こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
ゴールデンウィークを利用して水の都として知られる出雲国松江へ訪れました。松江といえば京都・金沢と並び日本三大和菓子処として知られています。今回来訪したのは、松江で不昧公好みの銘菓『若草』を作られている《彩雲堂》さん。
茶道や禅に傾倒した松江藩七代藩主・松平治郷は不昧公という号を賜り、自ら不昧流という茶道を完成させました。松江の茶の湯を発展させ「不昧公好み」として愛された和菓子文化は、現代にも受け継がれています。 |
伝統的な和菓子以外にも可愛らしい『まちねこ』や美しい琥珀糖『氷彩(ひいろ)』…etc. 一度は手にとってみたいと思わす品々ばかり。
今回も色んな和菓子を購入したのですが、何より目を引いたのは“現代の名工·大江 克之氏による創作和菓子”です。
現代の名工(げんだいのめいこう)とは 卓越した技能者表彰制度に基づき、厚生労働大臣によって表彰された卓越した技能者(卓越技能者)の通称。 |
現代の名工·大江 克之氏による創作和菓子
『青梅』『岩根つつじ』『鯉のぼり』など、季節を彩る上生菓子の上段に手の込んだ和菓子の数々が並んでいます。菓銘も書いておらず、あるのは“レモン風味朝汐あん(※)”“朝汐あん餅入り”などの製法のみ。 ※松江では皮むき小豆餡のことを「朝汐あん」という。お値段も通常の378円に比べ、倍近い648円となっています。
はて、これはいったい何でしょう?
よく見てみると「現代の名工」の表記が…どうやら美しい和菓子の数々は、入り口スペースで和菓子の製作を行っていらっしゃる大江 克之氏の手によるものだったのです。
どれもこれも食べてみたくなりましたが旅の途中ということもあり“餅入り 煎茶あん”と表記されているものを選びました。
現代の名工·大江 克之氏による創作和菓子《彩雲堂》
▪︎販売価格:1個648円(税込)
▪︎販売日:2024年5月3日(金)
▪︎煎茶きんとん製 小豆こし餡·餅入り
気になったので店員さんに菓銘を伺うと、“シェフの気まぐれ和菓子”のようなものなので、菓銘は付けられてないとのこと。強いて言えば【八十八夜】をモチーフとしたお品なんだとか。初物(はつもの)のお茶を飲むと1年間無病息災で過ごせるとの言い伝えもあるので、縁起物の御菓子とも云えそうですね。
【八十八夜】とは 立春から数えて、88日目にあたる日のこと。唱歌·茶摘みで「夏も近づく八十八夜、野にも山にも若葉が茂る…」で歌われるように新茶が出回る時季。 |
柳色に染まった煎茶あんと白餡が織り交じったきんとんに、ふっくらとした小豆を二粒あしらわれています。葉の色を藤色としたことに雅趣が感じられますね。さて、菓銘と付けるとしたら…ここはシンプルに「皐月」といたしましょうか。
中は餅入りの朝汐あん。いやぁ、旅先でなければ2個3個と買いたいくらい煎茶きんとんが絶品でした。きんとん製には難色を示す子どもも「おいしーっっ💕」と目を輝かせていましたよ。
今回ご紹介した和菓子店舗
《彩雲堂》本店
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