【大雪】おすすめ和菓子『袴腰』《川端道喜》

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こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

12月7日より二十四節気【大雪】に入りました。江戸時代、太玄斎によって書かれた「こよみ便覧」に依れば ※こよみ(暦)便覧は、江戸時代に出版された暦の解説書

 雪いよいよ降り重ねる折からなれば也 

本格的な冬が到来する頃。山々は雪に覆われ平野部でも雪が見られるようになります。【煤払い】などをして新年をお迎えする準備をはじめます。

【大雪】の七十二候名称意味
初候 12月7日〜12月10日頃閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)重く垂れ込めた雲に天地の気が塞がれ、深閑とした冬日が続く頃。
次候 12月11日〜12月15日頃熊蟄穴(くまあなにこもる)熊が冬ごもりの時期に入り、穴にこもる頃。
末候 12月16日〜12月20日頃鱖魚群(さけのうおむらがる)鮭が産卵のため自分の生まれた川へと遡上する頃。

12月13日、古の宮中では正月に向けて【煤払いの儀】が行われていました。男子禁制の常御殿を緋袴の女官、黄袴の公家、白袴の六丁衆達が大掃除をなさったとか。この日ばかりは女官たちも袴を付けて働いたそうですよ。

今回ご紹介するのは【煤払いの儀】後に下賜された和菓子です。どうぞお楽しみください。

『袴腰』餅皮製 小豆こし餡

『袴腰』《御粽司 川端道喜》
▪︎販売価格:1箱5個入り 3,510円(税込)
▪︎賞味期限:当日中
▪︎原材料名:こしあん(国内製造)、餅粉、砂糖
▪︎特定原材料等:なし
▪︎栄養成分表示:1個60gあたり 188kcal

独特の形状は、袴の腰板を模したもの。袴の後ろの腰に当たる部分は厚紙などで出来ていて台形の形をしています。この形が『袴腰』の意匠の原型と云われています。初めて『袴腰』を見たときは何も知らずスルーしてしまったのですが、歴史を繙くと意匠の意味合いが分かり興味が出てきました。年の瀬の宮中の賑やかなさまを『袴腰』を通して想像すると楽しくなりますね。和菓子の世界はこうして日本の風土や歴史的背景、四季の情景に結び付いているのからこそ多くの方々が魅了され続けているのでしょう。

餅肌から透ける小豆こし餡の紫色が美しい…シンプルながらも「五感の芸術」と云われる和菓子の魅力が存分に感じとれる一品です。

《川端道喜》さんのあんこは口の中でするりと溶けていくかのような上質さ。身体にそっと馴染むような甘さでこの上ない美味しさなのです。

コラム~初代道喜
室町時代の末期·応仁の乱など戦乱が続き天皇の食事もままにならない頃、道喜は塩餡のお餅を毎朝献上していました。天皇の朝の食事を御朝物、略して「お朝」といいますが、後柏原天皇が「御朝はまだか」とせっつかれたエピソードも残っています。
餅菓子の献上は後に「朝餉(がれい)の儀」として形式化し、明治天皇の東京遷都まで約350年ほども続きました。代々の道喜が献上の際に通った門は、今も京都御所建礼門の東百歩ほどの所に「道喜門」の名で現存しています。

今回ご紹介した和菓子店舗

《御粽司 川端道喜》

住 所  アクセス〒606-0847
京都府京都市左京区下鴨南野々神町2-12

地下鉄烏丸線 北山駅から424m
・地下鉄「北山駅」より徒歩2分
・地下鉄「松ケ崎駅」より徒歩7分
・JR京都駅・四条河原町から市バス(4号系統)「野々神町」停留所下車し、徒歩すぐ
電話番号075-781-8117
営業時間9:30~17:30 ※完全予約制
休業日水曜日(※8月は全休)

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