小満(しょうまん)の頃に食べたいおすすめ和菓子『早苗』

二十四節気と和菓子

こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

5月21日から二十四節気が【立夏】から【小満】へと移り変わりました。今年はもう梅雨入りしていますが、本来なら梅雨前の爽やかな晴天を楽しめる時期がこの頃です。

【小満(しょうまん)】とは~二十四節気

万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る

国立国会図書館デジタルコレクション「こよみ便覧」7ページ目より

【小満】とは、あらゆる生命が天地に満ち始めることを意味します。日ごとに上昇する気温に合わせ、万物の成長が著しい時期となります。

小満をさらに3つに分けた七十二候では

初候:「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」

次候:「紅花栄(べにはなさく)」

末候:「麦秋至(むぎのときいたる)」

小満の末候「麦秋至」とあるように、麦が成熟し収穫期を迎えるのがこの頃です。秋に蒔いた種に黄金色の麦の穂がつき、まさに「麦の秋」といった風情になります。無事実ったことにさな足を得られる時期ですね。

『早苗』の和菓子 黒糖きんとん製

『早苗』《和の菓さんのう5月の上生菓子セットより》

『早苗(さなえ)』とは、苗代から田へ植えかえる頃のイネの苗のことをいいます。

栄養分を蓄えた水田に植える瑞々しいイネの苗を、太さの違うきんとんで表現しました。ミネラル豊富な黒糖のきんとんは、イネを育てるための基盤土を表すのにぴったりな素材ですね。細やかな萌葱色のきんとんが、田植えしたばかりの心もとない苗の風情にも見えてきます。

ひとくちメモ

  • 味わい深い黒糖きんとんと、さらっとした萌葱色の細やかなきんとんの違いが楽しめる一品。
  • 黒糖きんとんが濃い甘さではなく、柔らかな甘さに仕上がっている。
  • 中は道明寺餅製。モチモチとした道明寺に黒糖きんとんがいい塩梅でからむ。

『早苗』の和菓子 薯蕷きんとん製

『早苗』《巌邑堂》1個432円 賞味期限2日

う、美しい!店頭で、思わずくぎ付けになった上生菓子です。《和菓子は五感の芸術》とは虎屋16代目黒川光朝氏が提唱した言葉ですが、この『早苗』はそれがよく分かる作品です。

柔らかな薯蕷きんとんが、苗代ですくすくと育った『早苗』を見事に表現しています。きんとんで淡緑と早苗色の2色の濃淡をつけることで、生き生きした苗の風情を感じとることが出来ます。

ひとくちメモ

  • 銘々皿に移すのにも慎重さが必要なほど、柔らかな薯蕷きんとん。
  • 自然薯を使用。
  • 中は白小豆のつぶ餡。上品な口どけ、甘さとなっている。
  • ふんわりしたきんとんとコロンとしたつぶ餡の食感の違いが楽しめる。

今回ご紹介した和菓子店舗、和菓子職人

《和の菓さんのう》フリーランス和菓子職人

定期販売

名古屋星ヶ丘テラス 毎月第2火曜日・第3日曜日 

岐阜県本巣市atelierフェリス 毎月第4水曜日

※インスタグラムで予約可

《巌邑堂》袖紫ヶ森店

住所:静岡県浜松市東区神立町字袖紫ヶ森136番10

電話番号:053-545-3232

定休日:毎週水曜

営業時間:9:00~18:30

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