こんにちは、年間100個以上の和菓子を食べるきりこです。
春めくと店頭に並び出すいちご。和菓子業界でもつやつやした赤い果実をメインに、美味しそうな和菓子が店頭を賑わします。「いちご」そのものは大好きなのですが、いちご風味のお菓子はやや苦手なんですよね。今回、見つけたのは羊羹となった「いちご」。パッケージは可愛らしく興味はあるも…えぇーい!《虎屋》さんの羊羹だもの。看板に偽りなしであろう。
さてさて、どんな味わいの羊羹に仕上がっているのでしょうか。お楽しみください。
『小形羊羹 いちご』
『小形羊羹いちご』《とらや》
▪︎販売価格:1個324円(税込)
▪︎販売期間:2023年2月15日~3月下旬
▪︎賞味期限:製造より180日
▪︎原材料名:砂糖(国内製造)、小豆、いちご抽出物、いちごピューレ、寒天
▪︎特定原材料等:なし
▪︎栄養成分表示:1個50gあたり 140kcal
こし餡にいちごをあわせた、季節限定の羊羹製の一品です。光を帯びるとほんのり赤みがかった艶を放っていて、うっとりしますね。羊羹とひとくちに言ってもさまざまな種類があります。
- 【練羊羹(ねりようかん)】→寒天の量が多くしっかり固めたもの。一般的に羊羹といえば【練羊羹】を指す。
- 【水ようかん】→寒天の量が少なく水分が多いため口当たりが滑らかになるもの。
- 【蒸し羊羮】→小麦粉に葛を加えて蒸し固めたもの。
『小形羊羹 いちご』は「練羊羹」です。しっかりとした歯ごたえになめらかな食感。炊きあがった羊羹の練り具合を職人の目で見極めるなど、熟練の技がキラリと光ります。気にかかっていた「いちご」も微かに香る程度。食べ進むうちに小豆餡の奥底にほんのり「いちご」の芳しさを感じます。パッケージの愛らしさとは一線を画す、凛としたたたずまいの御菓子でした。
かの夏目漱石も羊羹好きと知られ、著作にて羊羹のことを語っています。
あの肌合が滑らかに、緻密に、しかも半透明に光線を受ける具合は、どう見ても一個の美術品だ。ことに青味を帯びた練り上げ方は、玉と蝋石 (ろうせき) の雑種のようで、甚だ見て心持ちがいい。
夏目漱石『草枕』より
『小形羊羹 いちご』を見るにつけ、夏目漱石は何と的を射た表現をなさることかと感嘆いたしました。
今回ご紹介した和菓子店舗
《とらや》JR名古屋高島屋店
住 所 | 〒489-0867 愛知県名古屋市中村区名駅1-1-4 ジェイアール名古屋タカシマヤ 地下1階 和菓子売場 |
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電話 | 052-566-8546 |
営業時間 | 百貨店の営業時間に準じます |
休業日 | 百貨店の定休日に準じます |
《とらや》赤坂本店&虎屋茶寮
住 所 | 〒107-0052 東京都港区赤坂4-9-22 ・東京メトロ丸の内線、銀座線「赤坂見附」駅A出口より徒歩7分 駐車場:9台 |
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電 話 Fax | 03-3408-2331 03-3408-4135 |
営業時間 | 【物販】 [平日]9:00〜19:00 [土日祝]9:30〜18:00 【虎屋茶寮】 [平日] 11:00〜18:30 ラストオーダー18:00 [土日祝] 11:00〜17:30 ラストオーダー17:00 |
定休日 | 毎月6日(12月を除く) |
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