「塩田」という言葉を初めて知った和菓子『塩どら焼』《落雁 諸江屋》

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こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

今回ご紹介するのは、嘉永2年(1849)創業の《落雁 諸江屋》さん。山紫水明な加賀百万石の地で、屋号にもあるとおり落雁を中心においしい和菓子を作り続けている老舗和菓子屋さんです。この度、JR名古屋高島屋の和菓子特設売り場にて出店されていることを知り、さっそく行ってきました(4月13日~5月14日の期間限定)。

思わず手で摘まみたくなるような愛らしい『花うさぎ』や四季折々の寂·侘びを三段小箱に詰め込んだ『わび』。さすが金沢屈指の落雁の作り手、どれもこれも手に取ってみたくなります。

ちなみに皆さんは「落雁」の由来をご存じですか。諸説ありますが、一般的には中国伝来の菓子「軟落甘(なんらくかん)」が「落甘」に転じた説と、中国の名所「瀟湘八景(しょうしょうはっけい)」のうちの一つ「平沙落雁(へいさらくがん)」や近江八景の堅田落雁の見立てであるとする説があります。

「落雁」は鉄板で買うとして、ほかの美味しそうなものも買って帰りたい。目に留まったのは『塩どら焼』です。塩入りのどら焼なんて珍しい✨と手に取ってみれば、裏にずらりと名が並んでいます。「塩蔵」とは何ぞ?店員さんに質問してみると、地理的及び政治的要素より加賀では製塩業が盛んだったとのこと。

□能登は三方を海に囲まれ製塩に適した地であった。
□加賀藩が製塩奨励策をとり塩を藩の専売としたため、大いに盛行した。
□製塩業者には塩手米を前貸しして従事させ、代わりに産塩を納入させた。

明治の廃藩置県により塩手米が廃止されたこともあり、現在では塩蔵は残っていません。途方もない労力をかけて作られる「塩」にご興味がある方は「揚げ浜式製塩の塩づくり」のページをぜひご覧くださいね。

今回の地震で、珠洲の揚浜式製塩作業場が津波被害により当面復旧が出来ないそうです。能登自然塩を使った『塩どら焼』を食べて、少しでも復興の手助けになればと存じます。

『塩どら焼(能登産天然塩使用)』

『塩どら焼(能登産天然塩使用)』《落雁 諸江屋》
▪︎販売価格:1袋2個入り 216円(税込)
▪︎賞味期限:製造日より20日間
▪︎特定原材料等:小麦粉、卵、乳、やまいも
▪︎栄養成分表示:1袋2個あたり 178.8kcal

よく見ると『塩どら焼』のパッケージには海水を塩田に撒いているさまを表すイラスト入り。店員さんに教わらなかったら塩田のことも知らぬまま見過ごすところでした。珠洲の天然塩はミネラル豊富!そもそも甘いものとしょっぱいものって相性がいいんですよね。和菓子を食べたあと、塩昆布などを食べる私にとって『塩どら焼』はうってつけの一品!

原材料名砂糖(国内製造)、小麦粉、卵、小豆、牛乳、麦芽糖、和三盆糖、餅粉(国産)、塩、蜂蜜、水飴、山芋、寒天/トレハロース、加工澱粉、膨張剤、増粘多糖類

中には半月型のどら焼が2つ入っていました。これも嬉しくポイント。ちょっと小腹空いたなぁと思うときに半分だけ食べられるのはいいですよね。私も子どもといつも半分こして食べるので半月型は便利でした。

中は甘さ控えめな小豆つぶ餡。薄めの焼皮生地にたっぷり入っています。この焼皮生地、米粉が使われているためモチモチした食感が楽しめるんです。更にほどよい塩味…何だかいくらでも食べれちゃいそうな味わいでした。

今回ご紹介した和菓子店舗

《落雁 諸江屋》本店

住 所 〒921-8038
石川県金沢市野町 1ー3 ー59

□北陸鉄道石川線「野町」駅より300m 徒歩5分
電話076 – 245 – 2854
営業時間9:00~18:00(1月~3月20日は冬季営業で9:00~17:00)
休業日木曜日

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