こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
2月14日、古川美術館 爲三郎記念館で行われた「火曜茶席」に行ってきました。
気軽に一服「火曜茶席」
- お席①10:10②10:50③11:30④13:10⑤13:50
- 場所爲三郎記念館「桜の間」立礼席
- 定員各席6名
- 参加費1000円
※別途入館料必要 申し込み当日、爲三郎記念館フロントにて
◎お問い合わせ古川美術館 052-763-1991
一席6名の小ぢんまりした茶席で、会記も用意がないくらいの気楽なスタイルでしたね。ご一緒の席で鯉文様が素敵な帯を締めてらした方がいらっしゃり、亭主の方も含め皆さん感嘆するばかり。鯉は古来の中国では「龍門」という急流を登り、やがて龍になる生き物とされ「出世魚」「富と幸福のシンボル」と云われていました。吉祥文様ですが、時はバレンタインday。鯉に「恋」を掛けて御召しになったのではないでしょうか。そう考えると、ちょっと判じ物みたいで楽しいですね。
古川美術館では「メイゲイの工芸」が開催中でしたので、館内や庭園のあちこちに名古屋芸術大学の生徒さんの作品が展示されていました。※撮影可
茶席に置かれていたのはびっしりと描かれた数字が印象的な壺「積数」。所々赤い数字は、初代館長 故古川爲三郎にまつわる数字を表しているそうです。何でも作者はフランス料理のシェフを志していて、将来は自分が作陶した器で料理をふるまうのが夢だとか。ユニークな佇まいの壺がある空間でいただく一服は趣がございましたねー。
- 【古川美術館、分館爲三郎記念館2館入館券】 一般1,000円~ 高大学生500円~ 中学生以下無料
- 【爲三郎記念館のみ入館券(呈茶付)】 すべて/1,000円
茶席のテーマは「雪月花」
「雪月花」とは、四季の自然美の代表的なものとしての冬の雪・秋の月・春の花を指し、四季折々の風雅な眺めのことをいいます。
「雪月花時最憶君」(雪月花の時 最も君を憶ふ)
唐時代の漢詩人・白居易は「雪月花」を題材とした詩歌を数多く残されており、世界各国の人々に愛されています。
今回の茶席の【桜の間】は赤が印象的な部屋ですが、桜吹雪舞う天井絵の片隅には「月」が描かれています。
抹茶茶碗をご紹介
抹茶茶碗は6客とも作風が異なるものでしたが、時節柄「梅」と「椿」がテーマのもの。6客分ともなると、勉強不足で亭主の方の説明が耳をすり抜ける、すり抜ける。残念至極。後でお尋ねしたら優しく
それでよろしいのですよ。その時、その時を味わっていただければ…
と、仰ってくださいました。故古川爲三郎氏は抹茶茶碗を500客ほど所蔵されていたそうで、今回初めてお目見えしたものもありました。今回振る舞われた茶碗の数々をどうぞご覧くださいませ…解説は出来ませぬが。
⏫正客の茶碗。「梅」が描かれた美しい装飾の一品。私の記憶が正しければ「蒔絵平文
」。
次客の茶碗。珍しい「垂れ椿」が描かれた一品。旅用に作られたため小ぶりなサイズ。手にすっぽり収まるように括れがあるのが粋ですね。今回の茶席で初めてお目見えしたもの。
黒織部の茶碗。年月を経て味わい深い薄墨色に。素朴な絵付け、ぼってりしたデザインに皆さんの注目の的でした。
⏫せっかくなので別のアングルでもパシャリ。天井の赤が移り、抹茶の緑が映え、これまた興趣が尽きない。
艶やかに椿を描いた一品。テーブルの黒にも美しく反映していました。
「捻り梅」が描かれた一品。シンプルで力強い作風。
西尾の鶴城窯 内藤義山作。冬枯れのなか、ぽつぽつと咲き始める梅の花。春を待ちわびていた心に灯をともすような柔らかな作風。写真では分かりにくいですが、梅の花は仄かな紅梅色に彩られています。今回の茶碗のなかで一番好きなものでした。
茶席菓子『雪中花』
上生菓子『雪中花』《梅屋光孝》
- 道明寺製小豆つぶ餡
- 賞味期限:2日間
- 特定原材料等:なし
池下駅近くに店を構える名店《梅屋光孝》さんの和菓子は、爲三郎記念館内にある「数寄屋カフェ」でも提供されています。
茶席菓子の『雪中花』は、氷餅を纏った道明寺餅に小さな水仙の花があしらわれています。『雪中花』は水仙の別名。雪の中でも凜と花咲く、春の訪れを知らせてくれる花ですね。中は小豆つぶ餡。甘すぎず、さらりと食べられちゃいます。
一緒に出された干菓子はハート型。バレンタインday仕様ですね。口に入れるとほろりと溶け、卵ボーロのような懐かしいコクのある甘みが広がります。コクがスーっと消えゆく瞬間に、濃厚な甘みが一瞬だけ立ち上る。そんな不思議な味わいがする一品でした。
《梅屋光孝》
- 住所:名古屋市千種区桐林2-12
- アクセス:地下鉄東山線「池下」駅2番出口徒歩2分
- 電話番号:052-764-0881
- 定休日:毎週水曜日
- 営業時間:9:00~18:00(日祝日 17:00)
古川美術館 爲三郎記念館 利用情報
- 住所:名古屋市千種区池下町2-50
- アクセス
- 地下鉄東山線「覚王山」駅 1番出口より西へ徒歩5分
地下鉄東山線「池下」駅 1番出口より東へ徒歩3分
- 地下鉄東山線「覚王山」駅 1番出口より西へ徒歩5分
- 電話番号:052-763-1991
- 開館時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
- 休館日:月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日)
展示替え期間、年末年始
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