こんにちは、きりこです。
コロナ禍で巣籠もりの機会が増えて、お金の使い方が変わったという方も多いのではないでしょうか。かくいう私も、出掛けなくなってファッションはお座なりに、マスク生活&花粉症でノーメイク状態と、身なりに使うお金はすっかり減りました。…女子力減退(笑)
今回ご紹介する本は、森博嗣 著『お金の減らし方』です。えっ!?減らす…増やすの間違いでは?と感じますよねー。まぁ、ここが森博嗣ならではのアプローチの仕方、印税の金額も詳らかに、時々クスッと笑えるエピソードも交えて淡々と書かれています。…たんに私が、森博嗣の文体がツボなだけの可能性もありますが。億単位の金額がさらっと出てくるので、も、もしかしたら森博嗣さん初見の方は面食らうかも。その場合、『すべてがFになる』『工学部・水柿助教授の日常』あたりを読んでから再読されるとより一層楽しめると思われます。
『お金の減らし方』あらすじ
「お金がないから好きなことができない」人はお金を理由にしがちです。一方、お金持ちは「お金は使えば使うほど増える」といいます。人生や価値観を左右する「お金」とは一体なんなのか。どうすれば、お金の不安が消えるのか?
本書は、著書『作家の収支』でその収入を明らかにするなど、忌憚なく本質を突く作家・森博嗣が「お金の減らし方」と題し、人生とお金の付き合い方を解き明かします。投資家やFPでは決して語ることのできない。「お金」への思い込みをひっくり返す1冊!
お金を他人のために使ってはいけない
『お金の減らし方』内容紹介より
収入の1割は「欲しいもの」に使うルール
森家では、大学助手の薄給の頃から、収入の1割×2(夫婦2人分)を「欲しいもの」に使い、残りの8割で生活するというルールが徹底されています。お互いの「欲しいもの」予算の使い方には関与しないことも、大事な要素です。
巷の家計管理や節約のススメでは、needs(必要性)にお金を使いwants(欲求)を抑制するようにと説かれています。しかし、森氏は必要なものは最低限、もしくはなくても困らないとまで言い切ります。そして、「必要なもの」といわれているものが、他者目線になっていないかと読者に問いかけます。
「欲しいもの」ルールは、自分の未来への投資
マネー相談で、“全部必要なものなんです”とメタボ家計になっている方がいますが、これは「欲しいもの」=優先順位が絞れてない状態です。「お金」も「時間」も有限、ただ何となく「必要なもの」に消費するのは、自分の大切な人生を粗雑に扱うことと同義になるといえます。
自分の人生について考える時間は楽しいー刹那的にではなく、自分の価値観に照らし合わせて「欲しいもの」にお金を使うことは、自分の人生に種まき(=投資)することに繋がります。
自分に投資することが、最も期待値が高い。自分の価値を高めることが、その後のすべての価値を増幅するからだ。
あなたのお金で買うものは、あなたの未来なのである。
『お金の減らし方』108ページ
『欲しいもの』は、自分の資質を見極め、価値を高めるツールになる
「欲しいもの」があっても今は買えないとき、あなたならどうしますか。
- 資産運用や副業で「増やす」
- 毎月一定額を「貯める」
- 交渉して「借りる」
色んな案が浮かびますが、同じ「増やす」でも資産運用はお金に働いてもらう(他力)、副業は自分自身が働くという違いがありますね。森氏は、大学教官・研究者として16時間/日働いていて、時間の切り売りで更に働くのは難しい状態でした。そこで、自宅のパソコンで小説を書いてお金を得る作戦に出ました。「欲しいもの」を得るために、時間、資質、資源を考慮し最大限活かせる方法を見出だす…ここがポイントで、作家(副業)はあくまでも手段にすぎません。
お金は「欲しいもの」を手に入れるためのツールにすぎない…ここを間違ってしまうと、「貯める」ことに執着して人的資産を高めることにすら使えなくなってしまい、無為な人生を送ることになるでしょう。森氏は「減らし方」という言葉で、どう使うか、使うためにどうお金を得るかで、人生のあり方が変わることを示唆しました。
まとめ
「お金に振り回されない人生を送りたい」そのためには、「貯める」「増やす」だけではなく「減らし方=使い方」も重要なポイントであることに気付かされる内容でした。今を楽しむことと将来の備えのバランスを取りながらお金と向き合って来たつもりでしたが、今後は「使い方」にも着目していきたいなぁと…
“あなたのお金で買うものは、あなたの未来なのである” この言葉を心に刻みたいと思います。
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