具を清めた後は、するりとポケットチーフに早変わり。その様子に参加者たちからクスクス笑いがもれます。

茶杓代わりにカンカンからスプーンがお出ましになりました。British Royal Warrantsのお品でしょうか。丁寧な仕草で道具を扱っていますが、空き缶・空き箱から出てくるのでおままごと感が否めない(笑)。和やかで、意表を突くお茶会です。

⏬スプーンが入っていたカンカンは、亭主ご自慢の品だとか(Helix OXFORDのペンケース)。

正客にあたる方には「バーレイ トーキーブルーウィロー シュガーボウル」で一服もてなし。英国には抹茶茶碗なんてないですもんね。

そのほかの参加者にはコンポスタブルな紙の茶碗でふるまわれます。紙製の抹茶茶碗を見たのが初めてだったので驚いていると、正客の方が

今は(時節柄)よく見かけますよ。Amazonなどのネットで買えて、たしか「WASARA ワサラ」という名前だったかな?

と教えてくださいました。

タータンチェックの包みをヒラリとほどくと出てきたのは「sandwich?」

そうか、和菓子じゃないんだぁ…とちょっぴりガッカリしていると、なんと!サンドウィッチ見立ての和菓子だというのですから驚きます。

近くから見ても厚焼きたまごのサンドウィッチみたいですね…。薯蕷饅頭をパンに見立て、マーマレード入りの備中餡で「サンドウィッチ」としました。マーマレードの香りがよく、あちこちで「おいしい💕」と声が上がります。《川口屋》さん渾身の一品です。

⏫今回の会記(?)。British Royal Warrantsなどの品々が並ぶなか「kawaguchiya marmalade sandwich(川口屋 マーマレードサンドウィッチ)」の文字を発見。妙味ありますね。英国王室御用達と並んでも引けを取らないということでしょうか。

茶筅がなければ茶席だとは誰も思うまい。そんなユニークな発想の一席でした。

⏫「まちなか茶の湯レボリューション」の旅する判子コレクションは【河童】。“河童がお茶を嗜む”というあり得ないシチュエーションが、意外性に富んだ今回のお茶会にぴったりですね。

「茶の湯」というと格式が高い、決まり事が多い…etc.とかく一般の方が足を踏み入れにくい側面がフューチャーされがちです。が、実は利休をはじめとした茶人たちが既存の概念を打ち破り、自由な発想を重ね、連綿と築きあげてきたのが「茶の湯」なのです。きっと「北野大茶湯」でも一風変わったお茶会を開いていた茶人もいたことでしょう。

ナディアパーク アトリウムで英国風野点(笑)をしたのは初の試みかも。

今回の「まちなか茶の湯レボリューション」も「茶の湯」の歴史に一石を投じたのではないでしょうか。

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