こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
二十四節気では4月20日から【穀雨】に入りました。江戸時代、太玄斎によって書かれた「こよみ便覧」に依れば ※こよみ(暦)便覧は、江戸時代に出版された暦の解説書
穀物の成長を促す恵みの雨が降り注ぐという意味合いで「百穀春雨(ひゃっこくはるさめ)」という言葉が由来といわれています。だんだんと日差しも強くなっていくこの頃、農家では田植えの準備をし始めます。
【穀雨】の七十二候 | 名称 | 意味 |
初候 4月20日〜4月24日頃 | 葭始生(あしはじめてしょうず) | 水辺の葭が芽吹き始め、山の植物、野の植物が緑一色に輝き始める頃。 |
次候 4月25日〜4月29日頃 | 霜止出苗(しもやんでなえいづる) | 暖かくなり、霜も降らなくなり、苗がすくすくと育つ頃。 |
末候 4月30日〜5月5日頃 | 牡丹華(ぼたんはなさく) | 百花の王である牡丹が開花し始める頃。 |
【穀雨】は春季の最後の節で、その終わりごろに八十八夜を迎えます。もう少し、春の余韻を楽しみたい…今回はそんな春の終焉にぴったりな和菓子をご紹介したいと思います。
『藤の花』練り薯蕷きんとん製 小豆こし餡

『藤の花』《両口屋是清》
▪︎販売価格:1個 443円(税込)
▪︎販売期間:2025年4月16日~4月30日
▪︎賞味期限:製造日より2日間
▪︎特定原材料等:やまいも
▪︎栄養成分表示:1個あたり 186kcal
晩春から初夏にかけて美しい花を咲かせる藤を練り薯蕷のきんとんで表現した一品です。若葉色と淡藤色(あわふじいろ)のきんとんは繊細で、白色を含んだような色合いは滝のように垂れさがる藤の瑞々しさを表しています。
先日訪れた「徳川園」では牡丹もまだまだ、藤に至っては影も形もないくらいでした。ところがここ最近の気温上昇で一気に開花したもよう。徳川園のインスタグラムで美しい藤色の花々の連なりをご覧になることができます。

原材料名 | やまいも(国内産)、砂糖(国内製造)、手芒豆、小豆、福白金時豆、還元水飴/着色料(赤3号、赤106号、黄色4号、青1号) |
練り薯蕷製なので、やまいもの香りがやさしく鼻腔をくすぐります。練りきりで仕上げるきんとんよりもあっさりとした甘みが好ましい。中の小豆こし餡も甘さ控えめでなめらかな舌触りです。
『新樹』ういろう製 小豆こし餡

『新樹』《両口屋是清》
▪︎販売価格:1個 389円(税込)
▪︎販売期間:2025年4月16日~4月30日
▪︎賞味期限:製造日より2日間
▪︎特定原材料等:小麦粉
▪︎栄養成分表示:1個あたり 186kcal
『新樹』とは、初夏の瑞々しい若葉を持った樹木のことをいいます。ういろうに萌葱色の練り羊羹をぬり、小豆こし餡を包んで木立の爽やかさを演出し『新樹』の意匠としました。白のういろうに透ける萌葱色が、淡い若葉の柔らかさまで伝えてくれるかのような一品です。


原材料名 | 砂糖(国内製造)、小豆、米粉、還元水飴、でん粉(小麦を含む)、餅粉、手芒豆、福白金時豆、寒天、 氷餅/増粘多糖類、着色料(黄色4号、青1号) |
羊羹の層が分かりやすいようにアップで撮影してみました。ういろう×小豆こし餡に羊羹の薄い層が加わることで食感にアクセントが生まれています。
今回ご紹介した和菓子店舗
《両口屋是清》八事店
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