【利休忌】におすすめの和菓子『利休巻』《川口屋》

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こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

侘び茶を大成させた千利休が亡くなったのは旧暦2月28日(1591年)。それに因んで茶人たちは毎年命日に、利休の遺徳を偲ぶ法要と茶会【利休忌りきゅうき】を行います。

「利休百首」
「利休の一生」
17才で茶の湯を学びはじめ、23才で初めての茶会を開いた利休は、堺の商家の生まれ。商人の子どもでしたが、堺が海外とも交流のある都市であり、文化の発信地でもあったことから、教養や品位を身に付けるため茶の湯を学んだそうです。
千利休の本名は田中与四郎といい、茶人として大成する晩年まで、宋易(そうえき)と名乗っていました。秀吉が関白になった記念で禁中(宮中)にて茶会を開く際、町人の身分では参内出来ないため、正親町おおぎまち天皇より居士号(※)として与えられたのが「利休」の名です。この禁中茶会をきっかけに、利休の名は世間に広く知れわたることとなりました。
※居士号(こじごう)とは、出家をせず家に居て修行をする仏教者のこと。男子の在家仏教徒のこと。

【利休忌】は別名「菜の花忌」とも呼ばれます。これは、菜の花が千利休の愛した花であったこと、また太閤秀吉に自害を命じられて死に臨む時、最後に目にした花であったことに由来しています。利休が最後に開いた茶事の花入れには、菜の花が生けられていたと云われています。そのため、千家の茶会では【利休忌】までは菜の花を飾らないのが慣わしです。

【利休忌】の頃は季節の花として「菜の花」を模した和菓子が店頭に並びます。晴れやかな菜の花もいいですが、今回はちょっと趣向を変えた和菓子をご紹介したいと思います。

『利休巻』松風 こし餡

『利休巻』《川口屋》

▪︎販売価格:1個340円(税込)
▪︎販売期間:3月22日~3月30日
▪︎賞味期限:製造日より2日間
▪︎特定原材料等:小麦粉

【利休忌】に合わせて作られる『利休巻』は、少し醤油が入った蒸し皮生地にこし餡をのせてくるりと巻いた一品。蒸し皮生地の絶妙なフワッと感、ほんのり感じる醤油の香ばしさや塩気に、あっさりとしたこし餡がいい塩梅です。

ロールケーキのような形で作られる「利休」の名を冠した和菓子は、ほかの地方ではお目にかからないそうですよ(たしかに、利休と和菓子といえば『利休饅頭』が有名ですね)。尾張徳川のお膝元、独自の和菓子文化が発展した名古屋ならではの銘菓と云えるのではないでしょうか。

《川口屋》さんにお話を伺うと、発想力豊かな先代が考案された意匠だとか。餡でののじを描くことで「輪廻」を表現されたそうです。シンプルながら興趣が感じられる意匠に、きっと千利休が見たら顔がほころんだのではと想像を膨らませてしまいますね。

⏫《川口屋》さんの『利休巻』が掲載されています。

今回ご紹介した和菓子店舗

《川口屋》

住 所 〒460-0003
愛知県名古屋市中区錦3-13-12

・名古屋市営地下鉄「栄」駅から徒歩約4分
電話052-971-3389
※御菓子の予約は1個からお電話にて承っております。
営業時間9:30~17:30 
休業日日曜日・祝日・第3月曜日

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