こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
3月15日より二十四節気【啓蟄】の末候「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」に入りました。そろそろ暖かくなってきて、モンシロチョウが舞い始める姿も見かけることでしょう。
今回は春めいた季節にぴったりな和菓子を2点ご紹介したいと思います。どうぞお楽しみください。
春の季語の区分
◇初春:立春から啓蟄の前日まで
◇仲春:啓蟄から清明の前日まで
◇晩春:清明から立夏の前日まで
初春~晩春までの全ての期間に共通する季語を「三春」といいます。
【晩春】の季語『野遊び』浮島製&蓬羊羹製

『野遊び』《和の菓さんのう》
▪︎販売価格:季節の上生菓子セット6個入り 2,950円(税込)
▪︎賞味期限:製造日より2日間
▪︎特定原材料等:卵、小麦粉
野遊びや飛行機とべば手を叩く
こちらは杉田久女・竹下しづの女と並び、大正期を代表する女流俳人·長谷川かな女の句です。長閑な春の風景のなか、ゆるりと飛行機が舞う姿が見えるかのようですね。《和の菓さんのう》さんは、春の山野で遊ぶ情景を黄蘗(きはだ)色の浮島と草色の蓬羊羹で表し、練りきりの蝶をあしらい『野遊び』の意匠としました。浮島と蓬羊羹の間にある淡雪羹の白がすっきりとした仕上がりにみせてくれています。
蝶のあしらわれた意匠を見て思い出すのは、桐朋高等学校(東京都国立市)第78期卒業生の土田淳真さんとした見事な答辞ですね。2024年3月2日の卒業式で読み上げられたものですが、いまだに記憶に残っています。
【バタフライエフェクト】 気象学者のエドワード・ローレンツが提言した「1匹の蝶の羽ばたきのような非常に小さな撹乱でも遠くの場所の気象に影響を与えるか?」に由来した言葉で、転じて“非常に小さな事象が因果関係の末に大きな結果につながる”という意味合いをもちます。 |

原材料名 | 砂糖(国内製造)、白餡、小豆、小麦粉、上用粉、卵、よもぎ、寒天/食用色素(赤3号、赤106号、黄色4号、黄色5号、青1号) |
ふんわりとした浮島はいつ食べてもしみじみとおいしい💕三納さん曰く、今回は卵の配合を変えて作られたそうです。以前のものよりもすっきりとした味わいに仕上がっています。
【仲春】の季語『水温む』ういろう製 ピスタチオ餡

『水温む』《和の菓さんのう》
▪︎販売価格:1個 500円(税込)
▪︎賞味期限:製造日より2日間
▪︎特定原材料等:なし
『水温む』とは、春になって寒さが緩み、池や川の水があたたかな感じになってくることをいいます。
ながれ合ふてひとつぬるみや渕も瀬も
こちらは、生涯1,700余りの句を詠んだと云われる江戸時代に活躍した女流俳人·加賀千代女の歌です。冬の凍てつくような水流も春光を浴びて穏やかさをみせているさまが窺えます。
《和の菓さんのう》さんは春の穏やかな情景を、包み暈しした水縹(みはなだ)色に染めたういろうに波紋を描き『水温む』の意匠としました。ういろうの上には淡紅色の氷餅を添え、暖かな春の日差しを思わせます。
「氷餅」とは 餅を水に浸して凍らせたものを寒風に晒して乾燥させたもの。細かく砕いて上生菓子のトッピングに使うと、キラキラした質感を醸し出せる。 |

原材料名 | 砂糖(国内製造)、白餡、米粉、餅粉、ピスタチオ、葛/食用色素(赤3号、赤106号、青1号) |
中は珍しいピスタチオ餡。時折混じるピスタチオの欠片もいいアクセントになっています。ほろ苦さとほんのりとした甘みがクセになりそう💕ピスタチオの奥深い風味にういろう生地を合わせたのはさすが!と言わざるを得ないでしょう。ういろうのやさしい甘みはピスタチオ餡を引き立ててくれています。
今月の季節の上生菓子セット内容

左上から時計回りに
▪︎『筍』きな粉練りきり製 筍甘露煮入り小豆こし餡
▪︎『夢見草』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『水温む』ういろう製 ピスタチオ餡
▪︎『山笑う』きんとん製 道明寺芯
▪︎『野遊び』浮島製&蓬羊羹製
▪︎『初桜』練りきり製 小豆つぶ餡
1箱6個入り 2,950円(税込)
今回ご紹介した和菓子職人
フリーランス和菓子職人《和の菓さんのう》
製造者 | フリーランス和菓子職人 三納寛之 |
住 所 | 岐阜県瑞穂市野白新田337-1-102 |
電話番号 | 090-3834-3444 |
定期販売 日·場所 | ◇ 名古屋三越星ヶ丘テラス The Kitchen2階 毎月第2火曜日・第3日曜日 ◇ 岐阜県本巣市atelierフェリス 毎月第4水曜日 ※インスタグラムで予約可 |
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