こんにちは。花粉症薬を飲み忘れて不甲斐ない一日を過ごした、きりこです。
おかねって、なぁに?
子どもというもの、突然このような答えにくい質問をしてくる生き物です。この場合、“日本銀行が発行している”云々かんぬんなんて話は求めておらず、もっと本質的なことを聞きたがっているのです。さて、困った…
おかねって、なんだろう?
この疑問に、丁寧かつ面白くかみ砕いた本が今回紹介する『おカネの教室』です。
いよいよ2022年から、高等学校の家庭科で資産形成の授業が始まります。その前に、おカネの基本に立ち返って学んでみませんか。
『おカネの教室』~僕らがおかしなクラブで学んだ秘密 高井浩章 著
筆者が、自分の子どもたちのために”経済やお金の仕組みがわかる、楽しい読みもの”として綴ったものをベースに書籍化。
舞台設定が中学校のクラブ活動なので、授業形式でお話が進められています。1話ずつ分かれているので読みやすく、小学校高学年~読めるのではないかと思います。お金の仕組みだけでなく、社会・人とのつながりも学べるので、親子でお金の理解を深めるのにぴったりな良書といえます。
登場人物 □ へんちくりんな顧問カイシュウ □ 部員2名(中学2年生) サッチョウさん、ビャッコさん |
さて、お金を手に入れる方法とは?
お金を手に入れる方法を6つ挙げよ!と言われたら、全部答えられますか?きりこは
稼ぐ、増やす、もらう、借りる…あれっ何だっけ?となりました。
5番目までは表紙で明かされていますが、6番目は伏せられています。ここが肝、読み進めていくうちに
あっ、あれだ! と気づいた時の爽快感はたまりません。
- かりる
- ぬすむ
- もらう
- かりる
- ふやす
- …
お金の手に入れる方法を通して、世の中の職業を『かせぐ、もらう、ぬすむ』に振り分けてみたり、ベンチャー投資信託会社や障害者雇用に積極的な会社に体験学習に行ったり、なかなか実践的なクラブ活動です。
また、サッチョウさん、ビャッコさんの2人に出される課題が秀逸!例えば、
カイシュウ先生からお金をかりる
“お金をかりる”なんて、普通の授業でしたら炎上しそうですけど、かりるには学びがいっぱい隠されています。
「かりる」授業はお金の持つ本質、お金=信用《約束・信頼》を痛烈に気づかせてくれました。
こんなクラブ、あったら入ってみたかったー
お金はあればあるほど幸せですか?
2022年度から始まる高校の新学習指導要領は、家計管理などを教える家庭科の授業で「資産形成」の視点に触れるよう規定した。家庭科の先生が裁縫や調理実習に加え、株式や債券、投資信託など基本的な金融商品の特徴を教えることになる。教育現場では戸惑いも広がるなか、金融庁は「出張授業」や教材づくり、先生を対象にした投資イベントなどを通じて準備を後押ししていく。
2019年11月12日 日本経済新聞より抜粋
冒頭で、高等学校で資産形成の授業が始まる話をしましたが、これは『ふやす』ですね。若い世代から金融リテラシーを高めていってほしいという意図は感じますが、学校でどこまで伝えられるかは、先生の裁量次第…う~ん、学校の先生も大変だなぁ。
お金は手に入れるだけでなく、どう使うか
お金の使い方が、どういう社会をつくっていくことに繋がるのか、自分はどんな世の中になってほしいか、ひとりひとりのお金の使い方が社会を動かす原動力となります。
『お金を手に入れる』と『お金を使う』のバランスも大事ですね。あったらあるだけ使うは論外ですが、お金が減ることが怖くて貯めこんだまま不安な日々を送るのも不健全です。
きりこもイデコやつみたてNISAを細々とやっていますが、出口戦略(老後にどうお金を使っていくか)はまだ霧のなかです。
「お金の手に入れ方」と「使い方」のバランスだけではなく、「つながり力(社会、ひと)」を高めていくことが幸せな人生を送るポイントだなと感じさせられる本でした。
子どもへの金融教育の大切さは、近年とくに云われるようになりました。(反面、お金の話をすることを嫌がる風潮も根強くある)
どんな話をしたらいいか困ったら、まずこの本を読んで親子で語らって見るのも面白いかもしれません。
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