こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
店舗を持たないフリーランスの和菓子職人《和の菓さんのう》さんの季節の上生菓子セット、今年は毎月購入することが出来ました💕季節が巡るたびに、昨年食べたあれ、おいしかったけどまたあるかな?と足を運ぶのも楽しみのひとつです。
…ということで今回は12ヶ月分の《和の菓さんのう》をお見せしたいと思います。どうぞー✨
1月ベスト『昇龍』村雨製&柚子羊羹製
左上から時計回りに
▪︎『万両』大納言鹿の子製 求肥
▪︎『梅一輪』練りきり製 小豆つぶ餡
▪︎『春告鳥』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『雪間草』黒糖きんとん製 道明寺芯
▪︎『雪うさぎ』羽二重餅製 小豆つぶ餡
▪︎『昇龍』村雨製&羊羹製
1箱6個入り 2,900円
ウグイスの別名『春告鳥』を型どった練りきりや「春告草」と呼ばれることもある梅、縁起の良い『万両』など新年に相応しいラインナップとなった1月。中でも2024年の干支「甲辰(きのえたつ)」を意匠とした『昇龍』の見事さはひときわ目を引きました。
表裏で模様が違うのも趣深いもの。柚子の爽やかな味わいも良かったですね。
2月ベスト『こころ』練りきり製 苺チョコ餡
左上から時計回りに
▪︎『恋文』ういろう製 チョコレート餡
▪︎『こころ』練りきり製 苺チョコ餡
▪︎『花束を君に』練りきり製 小豆つぶ餡
▪︎『薔薇』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『恋する気持ち』吉野羹&チョコレート羹
▪︎『赤い糸』 ココア練りきり製 ミックスナッツ餡
1箱6個入り 3,200円
Valentine’s Dayをテーマに甘い気分を盛り上げるラインナップとなった2月。カ、カッコイイ!と毎回心奪われるシックな黒のココア練りきり製『赤い糸』も、キュートで繊細な『花束を君に』も、2月のはどれもこれも食べるのがもったいないくらい魅力的でしたね。
真っ赤なハートの菓銘を『こころ』…なんとも情熱的です。奇を衒うことないストレートな意匠とおもいきや、中は苺チョコ餡を白餡で包餡したものとこだわりが感じられるのが面白いところ。複雑な恋心が垣間見えるようです。
3月ベスト『胡蝶の舞』きんとん製 道明寺芯
左上から時計回りに
▪︎『野辺の春』蓬羽二重餅製 小豆つぶ餡
▪︎『夢見草』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『胡蝶の舞』きんとん製 道明寺芯
▪︎『花衣』ういろう製 さくら餡
▪︎『花筏』桜葉羊羹製 吉野羹
▪︎『筍』きな粉練りきり製 筍甘露煮入り 小豆こし餡
1箱6個入り 2,950円(税込)
一気に春めく菓銘、意匠となった3月。『花衣』の見事さに感嘆したり、和菓子に筍の甘露煮が入っているなんて!と驚きを感じたり…。特に桜葉の塩漬けが好きなので、『花筏』は毎年楽しみにしているもののひとつです。桜や蓬といった春の萌木を連想させる素材が使われているのも3月の特徴と云えるでしょう。
その中で印象的だったとされたのは『胡蝶の舞』。…華やかな意匠ですが、何故?と思われる方もいらっしゃるでしょう。そこで記事を読み直してみると…
桐朋高等学校(東京都国立市)第78期卒業生の土田淳真さんの答辞に感銘を受け、菓銘の響きに共鳴していることが分かります。ちょうど、二十四節気【啓蟄】の末候「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」の頃だったのも心に刻まれた要因でしょう。
4月ベスト『淡墨桜』桜葉羊羹製&錦玉羹
左上から時計回りに
▪︎『うららか』練りきり製 黒糖餡
▪︎『さくら』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『胡蝶』ういろう製 白餡
▪︎『淡墨桜』桜葉羊羹製&錦玉羹
▪︎『菜の花』きんとん製 道明寺芯
▪︎『花筏』羽二重餅製 小豆つぶ餡
1箱6個入り 2,900円(税込)
緑や黄色が鮮やかになり春爛漫な意匠が揃った4月。同じ菓銘『花筏』も月替わりでそれぞれの良さが感じられますね。華やかさに彩られたラインナップのなかで異彩を放っているのが『淡墨桜』。散りぎわに淡い墨色に花びらが変化する桜(蕾:薄ピンク、満開:白色)を表した一品です。
