こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
今回ご紹介するのは、かりんとうまんじゅう『黒かりん』 で広く知られる創業1954年の《和菓子司 いづみや》さん。大砲の弾をイメージした真っ黒なまんじゅうは、横須賀土産として各賞を受賞したこともある代表銘菓です。
かりんとうまんじゅう、外皮カリカリで美味しいよねー。
と、催事出店を通り過ぎようとしたところ、美しい練り切り細工の和菓子が目に留まりました。
《和菓子司 いづみや》三代目当主・三堀 純一氏は【菓道 一菓流 】を開祖し、世界各国で「魅せる和菓子」パフォーマンスを繰り広げている菓道家。
「煉切造形の世界」を、そのお道具や所作も含め「お点前」として、「茶道」のように、おもてなしの精神を持ってお菓子を創作し振舞う、「菓道」を提唱。「菓道 一菓流 」を自身の流儀として開祖。
従来の商業ベースの実演販売とは異なった、千利休の茶道の精神・境地を表した語【和敬清寂】の精神に基づいた「菓道」を世界各国に普及されているそうです。一度、目の前で見てみたいものですね✨(実演販売による実直な職人さん達の鮮やかな手捌きも、それはそれで見ごたえあります。)
今回の和菓子は、三代目当主・三堀 純一氏によるものではないかもしれませんが、その志が反映された大変雅やかな作品です。
アートな季節の上生菓子『桔梗』『白花』『茜空』
『季節の上生菓子セット』《和菓子司 いづみや》
▪︎販売価格:1箱3個入り 2,160円(税込)
▪︎練り切り製小豆こし餡
▪︎賞味期限:製造日より2日間
▪︎特定原材料等:なし
▪︎栄養成分表示:1個あたり 163kcal
店頭に飾られた和菓子すべて「練り切り製」というのは、珍しい。6個ともいただきたかったのですが、全部練り切り…はちょっと躊躇いたします。「見る」と「食べる」は別物。今回は『桔梗』『白花』『茜空』の3個セットを選びました。白に朱色が入ると、何とも艶やかですね。
別の3個セットは『秋桜』『まさり草』『富士三十六景』と、こちらも風光明媚なセットとなっています。ほんとは個別購入が出来れば、『富士三十六景』もいただきたかったところ…。
『桔梗』
白ベースの練り切りに『桔梗』の花びらの型押しがされた一品です。御空色(みそらいろ)にほんのり暈しが入った花びらが、何とも雅やか。よく見ると花びらの周りも軽く型押しされています。白の凹みがあることで、より『桔梗』の美しさが際立つようになっていますね。
凛とした桔梗の姿は歌人のこころに響き、秋の七草としても詠まれています。※朝貌(あさがお)の花ー桔梗
中は小豆こし餡⏫包み暈しになっている御空色は、広く入っていることが見てとれますね。
『白花』
秋の「白い花」って言われたら、皆さんは何の花を思い浮かべますか?
残念ながら花にあまり詳しくないので「菊」ぐらいしか思い付かず。『白花』は、菊の花言葉「高貴」「高尚」に相応しい意匠のように感じます。どんな花を思い浮かべるかでそれぞれ見える景色が変わる、面白い菓銘だなと思わされます。
『茜空』
銀朱(ぎんしゅ)から山吹色へと変化していく様が艶やかな『茜空』。美しく引かれた繊細な線が、風の流れやトンボの躍動感を演出しています。
中の様子はこんな感じ⏬よく見ると、表面に出ている色と中の色が違う部分があります。包み暈しの妙ですね。トンボの型押しをしたときに、周りの色と違う色合いになるのは包み暈しが効いているからなのです。
茜空という言葉の響きは、木山裕策さんの名曲【home】を思い起こさせます。「~♪茜色に染まる道を~」の部分にリンクする情景がぴったりだと思いましたが、皆さんはいかがでしょうか。
このように、菓銘の響きが音楽や情景と結びつくことがあります。「和菓子は五感の芸術」と表現される所以ですね。。
今回ご紹介した和菓子店舗
《和菓子司 いづみや衣笠本店》
住 所 | 神奈川県横須賀市衣笠栄町1-70 地図 □電車でのアクセス JR横須賀線・衣笠駅より徒歩3分駅改札口を出たら右手方向衣笠仲通り商店街(アーケード内 中央付近) |
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電 話 | 046-853-9620 |
営業時間 | 10:00~17:00 ※当面の間短縮営業中 |
定休日 | なし |
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