【賜氷節】に「丁葛」を嗜もう《桂花園》

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こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

その昔、毎年旧暦6月朔日に各地の氷室(※)から宮中に氷を献上し、また臣下にも氷を賜わる【賜氷節の儀】を催していました。冷凍技術がない時代、夏の「氷」は大変貴重なものです。その氷でつかの間の涼を楽しみ、暑い時期を乗り切る英気を養っていたのでしょう。※冬の天然氷を夏まで貯蔵するための室または洞穴。

加賀藩前田家の上屋敷にあった氷室の氷を将軍家に献上していた記録が「東都歳事記」に残されています。庶民の間ではこれに倣い、氷の代わりに寒ざらしの餅(氷餅)を食べていたそうですよ。

さて、現代では「氷」を食さずとも夏を乗りきるすべは幾らでもございます。ということで、今回ご紹介するのは掛川城へ登城した際に見つけた《桂花園》の「丁葛」。夏を向けて滋養強壮になりそうな品です。どうぞお楽しみに✨

滋養強壮にぴったり『丁葛 すっぽん葛湯』

『丁葛(ちょうくず) すっぽん葛湯』《丁葛製造本舗 桂花園》

▪︎販売価格:1本227円(税込)
▪︎賞味期限:製造日より約4ヶ月
▪︎原材料名:砂糖(国内製造)、葛粉澱粉、生姜、鼈(すっぽん)エキス粉末
▪︎特定原材料等:なし
▪︎栄養成分表示:1個あたり 75kcal

古より薬用・漢方や保存食として珍重されてきた「葛」。『丁葛 すっぽん葛湯』は葛に加え、消化促進や抗炎症作用のある生姜、美肌や疲労回復効果があるすっぽんエキスが入っています。パッケージの「鼈」のインパクトに惹かれ、思わず手に取ってしまいました。奈良の吉野葛は有名ですが、茶処の掛川が「葛」でも名産を謳っているとは…。今回初めて知りました。「葛利活用委員会」を設け、葛の魅力や利用法などを調査・研究しているそうですよ。

江戸時代、東海道・掛川宿の繁栄に伴い、仁藤町では葛の繊維から織られる葛布かっぷ産業が盛んとなり、葛の根は葛粉にして四角く固められ軒先に吊るされ干されていました。※葛布は、沖縄の芭蕉布ばしょうふ、東北の科布しなふと並び日本三大古布に数えられている。

《桂花園》の登録商標丁葛ちょうくずは、干された葛の形が豆腐に似ていることから「一丁、二丁…」と数えられたことに由来しています。

お店に入ってまず驚いたのは、あまりにたくさんの種類の葛粉があること。てっきり固められた葛が詰まっているのかと思ったら、さらさらとした粉状になっており誰でも手軽に葛湯を楽しめる仕上がりになっています。ひとつひとつがお求め易い値段になっているので、ついあれもこれもと選びたくなってしまうのが困りもの。

店内にいた小学生の男の子が「僕はね、ココアが好き💕冷やして食べるとおいしいよ」と話しており、地元の子は食べ慣れているんだなぁと感心していたら、なんとお店のお坊ちゃんでした。商売上手なお坊ちゃんにより、話しかけられていた男性はココアも追加でお買い上げ。

私は「すっぽん」「高麗人参」「冬虫夏草」「コラーゲン」「くず茶」の5種類の葛粉と『どら焼き』や浮島製の『よろづ代』を購入しました。お店ではオススメの葛湯「ゆず」をふるまっていただき、爽やかな甘さの葛湯にほっこり。旅の疲れも癒される味わいです。

『小夜乃梅』も大変気になったのですが、今回は見送り。カラフルで可愛らしいので、ちょっとした手土産には良さそうですね。

おいしい葛湯を作ってみよう✨

「簡単でおいしい葛湯の作り方」

  1. まず、大きめな器に沸騰したお湯を注ぎ温めます。
  2. 器が充分に温まったらお湯を捨て「丁葛」を入れます。
  3. 熱湯を一気に注ぎます(一袋につき100~150cc)。
  4. スプーンで手早く混ぜ合わせます。
  5. お好みの濃さにしてアツアツのままお召し上がりください。

一本まるまる入れるとこんな感じ⏬さらさらとした真っ白な葛粉です。

…思ったより粉の量が多いので、ほんとに綺麗な葛湯が出来るのかダマになったりしないのか心配になってきました。

熱湯を一気に注いでかき混ぜてみるとこの通り⏬透明感のある乳白色の葛湯が出来上がりました。

これは、簡単!不器用さんでも問題なしの仕上がりに感動です。

生姜のいい香りが立ち上りおいしそう💓半分はアツアツのままで、もう半分はせっかくなので冷やし葛湯を楽しみます。

冷やすと生姜の辛味成分がやや穏やかになったような?ひんやりつるりとした喉ごしが絶品ですね。フルーツを乗せてデザート風にしてもいいかもしれません。

今回ご紹介した和菓子店舗

製造本舗 桂花園》

住所〒436-0075
静岡県掛川市仁藤町10-1 [map]
□ JR東海道本線「掛川」駅北口から徒歩約10分
電話0537-22-2607
営業時間9:00~18:00
休業日水曜日

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