日本三大桜の一つで国指定天然記念物となっている岐阜県本巣市の根尾谷淡墨桜は、一度は見てみたいなぁと思っています。
5月ベスト『富貴草』練りきり製 小豆こし餡
左上から時計回りに
▪︎『新緑』練りきり製 小豆つぶ餡
▪︎『杜若』羽二重餅製 小豆つぶ餡
▪︎『さくらんぼ』練りきり製 フランボワーズ餡
▪︎『緑さす』錦玉羊羹製
▪︎『富貴草』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『早苗』黒糖きんとん製 道明寺芯
1箱6個入り 2,850円(税込)
風薫る5月、瑞々しい青葉に清々しさが感じられる季節が到来しました。風景や花を意匠としたラインナップに、どの角度から眺めてみても本物と見紛うばかりの『さくらんぼ🍒』。毎年、子どもと1粒ずついただくのを楽しみにしている一品です。花の時期や名前に疎いのですが、和菓子を食べているうちに少しずつ分かるようになってきました。
『富貴草』は牡丹の異名。《和の菓さんのう》さんの『富貴草』は花弁の重なり方が印象的です。いったいどうやって作られているのか…疑問をお伝えしたところ、丁寧にお答えくださいました。
6月ベスト『手毬花』練りきり製 小豆こし餡
左上から時計回りに
▪︎『若楓』大納言鹿の子製 求肥入り
▪︎『紫陽花』マスカット錦玉製 白餡
▪︎『雨上がり』羽二重餅製 小豆つぶ餡
▪︎『七変化』きんとん製 道明寺芯
▪︎『枇杷』ういろう製 白餡
▪︎『手毬花』練りきり製 小豆こし餡
1箱6個入り 2,950円(税込)
6月の代表花「紫陽花」は歌人も然ることながら和菓子職人さんたちの心をも動かしてきました。その証に「八仙花(はっせんか)」「刺繍花」「手鞠花」「四葩(よひら)の花」「七変化」…etc.と、その姿や特徴からさまざまな呼び名がつけられた和菓子が店頭に並びます。《和の菓さんのう》さんのラインナップも3つの菓銘で「紫陽花」を表現されました。
その中でも『手鞠花』は真っ白な練りきりに浮かび上がる色とりどりの花色が美しい…そして何より目を引いたのは二粒の水滴。不思議な色の見え方に心奪われましたね。
7月ベスト『涼』栗みぞれ羹製 大納言鹿の子
左上から時計回りに
▪︎『清流』練りきり製 小豆つぶ餡
▪︎『宵花火』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『緑陰』本葛製 小豆こし餡
▪︎『朝顔』ういろう製 白餡
▪︎『銀河』ライチマスカット錦玉羹&小豆羊羹製
▪︎『露草』きんとん製 道明寺芯
1箱6個入り 3,200円(税込)
今年の7月のニュースは何といっても新紙幣に切り替わったこと。未だに慣れなくて同じ券種でも新旧混じるとあれっ⁉と混乱することもあります。
さて、7月のベストは季節の上生菓子セットの中からではなく別売りされていたものから選びました。
夏は涼しそうな錦玉羹が出回ります。《和の菓さんのう》さんの『涼』は美しいみぞれ羹の粒が印象的なもの。明治38年7月、渋沢栄一席主のもと催された茶会でも「みぞれ羹」が主菓子として供されたそうですよ。
8月ベスト『桔梗』カルピス羹製 レモンピール
左上から時計回りに
▪︎『西瓜』西瓜錦玉製&羊羹製
▪︎『金魚鉢』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『向日葵』きんとん製 道明寺芯
▪︎『木槿』本葛製 白餡&小豆こし餡
▪︎『うたかた』ほうじ茶みぞれ羹&大納言鹿の子製
▪︎『桔梗』カルピス羹製 レモンピール
1箱6個入り 2,900円(税込)
盛夏はやはり口当たりのよい葛や錦玉羹を使った和菓子が主流となりますね。『スイカ』の“ほんの少し塩をかけてお召し上がりください”は、なかなか意表を突く試みだったなぁと記憶しております。
子どもは錦玉羹があまり好みではないのですが、こちらの『桔梗』はカルピス羹。爽やかで懐かしい味わいに子どもも大喜びでした。花芯にあしらったレモンピールがいい塩梅でアクセントになっています。『桔梗』が出回り始めると少しずつ秋めく気配を感じるものです。
9月ベスト『名月』栗入り黒糖羊羹
左上から時計回りに
▪︎『紫式部』練りきり製 小豆つぶ餡
▪︎『秋桜』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『焼き栗』栗きんとん製
▪︎『桔梗』ういろう製 小豆つぶ餡
