こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
文亀3年(1503)創業、京都の老舗和菓子屋《御粽司 川端道喜》さんの代表銘菓といえば「粽」。吉野葛で作った『水仙粽』と、こし餡を練り込んだ『羊羹粽』の二種類ご用意があります。
お店でもなかなか購入出来ないと噂の《御粽司 川端道喜》の和菓子ですが、JR名古屋高島屋の銘菓百選には稀にお目見えします。いつかはいただきたいものだと何年も思っていますが未だ叶わず…ところが今回、以前から気になっていた『利休粽』を発見!《川端道喜》さんの御菓子は和菓子売り場で別格の佇まいを放っていました。
『利休粽』道明寺製
『利休粽(りきゅうちまき)』《御粽司 川端道喜》
▪︎販売価格:1箱5個入り 3,510円(税込)
▪︎賞味期限:当日中
▪︎原材料名:道明寺粉(国内製造)、砂糖、小豆みつ煮(国産)
▪︎特定原材料等:なし
▪︎栄養成分表示:1個50gあたり 94kcal
「粽」といえば【端午の節句】に食べる円錐形のものを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。《川端道喜》の『水仙粽』は五本で1束。きゅっと纏められた姿は芸術的で、JR高島屋の和菓子バイヤー·畑 主税氏に“最後の晩餐に食べたい”とまで言わしめた逸品なのです。今回ご紹介する『利休粽』はその原型バージョンとも呼べるもの。《川端道喜》が御所に献上していた「御朝物」を彷彿させる意匠をしています。
少量の塩を加えて、茹でた小豆を潰したものを、一口大の餅を芯にして、野球ボールよりやや大きめに丸める
「小さな暖簾の奥で 御粽司 ·川端道喜とわたし」より
裏葉色(うらはいろ)の化粧箱に入っていることが多い《川端道喜》の御菓子ですが、『利休粽』は巻き簾と木製で箱形をつくり、笹を敷いて涼しげな菓子入れとなっています。開けたとたん、清々しい香りに包まれるのがいいですね。
笹を捲ると、十字に笹で包まれた道明寺製の御菓子『利休粽』が5つ並んでいます。試しにひとつ笹をほどいてみましょう。
艶やかな道明寺餅に5つの小豆が配されています。ふっくらとしていておいしそうな小豆です。昨今のデコラティブな御菓子もそれはそれで楽しい…けれど、「引き算の美」に敵うものはないんじゃないかしらと《川端道喜》さんの御菓子を見るたびに感じてしまうのです。
うちのお子さんは道明寺餅製を「…ご飯」と敬遠しがちなのですが、『利休粽』は笹の香りにつられてパクり。ひとくち食べたとたん「お母さん、これおいしい💕」と目を輝かせていました。ほんと、シンプルな道明寺餅が何でこんなにおいしいんだろうとしみじみ感じます。
アップにしてみると道明寺のもちもち感がより伝わりますね。
コラム~初代道喜 室町時代の末期·応仁の乱など戦乱が続き天皇の食事もままにならない頃、道喜は塩餡のお餅を毎朝献上していました。天皇の朝の食事を御朝物、略して「お朝」といいますが、後柏原天皇が「御朝はまだか」とせっつかれたエピソードも残っています。 餅菓子の献上は後に「朝餉(がれい)の儀」として形式化し、明治天皇の東京遷都まで約350年ほども続きました。代々の道喜が献上の際に通った門は、今も京都御所建礼門の東百歩ほどの所に「道喜門」の名で現存しています。 |
賞味期限は当日中でしたが、翌朝も「御朝物」としていただきました。まだ、つやつやもちもちでおいしかったですよ。
今回ご紹介した和菓子店舗
《御粽司 川端道喜》
住 所 アクセス | 〒606-0847 京都府京都市左京区下鴨南野々神町2-12 地下鉄烏丸線 北山駅から424m ・地下鉄「北山駅」より徒歩2分 ・地下鉄「松ケ崎駅」より徒歩7分 ・JR京都駅・四条河原町から市バス(4号系統)「野々神町」停留所下車し、徒歩すぐ |
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電話番号 | 075-781-8117 |
営業時間 | 9:30~17:30 ※完全予約制 |
休業日 | 水曜日(※8月は全休) |
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