こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
3月3日は雛祭り、五節句のひとつ【上巳の節句】ですね。古来、奇数は縁起の良い陽数、偶数は縁起の悪い陰数と考え、その奇数が連なる日をお祝いしたのが五節句の始まりです。縁起がよい反面悪いことにも転じやすいという考えから、お祝いとともに厄祓いもする習わしがあります。
1月7日 | 人日(じんじつ)の節句 【七草の節句】 |
3月3日 | 上巳(じょうみ)の節句 【桃の節句】 |
5月5日 | 端午の節句 【菖蒲の節句】 |
7月7日 | 七夕の節句 【笹竹の節句】 |
9月9日 | 重陽(ちょうよう)の節句 【菊の節句】 |
【上巳の節句】の和菓子として有名なのは『引千切(ひちぎり)』ですね。元々、京都の雛祭りで食べる風習の和菓子ですが、こちらでも昨今お見かけするようになって嬉しいものです。

「引千切(ひちぎり)」の由来 元々、宮中で人手が足りない時に餅を丸める手間を惜しんで引きちぎったのが始まり。なので、餅の一ヶ所ピヨーンと伸びた格好になっているのが特徴の和菓子です。 |
今回は羽二重餅で広く知られる《松屋長春》さんの『ひちぎり』をご用意いたしました。どうぞお楽しみください。
『ひちぎり』蓬こなし製 丹波大納言小豆つぶ餡

『ひちぎり』《京菓子司 松屋長春》
▪︎販売価格:1個330円(税込)
▪︎賞味期限:製造日より2日間
▪︎特定原材料等:小麦粉
やや小さめなサイズの蓬入りこなしに海棠色(かいどういろ)と菜の花色に染め分けたきんとんをあしらい『ひちぎり』の意匠としました。こなしが小さめなのにきんとんは太めなので色鮮やかさがより強調されています。今まで食べた『ひちぎり』はきんとんが赤系統のものが多かったのですが、菜の花色を使うことでこなしの蓬色との調和がみられますね。

ところで、このこなしの蓬色、着色料なしで餡に蓬を練り込むことで出しています。これだけ鮮やかな色を満遍なく出すにはどれほどの蓬が使われているのか推して知るべしでしょう。蓬の風味がたっぷりと味わえる仕上がりになっています。蓬のほろ苦さ、爽快感にこっくりとした甘さの丹波大納言小豆がよく合う一品です。
ひな祭りバージョン『羽二重餅』

『羽二重餅(ひな祭り)』《京菓子司 松屋長春》
▪︎販売価格:1箱4個入り 1,287円(税込)
▪︎賞味期限:製造日より2日間
▪︎特定原材料等:卵
▪︎栄養成分表示:100gあたり 254kcal
代表銘菓『羽二重餅』もひな祭りバージョンとして雪洞とお雛様の焼き印が押されたものが販売されていました。店舗ですと予約で埋まってしまうので、今回は星ヶ丘三越の定期販売にて購入いたしました。
滋賀県の「羽二重」という上質の餅米100%を細かく製粉して作られる餅皮は、そっと摘まむと簡単に指が沈み込むほど柔らかく繊細な仕上がりの一品。沈み込んだ餅皮は赤ちゃんの頬っぺたのような弾力で、ふわんと押し戻される感触も堪りません。あんこは全国でも一番希少だと云われる「丹波春日大納言」がたっぷり。粒がふっくらと大きくて、つぶ餡好きには嬉しいかぎりです。丹波春日大納言小豆の風味がしっかりと堪能できるよう甘さ控えめな仕上がりになっています。

原材料名 | 砂糖(国内製造)、丹波大納言小豆、餅粉、卵白(卵を含む) |
柔らかな弾力の餅皮は口に入れるとスルスルと餡のなかに溶けていき、風味豊かな餡と絶妙なハーモニーを生んでいます。大きいので本来は1個で満足…なのに、羽衣のような軽やかさ故に何だかもう1個食べられるんじゃなかろうかと思ってしまう逸品です。
今回ご紹介した和菓子店舗

《京菓子司 松屋長春》
住 所 | 〒492-8212 愛知県稲沢市小沢3-13-21 名鉄国府宮駅ロータリー前から約850m 車で西へ約3分 □ 名鉄本線「国府宮」駅西口より徒歩で約13分 |
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電話番号 メール | 0587-32-0253 wagashi@matsuya-choushun.jp |
営業時間 | 8:00~18:00 |
休業日 | 月曜日(※祝日の場合は翌日に振替) 火曜日は不定休となっております。 |
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