【重陽の節句】おすすめ和菓子『着せ綿』《末富》

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こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。

本日9月9日は、五節句のひとつ【重陽の節句】にあたります。

古来、奇数は縁起の良い陽数、偶数は縁起の悪い陰数と考え、その奇数が連なる日をお祝いしたのが五節句の始まりです。

縁起がよい反面悪いことにも転じやすいという考えから、お祝いとともに厄祓いもする習わしがあります。【上巳の節句(雛祭り)】や【端午の節句】を思い起こすと、イメージしやすいかもしれませんね。中でも一番大きな陽数「9」が重なる9月9日を、陽が重なると書いて【重陽の節句】と定め、不老長寿や繁栄を願う行事をしてきました。

今回は明治26年(1893)創業《京菓子司 末富》さんの【重陽の節句】にまつわる和菓子をご用意いたしました。余談ですが、美しい包装紙「末富ブルー」に魅せられているひとりです。

『着せ綿』こなし製

『着せ綿』《京菓子司 末富》

▪︎販売価格:1個594円(税込)
▪︎販売期間:9月7日(木)~9月9日(土)
▪︎賞味期限:当日中
▪︎特定原材料等:小麦粉、やまいも
▪︎栄養成分表示:100gあたり 251kcal

古来【重陽の節句】では前日に菊花の上に真綿を被せ、翌朝、菊花の香や夜露・朝露を含んだ綿で身を清め不老長寿の祈願をしていました。その菊に見立てた和菓子が『着せ綿』です。「菊」そのものだと黄色や白の花弁を意匠とした和菓子が多いのにも関わらず、『着せ綿』の場合、紅色を基調としたものが主流なのは不思議なところ。

各和菓子屋さんの『着せ綿』
⏫左から順に《両口屋是清》《和の菓さんのう》《花桔梗》

白×白、白×黄色に比べ色のコントラストがつき、色鮮やかに見えるからでしょうか。それとも「赤」が古来より魔除けの色とされることに肖ってなのでしょうか。興趣が尽きないものです。

原材料名砂糖(国内製造)、小豆、手芒、白小豆、山芋、米粉(国際)、小麦粉、水飴/着色料

《末富》さんの『着せ綿』は萩色(紫みの明るい紅色)のこなしで菊花に見立て、繊細なきんとんで真綿を表現しました。真っ白な薯蕷きんとんはたっぷりと乗せられています。真綿のやわらかさや光沢感、軽やかさが伝わってくるようですね。むっちりとしたこなしとさらりとした薯蕷きんとんの食感の違いも楽しいものです。

真っ白な薯蕷きんとんを退けてみるまで気付けなかったのですが、菊の花として「匂い※」があしらわれています…細部まで行き届いた丁寧さに、より一層艶やかさが増したかのように見えてきました。「神は細部に宿る」といったところでしょうか。※京菓子では花芯のことを「匂い」と呼びます。

⏫中はしっとりとした小豆こし餡。最後にふわっと立ち上る小豆の風味に満たされた気分を味わえます。

今回ご紹介した和菓子店舗

菓子 末富》本店

住所〒600-8427
京都府京都市下京区松原通室町東入
・京都市営地下鉄烏丸線「五条」下車 徒歩約5分
・京都市営バス5系統もしくは26系統「烏丸松原」下車 徒歩約5分
電話075-351-0808
075-361-5308
営業時間9:00 〜 17:00
休業日日曜日・祝日
※連休・年末年始などは営業日・営業時間を変更する場合がございます。 変更の場合はお知らせに掲載しておりますのでご確認ください。

《末富》JR名古屋高島屋店

住  所〒450-6090
名古屋市中村区名駅1-1-4 ジェイアール名古屋タカシマヤ地下1階 和菓子売り場 (google map)
電 話052-566-1101
営業時間10:00~20:00
※主菓子(生菓子)取扱日:木曜日
定休日※店休日・営業時間は百貨店の営業に準じます。

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