▪︎『小さな秋』胡麻入り羽二重餅製 小豆つぶ餡
▪︎『名月』栗入り黒糖羊羹
1箱6個入り 2,850円(税込)
9月になると「栗きんとん」が店頭に並び始めます。栗好きにとっては嬉しい季節の到来です。
どの角度から見ても美しい『名月』。惚れ惚れとする【中秋の名月】を表すかのような一品に心奪われたものです。半分に割ったら羊羹に隠された栗の甘露煮がお目見えするのも善きところ。
10月ベスト『山路』浮島製&栗蒸し羊羹製
左上から時計回りに
▪︎『山路』浮島製&栗蒸し羊羹製
▪︎『菊花』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『栗雫』栗きんとん羊羹製 栗甘露煮
▪︎『染めはじめ』きんとん製 道明寺芯
▪︎『蔦紅葉』羽二重餅製 小豆つぶ餡
▪︎『有りの実』ういろう製 梨コンポート&白餡
1箱6個入り 2,900円(税込)
青々とした葉も秋が深まるにつれ明度が下がり、山歩きもしやすくなってきた10月。自然の恵みを感じつつ、ゆったりと過ごしたくなりますね。実際は繁忙期なので忙しない毎日ですが、和菓子をいただく時間だけは穏やかに在りたいものです。
『山路』はこの時期お馴染みの菓銘ですが、毎年少しずつ意匠が違っているのが面白いところ。浮島製の御菓子は何だかほっとする味わいで好きなんです。さらに、今年の梅幸茶(色)の浮島は趣があって良かったですねー✨
11月ベスト『錦秋』黒糖羊羹製 錦玉羹
左上から時計回りに
▪︎『梢の秋』黒糖きんとん製 道明寺芯
▪︎『山茶花』練りきり製 ほうじ茶餡
▪︎『熟柿』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『林檎』ういろう製 りんご餡
▪︎『錦秋』黒糖羊羹製 錦玉羹
▪︎『銀杏』羽二重餅製 小豆つぶ餡
1箱6個入り 2,900円(税込)
毎年楽しみにしている【やっとかめ文化祭】の和菓子巡りでたくさんの和菓子と出会った11月。[日本100名城の旅]で遠方にも出掛けたので現地の和菓子を嗜み、いつも以上に和菓子を堪能しました。
色艷やかな晩秋の景色を和菓子にうつしとった『錦秋』。紅葉が折り重なる意匠の和菓子は他でもお見かけしますが、《和の菓さんのう》さんのは配置の妙なのか風情と愛らしさのバランスがいいなぁと思うのです。
12月ベスト『トナカイ』ほうじ茶羽二重餅製 小豆つぶ餡
左上から時計回りに
▪︎『ベル』ういろう製 白餡
▪︎『雪だるま』練りきり製 フランボワーズ餡
▪︎『リース』大納言鹿の子製&羊羹
▪︎『ブーツ』練りきり製 小豆こし餡
▪︎『ツリー』きんとん製 道明寺芯
▪︎『トナカイ』ほうじ茶羽二重餅製 小豆つぶ餡
1箱6個入り 3,200円(税込)
クリスマスにも和菓子を堪能するわが家。昨今、クリスマス仕様の可愛らしい和菓子を販売される和菓子屋が増えましたね。《和の菓さんのう》さんでは毎年、和の意匠とクリスマスの意匠を交互に販売されているそうで、今年はクリスマス仕様となっています。
求肥を包み込んだ大納言小豆をくるりと羊羹で巻いた『リース』の意匠は《和の菓さんのう》ではお馴染みで、お正月の松になったり桜になったり上に乗るものが変わるだけでガラリと雰囲気が変わる面白さがあります。ほんの少し変わるだけで四季の移り変わりを表現できる、和菓子の魅力に満ちた一品です。
原材料名 | 砂糖(国内製造)、餅粉、小豆、卵白、ほうじ茶、白餡、寒天/食用色素(赤102号) |
クリスマスを彩る上生菓子のなかでほっこりとするのが羽二重餅製の『トナカイ』。白茶色に羊羹の赤で目を、光悦茶で角をあしらった一品です。羽二重餅にはほうじ茶が練り込まれているので独特な香ばしさが口の中に広がります。抹茶にほうじ茶…と思われるかもしれませんが、日本茶好きには堪らない味わいなのです。
今回ご紹介した和菓子店舗
フリーランス和菓子職人《和の菓さんのう》
製造者 | フリーランス和菓子職人 三納寛之 |
住 所 | 岐阜県瑞穂市野白新田337-1-102 |
電話番号 | 090-3834-3444 |
定期販売 日·場所 | ◇ 名古屋三越星ヶ丘テラス The Kitchen2階 毎月第2火曜日・第3日曜日 ◇ 岐阜県本巣市atelierフェリス 毎月第4水曜日 ※インスタグラムで予約可 |
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